スポーツ医療チームによる加速度センサー測定

2017.11.16 Thursday

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    昨日はスポーツ医療チームによる加速度センサーの測定でした。これまでリハビリ、トレーニング、測定を繰り返し、アーチェリー指導では知り得ることができない射の際の重心動揺の原因を特定してきました。

     

    今回は測定と分析のスペシャリスト竹岡先生と深谷先生にお越し下さいました。お二人には以前東京秋津店までお越し下さり、加速度センサーでの分析について詳しく教えていただきました。いつも本当にありがとうございます。

     

     

    人間は生きている以上は動きを完全に止めることは不可能です。二足で直立している状態でも動きを止めることなどできません。元来不安定な人間の身体で重たい弓を支えながら強い力でドローイングを行い、クリッカーを鳴らすために常に身体を動かし続けながらエイミングで静止させたいという矛盾を限りなく両立させなければなりません。

     

    エイミング中に骨格の微細な動揺や、体幹の僅かな捻転が生じている人がほとんどです。そのためほとんどの選手が真面目に練習しているにも関わらず、これらが原因で真の上達に到達することができません。残念ながらそれらのズレは見た目やスーパースロー映像などで判別することができず、加速度センサーでの数値を拾うしか方法がありません。その動きを発生させてしまうウィークポイントを最先端の科学トレーニングで克服するのですが、これまで各自に課せられたトレーニングでの進化に対する進捗状況を調べるために、こうして何度も詳細に調べて効果的なレベルアップを果たしていきます。

     

     

    前回は数名を選んで100射以上のデータを測定して、筋疲労が発生している際の重心動揺、動きのバイオリズム、などなどを詳細に調べ上げました。筋疲労が発生する前からゾーン状態が出現しなくなり、測定結果のグラフにサイレントピリオドが出現しなくなりました。こうした原因が特定できたことで、筋運動を行っている状態にも関わらずリラックスしながらリリースできるメカニズムが解明され、ゾーン状態への誘導がどのようにしてなされているかが分かります。今回は比較のために私も測定します。

     

    今回は各自のトレーニングの進捗状態を知るために、3射を2回測定します。私は新しいリムに交換してから初めての18mなのでサイトの位置が微妙で、最初の3射は上の赤にグルーピングしました。18mなので3射のグルーピングは数cmと小さなものです。サイトの位置を上げて2回目に合わせていきます。測定データと的中位置を照合するために、スポーツ医療チームが的中位置を毎回画像に収めます。

     

    加速度センサーでの数値は1000分の5秒単位でセンサーの360度方向の動きを記録しています。ストリングが矢を送り出している最中はほとんど何もできませんが、身体に装着したセンサーがどこからもたらされた力によってどの向きへ動いているかを調べ、グルーピングの偏差と的中位置のズレを解明していきます。

     

     

    このようにしてスポーツ医療チームによってすべての射を撮影されます。2回目はサイト位置を合わせたので、3本ともゴールドの中心付近に小さくグルーピングしています。あっ、おしい。2回目は 10・10・9 でした。ぎりぎりオンラインせず。

     

    「どれどれ」と、竹岡先生が的前まで見に来ます。

     

     

    うわっ、こんなに当たるんですか!と驚いてらっしゃいます。いやいや、こんなもんじゃないんですよ。もう一回射たせてもらえたら、30金(10・10・10)の自信があるんやけどなぁ〜(笑)

     

    マジですか?ならば・・・

     

     

    という事で、3回目は弓本体にセンサーを取り付けて、発射の際にハンドルに与えられる力の状態を確認してみます。ストリングがリムに当たって矢が発射される状態と、グリップの面に手根骨が正しく当たり、手首から先に力が入らず橈骨に加えられている力がハンドル本体に正確に伝わっているかを調べます。同時にリム返りによるセンターロッドの左右方向への動きを知ることができるので、後方から見て真っ直ぐ装着さているように調整することが定説とされているリムアライメントそのものが、自分にとって正しいかどうかがわかります。

     

    エイミングの際に手首の力が抜けていて発射の後にハンドルが自然に抜けて回転していくか、中級者がやりがちな無理やりハンドルを突き飛ばしているようなことや、ハンドルをクルリとわざと回しているか、それらがすべてバレてしまいますので面白いです。

     

    ■この日私が使った機材

     

    ハンドル スターク リアル 12,960円

    リム WNS エリートフォームα(66-44) 28,512円

    ストリング 自作FF+ 原糸代数百円程度?

    プランジャー デカット 2,376円

    クリッカー デカット 713円

    レスト デカット ニーサ 832円

    サイト アバロン クラシック 3,564円

    サイトピン デカット ファイバーオプティック1mm 1,512円

    センターロッド クラシック26インチ 3,240円

    サイドロッド クラシック10インチ 2本で3,888円

    ダンパー 2個で1,296円

    Vバー スターク45度 1,188円

    エクステンションロッド デカット4インチ 1,512円

    アルミ矢(鳥羽根仕様) イーストン XX75プラチウム 1ダース 1万円程度

     

    弓と矢の合計金額は7万円ちょっとなのだ(笑)防具類を入れても8万円を超えることはない。それではこの安い弓矢を使って当ててみせよう。これを見て、的中に必要な十分な性能というものが、どんなものであるのかを知っておいて下さい。アーチェリーショップにダマされて数十万を支払わされたことが、どれだけ愚かなことかと言うことを。

     

    竹岡先生の指示通りに1本ずつ射って的まで行くと。

     

     

    竹岡先生 「マジですか・・・」

     

    はい。10・10・10 の30金。全員が固唾を飲んで見守る中での有言実行には竹岡先生もドン引き。グルーピングのサイズそのものは3回ともほとんど同じです。

     

    ハンドルに取り付けたセンサーはエイミングと発射の最中に、ほとんど動いてなかったそうです。手首や手のひらに一切力が込められてない状態でないとセンサーは小刻みに常に動いてしまい、発射の瞬間にハンドルがどちらかの方向を向こうと動き出します。親指と人差し指の付け根付近には力を加えることなく、骨で正確に力を支えることが大切です。

     

     

    全員の測定を終えたら、その場で詳しく説明します。それぞれ起こっている現象が異なりますので、個別の身体の状態に照らし合わせてウィークポイント克服のためにプログラムしていきます。上達してきた受講生には更なるレベルアップのために、様々な指導が加わります。センサーの数値はイイワケもゴマカシもききません。「頑張ってる」とか「やろうとしている」などは論外で、「正しくできている」のみが的中をもたらします。外観からでは見ることができず、アーチェリー指導だけでは知り得る事が不可能な内部の筋肉がもたらす動きや、それらによる骨格動揺がもたらす重心移動がどのようになっているかを理解し、筋肉の質と筋量の過不足をコントロールしていきます。

     

     

    加速度センサーの測定結果の検証は後日詳しく話し合います。測定が終わったら、各自の身体の状態の確認です。

     

     

    スポーツのみならず仕事や日常生活などの生活習慣がもたらす身体の様々な変調を、本人の申告や自覚の有無を問わず客観的に調べていきます。

     

     

     

    スポーツをするために理想的な身体を備えることで、パフォーマンスを最大に発揮することができるのです。こうしてケガや故障と無縁でいられるのも、スポーツ医療チームと一体となった指導を行うことができるからです。

     

    周囲よりも一足先にオフシーズン入りして身体の修正や身体づくりを行った者が勝ちなのです。寒風吹きすさむ低温下という劣悪な状況でひたすら実射を繰り返したところで、身体を優れた状態に養うことなど不可能です。

     

    アーチェリーを始めたら最後。誰もが自分が射つすべての矢を黄色に当てたいと思うようになるものなのです。しかし残念なことに、多くの人が上手くならない自分を必死になって作ってしまっているのです。

     

    日本人は世界のどの国民性と比べても、真面目で努力家が多いです。同じ努力をするなら、正しい努力をすることが幸せになれるというものです。大して上手くなれない自分の努力を褒めるほど情けないものはありません。

     

    けいはんな地域では随時入会もできますが、東京のレッスンは現在締め切っております。関東の方からの入会希望が最近になって増えてきましたので、年度の途中で入会できるように受け入れ態勢を増やしていきたいと考えております。具体的な日程が決まりましたらブログでご案内させていただきますので、しばらくお待ち下さい。

     

    アーチェリーは紛れもない「物理」の話です。具体的でないもの、科学で説明できないものに、再現性の高さを求めることなど不可能です。結局は具体的に何を行ったら優れた的中を得ることができるかどうかがわからない抽象的なものから抜け出して、自分の身体の現実を正確に知ることが大切なのです。