京都府アーチェリー連盟指導者研修会

2018.09.25 Tuesday

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    連休最終日はアクアリーナで、京都府アーチェリー連盟の指導者研修会でした。地域連盟・協会としては京都府アーチェリー連盟が日本で最も優れた取り組みを進めています。参加させていただいて本当にありがとうございます。

     

     

    午前中は「怪我をしない体を作るためには」というテーマで、京都の上桂にある平川接骨院/針治療院の院長をされてる柔道整復師森岡先生の講義です。こちらはプロチームから学生までスポーツに取り組む方の治療を行っていて、身体の状態と競技の特性を考えて最適な治療と予防法を提案して下さるスポーツ障害治療のスペシャリストです。

     

    けいはんなアーチェリーで私が実際に筋肉と骨格の動きを見せる指導スタイルにしたのは、森岡先生の最初の講義を受けたことがきっかけです。アーチェリーにおける骨格の正しいポジションへ誘導するための肩甲骨と上腕骨の動きを森岡先生が上半身裸になって、参加者の前で実際の動きをレクチャーして下さいました。まさに百聞は一見にしかず。体脂肪が増えてしまうと微細な筋肉の働かせ方を見せることが不可能ですので、これは森岡先生の他には私しかできないだろうと直感して今の指導に至っています。

     

     

    森岡先生も回を重ねるごとにトークの面白さに磨きがかかっていて、終始笑いの絶えない楽しい講習会でした。筋肉の使われ方の種類をわかりやすく説明して、同じ姿勢や疲労、使い続けることで身体がどのような状態になってしまうのかを解説して下さいました。

     

     

    仕事や生活習慣がもたらす身体の状態がアーチェリー動作にどのような悪影響をもたらしているかという内容は、私たちがこれまで言い続けてきた事と同じです。特にデスクワークでパソコンに長時間向かっている人が陥ってしまう姿勢の変化。頭部・首・肩甲骨のポジション悪化が続くことでのアーチェリーへの悪影響がどのようなものであるかを、参加者の姿勢変化を実例に出して見ることができたのはとても興味深いですね。

     

    スマホを眺めるほとんどの現代人は、普段の姿勢が悪い状態が「普通」の状態になってしまっているからです。それが普通になってしまっているので、どれだけ練習しても上手くなることができません。引き戻しという行為がどれだけ筋肉にとって良くない行為であるかの説明がわかりやすかったです。

     

     

    そして骨格のポジションが正しくない場合です。骨格のポジションがズレているまま射ち続けている人が、どのような痛みや障害を抱えてしまうかを実際の身体の動きを見せながらわかりやすく説明を受けました。やはり正しい射ち方は、ひとつしかありません。

     

    筋肉の状態が悪く柔軟性が乏しい状態では肩甲骨や上腕骨を正確なポジションに誘導することができませんので、肩甲骨を動かす筋肉群の柔軟性の高さがどれだけ大切であるかを説明され、ストレッチや筋トレのレクチャーがありました。私は普段のレッスンで行っているので何ともありませんでしたが、参加した指導者の多くにとってはキツかった様子でした。

     

    こうして指導者がアーチェリーにおける正しい骨格のポジションを学ぶことで、無理や負担を最小限に抑えた指導ができるようになります。どんな射ち方でも同じ射ち方ができれば当たるというような乱暴なものは、故障者を量産する危険なもので完全に時代遅れなのです。

     

     

    正確な射を支えるヒザと下肢筋肉のバランスの重要性についてです。ヒザの動きや下肢筋肉の状態によって骨盤の傾斜角に変化がもたらされます。ハムストリングの柔軟性が乏しいと骨盤が傾斜してしまうので安定した射をもたらすことができなくなってしまいます。

     

     

    ストレッチをしながら改善を目指しますが、立位体前屈を行って固すぎる人は動きが悪く固くなってしまった筋肉の状態を手技でほぐして治療します。動かさないことで固くなった場合は筋肉が皮膚の中でまるでゴボウのような感触の固い状態になっていて柔軟性を失ってしまっています。そのような部分を改善していくことで適正なフォームを目指すことができるようになります。見た目だけを直すようなハリボテのフォームでは正確な動きがもたらされないので、意味がないのです。

     

     

    肩や腰に痛みを抱えている人には姿勢を正して骨格のポジションを正確な位置に誘導できるための治療を行います。会場で実際に治療を受けた参加者の中には感じていた痛みやしびれがなくなった方も見られました。痛みの原因が何なのかをこうして探ることが大切ですね。本当は痛みが出てから治療をするのではなくて、タイトルどおり「怪我をしない体を作るためには」本当に正しい取り組みを進めなければならないのです。

     

     

    いつもお忙しい理事長先生も身体の状態を調べてもらって、身体の状態を優れた状態にするための施術を受けます。

     

     

    常に身体を綿密にメンテナンスしているオリンピック選手ですらも、普段のデスクワークが及ぼす身体への影響に悩まされている部分があるそうです。そうした実際の症例を詳しく教えていただけるのが有り難いです。

     

    京都府アーチェリー連盟で学んで育つ指導者からは、故障者ゼロが当たり前というスポーツ指導の取り組みにしていきたいですね。京都府アーチェリー連盟の取り組みが全国各地に広がることを願っています。

     

     

    アクアリーナのアーチェリー場では、アーチェリー体験会が開催されてました。会場の入口には「アーチェリー体験2時間待ち」という張り紙がありました。家族連れが次から次へと会場に入ってきます。京都でのアーチェリーの人気には本当に驚かされます。多くの人がアーチェリーを始めてくれるといいですね。

     

    アーチェリー人口が減っているという話を多くの地域や様々なクラブから聞きますが、それは面白い取り組みができてないからだと思います。取り組み自体が時代遅れであったり、閉鎖的な特殊な状態であったり、特定の誰かが私物化してたり、指導者に問題があったり、ショップとの癒着があったりなど、人が寄り付かない問題があるからだと感じます。

     

    京都府アーチェリー連盟の取り組みがモデルケースになればと思います。スポーツの競技団体は、そのスポーツを楽しんでくれる人がいてくれるからこそ、存在することができます。アーチェリーをする人を大切にして、多くの人が痛みや故障とは無縁でいられる環境を整えて、どんな人でも意見が言いやすい人間関係を構築して、爽やかにアーチェリーを楽しむことができる日本にしてきたいものです。