良い弓具とは 高い弓具のことではない

2015.09.18 Friday

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    アーチェリーで上達しない人に共通しているのは、自分が初心者レベルの域を脱してないにも関わらず、乱暴な機材のステップアップをしている(させてしまっている)ことです。

    取り組みだしてから何ヶ月経った、もう2年続けたから、などのように、続けてきた期間と上達が比例するものではありません。大切なことは、本当に上達しているかどうかです。

    それを勘違いしている多くの人からの問い合わせフォームへのユニークな質問ばかりで、それに対する返答をするのが楽しい日々を送っています。

    そもそもが勘違いな人たちなので、本筋とは違った細かいことばかりを、せっせと質問してきます。自分のレベルに関係のない小手先のテクニックや、繊細な機材のチューニングをどうこう論じたり、インターネットなどでくだらない情報を探るヒマがあるのなら、毎日欠かさずランニングでもしたらどうですか?(笑)

    やっぱり走らないとダメですか?という、競技に出場している選手からの質問には、飲みかけてたお茶を噴き出しましたよ。ほんっと、スポーツをバカにしてる人が多すぎて、カンベンしてほしいです。そんな質問をしてくるということは、立ち方も歩き方も走り方も習ってない人なのですよね。そんな人が機材だけを先どりして競技用のアーチェリーを振り回したところで、上手くなるワケないと伝えているのですが・・・(苦笑)

    さて、初心者練習用のアルミ矢を頻繁に仕入れてますが、ポイント(矢の先端)は競技用のニブポイントではなく、練習用の安いワンピースポイントを装着しています。



    今回仕入れたものからは、そのワンピースポイントの仕上がりが格段に上がってました。旋盤を新しくしたんでしょうかね?



    これなら問題なく競技にも使えますね。1ダースで1300円の安物なのに、モノが良くなるのは本当にありがたいです。

    それにしても、精度精度って、上級者でもないレベルにどんな精密な機材が必要だというのか・・・

    この矢はXX75の1616です。これはブルースですが、ジャズも同じグレードです。中学生だった四半世紀以上も昔に、私はこのXX75の1616を使って、50m・30mのハーフラウンドで630点を出してますよ。

    グラスのリムで表示30ポンド、実質ポンドは24ポンドでした。ハンドルとリムは自分のものですが、サイトは借り物で、装着していたスタビライザーは、アルミ製のセンターロッド1本のみ。

    女子高生よりも弱い弓から放たれた、曲がりを直した練習用のアルミ矢は、誰よりも高い放物線を描いてゆっくりと飛び、私の矢だけ的に上方からナナメに突き刺さるので、どこに当たっているのかがシューティングラインからよく見えました(笑) 海岸に近い砂丘の射場で風もありましたが、ゴム羽根を貼ったこのアルミ矢は、ほぼほぼ正確に当たってくれました。

    必要なのは道具の精度ではなく、自分の精度。自分の精度よりも少し低いグレードの機材を完全に使いこなせないうちは、自分の射を見つめなおすことなど、永遠にできないのです。

    いつまで続けてても大して上手くなれないのであれば、振り出しに戻ってください。正しい身体の使い方と、正しい骨格のポジションに誘導していくための、正しい筋肉の使い方を、しっかり学びましょう。もちろん弓具も、完全なる初心者から再スタートしてください。

    何を使っても大して当たらないか、何を使っても当たるようになるかの、どちらかしかありません。上級者でもないレベルのうちから、自分に合う合わないなどと、当たりもしないのにロクでもないこだわりを持って上達の妨げになるよりも、これまでの取り組みの間違いのすべてを捨てる勇気こそが、スポーツの本当の楽しさにつながるのです。
     

    運転免許試験場にF1を持ち込むような 初・中級者のアーチェリー選び

    2015.08.25 Tuesday

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      ■高ければいいのか?

      アーチェリーは高いですか?と尋ねると、必ずと言っていいほど即答で「高いです」「何10万もします」と、返ってきます。そうですか。それでは質問を変えてみましょう。

      包丁って高いですか?



      すると多くの人は、ちょっと考えてから返答をします。即答で、「いいえ」とか「そうでもない」と答える人が半分程度ですが、「プロの料理人は本格的なものを使っているだろうから、高いのもあると思う」と答える人もいます。そうですね。そういった答えが、私たち一般的な感覚だと思います。

      そこで大事なことを、ひとつ考えてみましょう。高性能がすべてというのであれば、どうして一般家庭では最高級の包丁を使うことがアタリマエという文化にはならないのでしょうか?それは家庭レベルでは、文化包丁1本で十分満足な家庭料理をつくることができるからです。「切る」という目的が正確に達成できるのであれば、べつに鍛冶職人が丹精こめて作った高級包丁でなくとも、家庭レベルでは目的を十分に果たせるということです。

      まさに猫も杓子もといったところですが、初心者も中級者も上級者も、アーチェリー愛好者のほとんどが高価なハイエンドモデルを使っています。地方の高校生の小さな大会を見に行っても、そこにずらりと並んでいるアーチェリーを見ると壮観です。ここは世界戦の会場か?と思うほどです(笑) アーチェリーの技術講習会を開催したら、フラッグシップモデルを持ち込む人が多いのもビックリします。それって自動車学校での実技講習に、F1などのフォーミュラカーを使おうとするのと同じですよ。それがスポーツ指導の現場において、どれだけ滑稽な状況であるかを知っておいて欲しいものです。聞くと、最初にそれを買わされたという人がほとんどです。まさに狂気の沙汰にある日本のアーチェリー界。本当にどうかしてます。

      ■オタク的な趣味性をスポーツに持ち込まない

      アーチェリーは、弓を使って矢を的に当てるスポーツです。現代のアーチェリーの性能は、究極なまでに高められたものばかりです。高額な製品は総じて、驚くべき的中性能を持っています。しかし注意しなければならないのは、それをどんなレベルの人が使っても当たるワケではない事です。それにアーチェリーといえども、しょせんは弓矢であることを忘れてはなりません。そもそも弓矢を扱う上での身体の基礎的な能力がヘナヘナ(小手先のテクニックの事ではありません)なくせに、身体はガチガチに固いので、どんな高性能なアーチェリーを買ったとしても、道具のステップアップに自分が置き去りにされてしまうのです。

      どんな分野であっても、モノづくりの世界には様々なグレードや価格帯の製品があります。プロはプロなりの、アマチュアはアマチュアなりの、初心者や素人にはそれなりの道具を使って正当な手順を踏んでステップアップしていくことでしか、上達する方法はありません。しかしアーチェリー初心者の多くは、最初からいきなり25万とか20万、安くても15万(笑)などと、趣味性の強い、不必要に「超」高額な製品を買わされてしまう傾向が強いです。

      アーチェリーを始めたいと考えている人の多くはアーチェリーというスポーツをしたいのであって、高級なアーチェリーを買って、それを家で眺めながら酒を飲むといった、おかしな趣味のコレクターではありません。初心者が扱いやすい、安くて的中性能が高い製品はいくらでもあるのに、どうして不必要なまでに高額な製品を買わなければならないのでしょうか。日本のアーチェリー界全体が、ずいぶんおかしなマインドになっていると思います。それを他の分野で例えてみると、冷静な判断ができるのではないでしょうか。

      料理ができない人が料理教室に行って「最初にこれを買いなさい」と、3種類がセットになって15万円の高級包丁セットを勧められたとしたら、どうでしょうか。もしもそんな事があったとしたら、それがアタリマエの事だとは、とても言いがたいですよね。しかしながら、多くのアーチェリーショップや、初心者教習の現場では、初めて自分の弓具を買おうという人に、いきなり上級者向けの総額25万円の製品を勧めます。しかもそれが完全に常態化しています。

      25万円というグレードは、オリンピックや世界戦を目指すような人が使うレベルの機材です。その突出した性能を体感できるのは、1000人に1人いるかいないかというシロモノです。そのレベルに到達するまでに、よほど積み上げてきたものがなければ、剛性は高いがサイトピンの震えを止めることができず、レスポンスが高すぎてナーバスな挙動を起こしてしまい、機材が不安定な自分の動きを、より大きなものにします。結局は不確実な自分の動きを、的面に顕著に残すことしかできません。わかりやすく言うと、たかだか実質40ポンド(※表示ではなく実質)をチョット超える程度の弓の力を、骨格で支えることができず筋力を総動員して射を維持しているレベルのうちは、高性能なモデルは上達の足かせにしかなりません。個々の上達の状況に合わせたものを、その都度揃えるのが鉄則です。「最初にこれを買っておけば大丈夫」というのは、なかなかありえないハナシになのです。

      そもそも初心者の頃は弓の扱いに不慣れなので、フィンガースリングが指から抜けて弓が飛び出し、サイトやプランジャーを地面に当てて壊す人も多いものです。センターロッドの取り付け部分を曲げてしまうことや、ボルトが折れてしまうこともあります。初心者や中級者同士で試合に出たり練習してたりすると、弓を倒されたりもするでしょう。ですから最初から高額な製品を買っても、自分で壊したり痛めたりするものだと考えて商品を選択しなければなりません。肩甲骨が浮き上がってるような状態では弓に重量物を装着してはいけません。しかし中級者以下では、センターロッドすら装着するレベルにすら到達してないというのに、最初からいきなりフルセットを買って、買ったものを全部装着して、機材にしがみつくようにして射っている状態です。そりゃぁ、上手くなりません。多くの初心者は基本的にショップの言われるがままに買わされている可能性が高いので、25万円のうち20万円程度がムダ金になります。今使わなくても将来必要になるから買っておけという言葉は、単に売りたい側の都合です。

      最初から高性能な機材を購入するのは、赤ん坊が生まれてすぐに、本人が好む色かどうかもわからないランドセルを買い与え、まだ重くて持ち上げられないのに、何でもかんでも詰め込んでいるのと大して変わりません。いや、もっとヒドイか。免許を取る前にフェラーリを買ったが、結局免許を取れずに運転そのものができなかったり、まだ入試も始まってないのに一流大学へ入学金と授業料4年分を先に払ったが、合格できずに入学が叶わなかった状態にも似ています。自分が上級者と対等に戦える実力もないのに高額な上級者モデルを使ったところで、自分の身体に負担をかけて、上達できない状態を続けることにしかなりません。その特別な機材は、あなたのために特別なことなど何もしれくれないのです・・・

      ■ハンドルなんて1万5000円も出せば十分



      今年は少し値上がりをしたとはいえ、それでも販売価格は1万5000円を超えることはありません。これはSFのアクシオムプラスライトです。W&WのOEM製品です。

      よほどの競技者でなければ、実質40ポンドを超えるような強弓を射つことは考えられません。ですから競技用として40ポンドまで保証対象であれば、何の心配もいりません。レストもプランジャーも付属していて、ハンドルの販売価格は14,500円です。

      リムの装着はILF方式なので、互換性が高いモデルです。最初にアーチェリーを習う時には近射でもタタミに矢が刺さらないほどの弱いものから始めて、少しずつ身体を慣らしていくものですが、自分のハンドルを買ってからも、20ポンド未満の低ポンドから少しずつ時間をかけて徐々にステップアップしてください。最初からいきなり30ポンドを超えるようなリムを、絶対に引いてはいけません。教習施設で最初から30ポンドもの弓を引くのは論外です。あとからどんなに正しいフォームに直したとしても本来必要な筋肉を使って骨格を誘導できなくなるので、見かけだおしのハリボテにしかならず、どれだけ練習しても大して上手くなりません。

      ところで新しいハンドルを買って最初にリムを装着する際は、必ず指導者に装着してもらってください。リムとリムボルトの接触に関する点や、ハンドルのリムボルトを最も弱めて使う際に、リムのロケーターの移動と調整が必要になる事が多いです。互換性があるILF方式といえども、同じメーカー同士の製品であってもリムに大掛かりな調整が必要になる場合があります。自分や他人を大変な事故に巻き込む事がありますので、自分の判断で異なるリムに交換しないでください。特に通販などで購入されて使っている人のリム破損の事故が多いので、新しいリムを装着する際は自分の勝手な判断で使わずに、必ず指導者の指示を仰いでください。



      このハンドルは低価格帯の部類に入りますが、なかなか立派なセンター調整機構がついてますね。高額なハンドルと、機能面では何ら変わりません。W&Wは、安くてもちゃんと使えるものをしっかり作ってくれるので、本当に助かりますね。安くてもこんなに立派な製品があるのに、上級者でもない人が上級者モデルを使うのが、どれだけバカらしい事かと思います。



      このハンドルは昨年も実射しましたが、この14,500円のハンドルの性能にケチをつけられる人が、いったい何人いるというのでしょうか?これからアーチェリーを買おうと思っている人にとって、考えられないほど良心的な価格設定です。安くてビックリされることが多いですが、全国大会を目指すには十分すぎる性能があります。

      どれだけ実射を繰り返してもフォームが安定して肩が上がらず、試合に出ても安定して高得点を出すようになったら、Vバー・サイドロッドを購入します。これらは合わせて1万円前後であります。本当に上級者になるまでは肩や腰への負担にしかならず、手首から先の力が抜けないお粗末な状態では矢に与える力の向きを安定させられないので、剛性が高いものや、26インチを超えるような長いセンターロッドを選んではいけません。初心者用の柔らかいものを使います。ロッドの先端のウエイトを増やすと身体への負担が大きくなるので、当分の間は各ロッドの先端に1個のみを装着します。当分の間はエクステンションロッドは必要ありません。ちなみにセンターロッド以外のロッドやVバーなどは、必ずしも全員が使わなければならないものではありません。みんなが使っているから自分も使うというものではありません。アーチェリーを始めて半年程度の人がVバーとエクステンションロッドを装着しているのは、完全に異常です。特に小学生や中学生の場合は、骨格の成長に異常をきたしますので、安易に装着させてはいけません。

      Vバーなどに慣れてきたら、グラスリムを卒業してカーボンリムにステップアップしてもいいでしょう。この頃には38〜40ポンドのものを選んでも平然と扱えるようになっています。ウッドコアのカーボンリムは、21,000円程度であります。この価格のリムでも、レッドバッジの点数が出せます。70mで320点以上が出せるレベルでもない限り、性能面に不満を感じることなどないはずです。ところで競技者としてではなく、競技会には参加しないが、スポーツとして純粋にアーチェリーを楽しみたいというのであれば、身体に負担のかかるVバーもサイドロッドも購入する必要はありません。リムもカーボンではなく、安いグラスリムで十分です。ハンドルにはセンターロッド1本のみの装着で、70mで普通に300点以上を出すことができます。



      ある程度の強さのリムを買ったら、カーボン矢を購入してもいいでしょう。VAPのV6でも全国大会で十分通用しますが、技術が未熟でまだ学ぶべきものがある発達途上の選手は、価格帯を問わずオールカーボンの矢を使ったり、ポイントを極端なヘビーポイントを装着して矢の前後バランスを崩すような事をしてはいけません。取り掛けとリリースが未熟な人はインスパイアで十分です。最初のカーボン矢をインスパイアにすれば、矢を1ダース作っても5,868円と激安です。

      矢の製作は、指導者立会いの下で矢を自作します。インスパイアなら完成矢を2ダース作っても12,000円もしません。継ぎ矢したり、遠慮なく消耗させればいいでしょう。最初に買った1ダースを使い続けてスパイン変更の余地があるなら、次は異なる番手のものに変更したらいいのです。最初はどのスパインが自分に合ってるか使ってみないとわかりませんので、いきなり高い矢を買っても、実際には合わない事もあります。数ダースを消費したら、VAPのV6グレードでも買えばいいのです。新たに作っても17,068円です。こんなに安いカーボン矢ですが、70mで330点が出ます。私はこのV6グレードのVAPを使って、公認試合の70mで雨の中、後半に315点を出しています。上の画像の右半分の矢を使いましたが、装着していた羽根は初心者用のゴム羽根です。70mで320点以上が出せるようにならないとカーボンシャフトとゴム羽根のバランスの悪さに気づくようなことはまずあり得ませんが、全国大会で賞状をもらえるようなレベルにならないかぎりは、道具に精度を求めるよりも射の精度を高める事の方が大切という事です。

      ■全部でナンボ?

      さて、5年をかけて機材のステップアップをしていくとして、幾らかかるでしょうか?

      ステップアップに必要な機材を借りれる環境になく、全部を自分で購入するとして、ハンドル2セット、リム4セット、矢3.5ダース、ストリング5本、タブ、サイト、プランジャー、レスト、チェストガード、アームガード、スタビライザー、アーチェリーケース、ストリンガー。今年は値上がりしたと言っても、それでも総額は187,400円です。これだけの道具を買い続けても、道具にかかる費用は、1年あたり38,000円しかかかりません。自分が上達するまで、ものすごく充実したステップアップになりますよ。

      最初からいきなりフルセットで15万とか25万の上級者モデルを買いそろえることが、どれだけステップアップの妨げか、ということなのです。アーチェリーケースが必要なければ、5年間で支払った総額は16万円で済みます。さらに、ステップアップに必要なリムと、最初のハンドルを借りれる環境にある場合は、5年間の総額は13万程度で済みます。最初はショップで25万と言われてたのですよ。その差額は12万円。12万円もあれば、どれだけ自分の身体に投資ができると思いますか?

      都道府県の代表を目指すとか、国体のメンバーに選ばれたいというのでなければ、Vバー・サイドロッド・エクステンションを買うこともありません。最初の道具に1年目からイキナリ25万をかけても、まず使いこなせるようにはなりませんし、ほとんど多くの方が、本来の正しい使い方を教わる機会すらないので、弓を持つ手首から先も、ストリングへの取り掛けもリリースも、弓の力の支え方もムチャクチャです。引きがキツくて重量が重たい弓を無理して引いてケガをするか、本来の性能を発揮できなまま使い方がマズくて、高価な機材を壊すのがオチです。それに、最初から高額な道具を買い揃えても、リムもハンドルも何年か使ったら買い替えることになるのです。そのときになって、また25万も払うのですか。何ともバカらしいです・・・

      それよりも、すべてにおいて扱いが不慣れな1年目は4万程度でスタートして、そこから少しずつ上達にむけてステップアップさせた方が身体はラクですし、ゼッタイに使いこなせない性能に高い金を払うようなムダな買い物をすることにはなりません。

      最初の道具に25万円というのは本当にバカげた話です。それが15万円であっても、最初からイキナリ15万円というのは完全に理解しがたい話です。そんなモノを勧められてる時点で、おかしいと疑わなければならないのです。頭は考えるためにあります。しっかり考えて、賢く上達していってください。

      ■もう少し包丁の話

      ハナシを包丁に戻します。優れたプロの料理人は、使った包丁を毎日研ぎます。それはなぜでしょうか?理由はひとつです。自分が魂をこめて使う道具を、常に最良の状態にしておくことを心がけているからです。使う包丁がすごければ、使う砥石もすごいのです。

      あらゆる世界において、モノには様々な価格帯が存在します。低価格帯には低価格帯なりの、高価格帯には高価格帯なりの、目的を達成するための性能が含まれています。プロやトップレベルと、一般レベルでは、そもそも道具に対して求めるものが異なります。近所のスーパーで買った包丁と、1本10万円の堺の包丁があったとしても、残念なコトに私がキッチンに立つかぎりは、どちらの包丁を使っても、工程や出来ばえに違いは出てきません。

      プロの料理人と私では、包丁の扱いのレベルが違いすぎます。使用頻度も比べ物になりません。ですから、包丁に求める性能が異なります。私には切れ味以外の判断基準がありません。ですから私には1本10万円の高級包丁は、完全に猫に小判という状態です。それに、これまで家庭で使ってきた包丁に不満があるわけではありません。カマボコ板や電線を切るような使い方をしたことはありませんが(笑)、庭先で月に1回も研げば、包丁として与えられた機能を十分に発揮してくれます。

      アーチェリーではどうでしょうか?総額25万の「超」高級品を持っていても、ロクにメンテナンスもせずに、ただひたすら実射を繰り返している人がほとんどです。使っている道具の状態が良くない状態であったり、その道具にとって良くない使われ方をしていたり、そんな悲惨な状態を目にする事が多いです。

      初心者に、ムダに高性能で、ベラボウに高い機材を勧めるのが、どういう事かと言いますと、包丁でリンゴの皮もむけない人に、「コレを使えば上手にむけるようになりますよ」と、15万円の包丁を売りつけるのと同じです。しかしその包丁の持ち方や素材に対する手の運び、まな板に向かって立つ位置や足の角度に姿勢、それに包丁の研ぎ方などの一切を教えてもらうことなく、言われるがままに15万円を差し出しているのです。確かに最初はよく切れるのだと思いますが、自分の指も切ってしまうかも知れません。



      これは先ほど、冒頭で紹介した画像です。これはママゴトを卒業した子供に料理を教えるときに使う、子供用の包丁です。刃先と刃元を工夫してあり、刃物の扱いに不慣れな小さな子供が扱いやすいように工夫を凝らしてあります。もちろん大人でも、調理用品として普通に使えます。

      どうしてこのようなものが存在するかを私が述べる事もないと思いますが、あらゆる分野において、扱いやすくてある程度安心して使える懐の広さが、初心者にとって必要な性能であることは間違いありません。機材のステップアップを急ぐことが得点アップに結びつくというのは幻想です。扱いきれる性能すら扱えない状態であるならば、これまで使っていた道具を超えた性能を持つ機材にステップアップしたとしても、得点は伸びません。それは、自分の技量が道具によって高まるわけではないからです。

      すべての性能を突出した高さで追及したものは、扱いが完璧ではない人間が振り回すと大変な事になるのは、アーチェリーも同じです。ダイコンの桂むきどころか、リンゴの皮すらまともにむけない不器用な人が集まる料理教室で、美味しくない料理しか作れないレベルの人たちが、最高の食材についてを語っているのです。しかも救急箱片手に、全員が「超」高級な包丁を振り回しているような状態ですよ。そんな状態のどこがスポーツ指導なのかと思います。

      ■さいごに

      初心者や中級者のアーチェリー用品選びには、指導者が細心の注意を払わなければなりません。初心者や中級者が道具に精度やスピードや反応性など、スペック上での性能を求めてしまうと、発射のすべてが一瞬で終わってしまうために、たとえ優れた指導者から何かの指摘を受けたとしても、正しく理解ができないまま終わります。初心者は初心者に必要な性能として、扱いやすさ、挙動のわかりやすさを備えた、とにかく懐の広い製品を選ばなければならないのです。そんな扱いやすくて、当てやすい道具は、フルセットで4万円台で手に入ります。

      最初にいきなりフルセットに25万円もかけて一式を揃える人は、将来引けるようになる強さを予想したものを買わされる事になるので、自分の弓で練習することが身体に負担を強いて、グッタリ疲れるアーチェリーになります。力まかせでないと扱えないために、引くだけで精一杯で、引いてる最中に何を言われてもアタマの中は真っ白。技術の修得はまずムリです。練習を終えたあとに、身体のなかにズッシリと重たいものが残ります。最初は自分に合ったものを買っているかどうかもわからないまま、勧められるがままに買ってしまっていることと、そのうち周囲にそそのかされて最新機材が欲しくなり、不必要に買い替え時期が早まるために、結局は数年程度で買い替えてしまう事が多いです。数年後に周囲に半額で売ると呼びかけても、アーチェリーをしたことがない人にとっては半額でも恐ろしく高いと思われてしまい、高い割には道具のキズや外観上での痛みの具合を気にされてしまうので、なかなか買い手はつきません。「アーチェリーは高い」と声高な人たちの中にいるので、なかなか新しい仲間も増えません。

      最初は4万円くらいから揃えて、じっくりとステップアップして何年もかけた結果、総額15万という人は、最初から身体に負荷の少ない引きの弱いラクラク練習を続け、じっくり長く時間をかけて少しずつステップアップしていきます。ですから実射を始めても爽快なアーチェリーを楽しむことができます。引きが弱く身体への負担が少ないために、安心して練習量を増やし、正しい反復練習をこなすことができます。そのため身体の正しい使い方や適正なフォームをマスターしやすく、身体を壊すこともなく、ラクに早く上達することができるのです。

      安く始めることができる環境を作ると、仲間が大勢増えます。そうなればリムの貸し借りが頻繁に行われるようになるので、ステップアップの際の費用をさらに大幅に引き下げることができます。最初に数万円で買ったフルセットは、何年かすれば仲間うちでタダ同然で、ステップアップするための製品を買うときまで使わせてもらえることが多いのです。自分のためにも、将来増えるであろう仲間のためにも、最初からいきなり高額な製品を買うべきではありません。

      ところで先ほど、料理人は一日の最後の仕事を終えたあとに包丁を研ぐと言いました。それは自分がプロの料理人として、自分が扱う道具を常に最良の状態にしておきたいと考えるからです。その仕事の内容を考えると、それはむしろアタリマエの話だとも言えます。料理人の包丁がアーチェリーにおける弓矢だとしたら、砥石にあたるものをちゃんと用意できてますか?

      ハイスペックな製品の的中精度はすさまじいものがありますが、ついてるネジをグルグル回すだけがチューニングだと思っている人だらけで本当にビックリします。アーチェリーに関わるすべてが、常に最良の状態にあるかどうか、絶対的な自信があるでしょうか?定期的にオーバーホールして、きちんとメンテナンスができているでしょうか?ストリングの状態は完璧でしょうか?そのストリングを使った日数と発射回数を記録してますか?サービングの向きと原糸をねじる向きは本当に合ってますか?原糸の回転数は何回ですか?サービングをいつ巻きかえたか、記録を残してますか?次にタブの革を交換するのは、いつですか?試合の何日前に爪を切るか決めてますか?毎回的から矢を抜いてクイーバーに収めるまでに、シャフト・ノック・ポイント・羽根の状態を確実に確認できてるという絶対的な自信はありますか?ノックのストリング装着部分から羽根の最後部までの距離を決めた根拠は何ですか?どうしてその全長のストリングを使っているのですか?ノッキングポイントの高さを決めた根拠は何ですか?自分のフィンガースリングが、使い始めた頃から何ミリ伸びているかを把握していますか?プランジャーの中に、チップのカスや砂粒などが入ってない自信はありますか?まさかプランジャーのスプリングやイモネジがサビてるなんて事にはなってませんよね・・・

      上級者が更なる高得点を目指すために、ハイスペックな製品があります。自分の身体がほぼ完璧で、これ以上精度を高めることができない究極のレベルに到達したときに、機材への更なる精度の高さに依存します。しかしまだ自分がレベルアップしていかなければならない状態であれば、そういった機材において神経質なまでの精度の高さは一切必要ありません。初心者や中級者がハイスペックの競技機材を買わされても、自分にとって最良のポジションを探ることはおろか、その状態を維持する方法すら知りません。買った機材を組み合わせてストリングを張っただけで、機材のコンディションが整うわけではありません。それにメンテナンスフリーの機材など存在しないのです。初心者や中級者が使っている25万円のアーチェリーは、「超」高級な包丁を買ってから、一度も研いだことがないどころか、使ってから一度も洗ったことがないという状態に等しいのです。これまで何度も大きな魚を骨ごと切ったり、カマボコ板や電線を切断できるすごいスペックを持っていたとしても、手入れが行き届いてなければ必要のないスペックになります。多くの場合は包丁の刃がこぼれていても気にせず使い続け、ほとんど研いだことがない高級な包丁は、いずれ力を込めても切れないものに成り下がり、本来は一生モノだったはずなのに、すぐに次の新しいモデルが欲しくなるのです。

      100円ショップに置いてある安物の文化包丁よりも切れなくなった15万円の包丁が、ショップにそそのかされて初心者が買わされた25万円の弓具です。セッティングの起こし方すらままならない人が、インターネット通販で買うのも論外です。セッティングというのは、ハンドルに対するストリングのセンターショットの事ではありません(笑)そんなものを使って、どれだけ気合いや根性を入れて、真剣な顔つきになって的をにらみつけたところで当たりませんよ。正しい身体の使い方を学んで、道具の正しいセッティングとメンテナンスを学んだ人が、いかにも爽やかな雰囲気で数万円の弓を使ってズバズバ当てて、ニコニコしてるんですよ。

      アーチェリーなんて、しょせんは弓矢です。弓矢を使ったスポーツ自体が、敷居が高いわけでも何でもありません。初心者に高額な製品を勧める雰囲気であったり、高い道具を使ってないと恥かしいと思わせてしまうような雰囲気を作り出す風潮を、とにかく消し去ってしまわなければなりません。これからアーチェリーを始める初心者や、上達過程にある中級者に、オリンピックや世界戦に出場するレベルの人間が行なっているような、超神経質で超繊細な、本当に神業とも呼べるような究極の世界を押し付けるべきではないのです。そんな事よりも大切なのは、いかに身体への負担を減らして、スポーツ障害を抱えない身体を時間をかけて作っていく事と、目指している技術を修得させるために必要な機材を、適材適所で選択する事なのです。

      高価な弓具自慢をする人が多かったり、大して上手くもない自称上級者がエラソーにしているような、そういった良くない風潮が感じられるのは、そのクラブや教習施設、またはショップが、スポーツとして本来あるべき正しい取り組みを実践できていない証拠です。みんなでよってたかって、高額な弓具を買わそうとする雰囲気も危険です。子供の入会を断ったり、正しい基礎指導ができない教習施設や、指導者がいないレンジやクラブも多いですよ。本当に困ったものです。これが、これからオリンピックを開催する日本の現状です。何とかしていきたいです。

      アーチェリーは、安くて扱いやすいものがたくさんあります。扱いこなせもしない高価な弓具を見せびらかすような金持ち趣味の変なオタクの集まりは相手にしないで、スポーツとしてまずは正しい指導を、指導のプロフェッショナルから受けましょう。いちどアーチェリーを始めたら、誰もが「もっと当たるようになりたい」とか「もっと上手くなりたい」と思うものなのです。自分が大して上達してないのであれば、身体の使い方も弓具の使い方も間違っているので、いま使っている弓を置いて、最初からやり直さなければならないのです。初心者用の弓具を使って正しい指導を受けてこなかった人は、本当の上達を目指すにはそれしかありません。

      暑さが幾分マシになってきましたね。あと少しで待望のスポーツの秋です。スポーツが快適な秋に備えて、今のうちから身体の調子を万全に整えておきましょう。

      本当の事をダレも知らない 激安カーボン矢の的中性能

      2015.08.12 Wednesday

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        今回は、問い合わせフォームで質問の多い、矢についてです。

        シャフトには様々な精度、様々な価格帯の製品があります。ポイント・ノック・羽根もそうです。はっきり言って、どれを選んだらいいか、一部の上級者ですら、「知ってるつもり」状態の人がいます。中級者や初心者であれば、わかってなくて当然です。ショップの人間ですら、表向きの事しか言えない人が多いです。そのため、わからないのをイイことに、良心的でないショップから「超」高級な矢を買わされてしまいます。

        使えば当然のようにわかる事ですが、高い矢を使えば、高得点が出せるようになるのではありません。矢を発射しているのは自分自身の行為であり、自分が行う正確な射の動作が、毎回の的中(得点)という結果をもたらしているのです。あなたが正確な射を行ったとき、視認しているサイトピンの先に矢が的中する。その再現性の高い射を繰り返すことができる。それがアーチェリーです。

        シャフト精度やシャフトの軽さ、そして初速などの、数字としてのスペックがすべてのように語られてますが、アーチェリーで自分にとって大切な数字とは、自分が試合で実際に叩き出すことができる「得点」という数字だけです。実はターゲットアーチェリー用として販売されているすべての矢は、70m先の的の黄色にすべてが刺さる性能を持っています。どこに飛んで行くかわならないような、そんなアブナイものはターゲットアーチェリー用の製品としては、まず販売されてません。

        ネダンが高いから当る、安いのは当らない、というものでは決してないのです。高い矢と安い矢。上級者でない人であれば、どっちを買うのが得することができるでしょうか?というか、すでにあなたが高い矢を使っているのであれば、上級者を追い込むほどに普段から当てることができてるのでしょうか?

        一流選手でもない中級者が、超一流選手と同じ矢を使うと、ほぼ高い確率で上達が止まります。それはまた別の機会に紹介するとして、今回はシャフト1ダースが3800円というオドロキの低価格で売られている、イーストンのカーボン矢の新製品「インスパイア」を製作して、実射テストをしてみます。

        ■初心者練習用のアルミ矢よりも安いカーボン矢「インスパイア」



        ターゲットアーチェリーで使われる矢の種類は、多岐にわたります。上級者には上級者用、中級者にはレスポンスが低くて扱いがマイルドな中級者用、初心者には地面を滑走させたり的外を射って何本も壊してしまうことが前提の初心者用など、実にいろいろです。

        矢を選ぶときに注意しなければならないのは、自分のレベルに見合ったグレードのシャフトを選ぶことが大切です。50mで300点も出せないうちは、シャフト本体が非常に軽量なオールカーボンシャフトや、シャフトが肉薄なものを使うことはオススメできません。

        それに、矢は完全なる消耗品です。高得点を叩き出す上級者でもないかぎり、上達過程にある中級者以下のレベルであれば、こんな練習用の消耗品にムダにお金をかけるべきではありません。シャフト1ダース4万円近い矢を、当たりもしないのに恐る恐る使うよりも、1ダース4千円もしないシャフトを、継ぎ矢で壊しまくる方が格好イイのです♪



        インスパイアに精度の表記はありませんが、実際にこの矢を製作してみてすぐに、素晴らしい事実に気がつきます。上位機種を使っている人が困るので、製品についての詳細を書くのはやめときましょう(笑)

        矢の製作はショップ任せにするのではなく、指導者から教わりながら自分の矢を作りましょう。シャフトカッターとストリングジグを持ってないレベルの指導者は完全に論外ですが、慣れないうちはシャフトのカットは指導者が(頼まれなくても)喜んでやってくれるはずです。

        ショップによってはシャフトカットにビックリするような工賃がかかるところもあります。通販で買うときに依頼しても同様です。矢をショップで何度か作っているうちにアローカッターを買うくらいの費用がかかりますので、アローカッターは、仲のいいグループやクラブ内でお金を出し合って買ってもいいでしょうね。そのような場合は、カッターの刃だけは、各自が自分のものを使うようにすると、「刃が割れた」とか、「割れた刃を弁償して」というようなトラブルになりません。アローカッターを個人で持っている人がいれば使わせてもらって、その人に新しいカッターの刃をプレゼントしてあげると喜ばれますよ。

        ※ACEを買う事を考えたら、インスパイアとの差額で1人が1台、アローカッターを買えてしまうのですけどね・・・(苦笑)



        ポイントは亜鉛製の鋳造です。表面に保護材のようなオイルのようなものが付いた状態で袋に入ってますので、装着前にポイントを脱脂します。特にインサート部分を丁寧に脱脂してください。シャフトの内側も同じように丁寧に脱脂してから、ホットメルトで接着します。



        ノックを装着して、羽根を貼ったら完成です。羽根は100枚で1300円の、初心者用のゴム羽根です。安定して高得点が出せるようになるまでは、軽量なフィルムヴェインよりも、このように少し重たいゴム羽根の方が扱いがラクでオススメです。

        ■インスパイアの実射テストの模様



        私が射つために自分用の弓具を引っぱり出してくるのは、月に1回あるかないかで、実に久しぶりです(笑)



        30mで3射して大まかな調整をしたら、70mで6射してみます。ポイントが軽いので的の上部に的中しています。この日は横風が強くて横長なグルーピングを見せてますが、シャフト自体に重量があるためにそんなに大きな流れはありません。的面での的中に上下幅がほとんど出てませんので、精度表記がされてないにも関わらずシャフトの精度はまったく問題がなく、横風によるエイミングのズレと、飛翔中の矢が実際に横風を受ける以外の影響がない事がわかります。

        的中位置がわかったので、サイトを上に調整して射ってみましょう。プランジャーとサイトの調整機能を一切イジらずに、9射連続で射ってみます。



        このように、ほぼ同じ場所にグルーピングしています。シャフトやポイントの精度低さで、特定の矢が狙いを外してしまう事はありませんでした。というよりも、この回のグルーピングの小ささに、モンクの付けようはありません(笑)

        あとはサイトか、プランジャーの調整でOKです。私はプランジャーのスプリングを少し弱めて調整を完了させました。これが、精度の表記すらしていない、1ダース3800円のシャフトと、ポイント1ダース1000円という、激安カーボン矢の的中能力です。

        この安いインスパイアのネダン10倍の矢を使っている人も多いですが、X10やACEを使ってる人は、ちゃんとグルーピングさせることができてますか?(笑)

        ■得点は?

        こうしてカンタンに調整を終えたら、それぞれの距離で36射ずつ実射してみます。気温は26度で曇り空でしたが、この日は横風が強くて実射テストにはピッタリでした。風が強いときはシューターが風を受けて翻弄されると同時に、飛翔時の矢の横風の影響をチェックできるので、条件が整っている時よりもいい実射データが取れるものです。



        シャフト イーストン インスパイア
        スパイン 750
        ポイント インスパイア純正ワンピースポイント50グレイン
        ノック イーストン GノックSサイズ
        ヴェイン AAE エリート(初心者用ゴム羽根)16サイズ
        アローレングス 25インチ
        実質ポンド 39ポンド



        70m 307点



        50m 312点



        30m 344点

        どの距離も、普通によく当ります。50m・30m(ハーフラウンド)合計してみると、656点が出ています。ACEやVAPのV1グレードとも、出せる得点に違いはありません。シャフトの精度が高くないことが、強い横風を受けて何らかのマイナスを及ぼすようなこともありません。私は今では人に教えることが中心なので、実射するのは指導の際のデモンストレーション程度です。年間の総実射数は400射にもなりません。月に2回でもちゃんと練習すれば、こんなに安いインスパイアでも、50m・30mで670点程度の得点は出せるようになると思います。



        亜鉛製でいぶし銀のような色合いだったポイントは、射ってるうちに表面が磨かれてピカピカに輝くようになってきました。亜鉛の鋳物なので競技用として耐久性が高いわけではないと思いますが、何ら問題はなく普通に使えると思います。

        ■日を改めて再度の実射

        はい、それでは翌週です。得点は採点しませんが、70mと50mを数回ずつ射ってみました。大まかなチューニング後に煮詰めなおして、再度実射チェックです。

        70m



        まぁソコソコ当ります。チューニングしながら射ってた先週よりも、ゴールドに的中するようになってきました。

        50m



        この時だけなのかも知れませんが、この回は驚異的に当たりました。20年もむかしの現役時代を思い出したかのようです。まるで30mを射ってるようなグルーピングですが、これは50mの実射風景です。※私の50mでの試合最高記録は338点です。練習での最高得点も同じく338点です。(もちろんリカーブです。コンパウンドではありません) ※このあと30mを少し射ちましたが、この時の50mの方が当たってた・・・(苦笑)

        まぁ、何にせよ、インスパイアはちゃんと当たる、イイ矢ですね。製品として完璧だとか、ACEやX10それにVAPのV1グレードよりもクオリティーが高いと言ってるわけではありません。シャフト1ダース4千円もしない割には粗悪品でも何でもなく、驚異的な的中能力があるのです。全国大会で上位を狙う上級者でもなければ、本当にインスパイアで十分ですよ♪

        初心者や中級者にムダに高額な矢を買わせる風潮にありますが、そのことがアーチェリー人口の増加を妨げる一因になっているのは間違いありません。アーチェリーなんて、しょせんは弓矢です。誰もがもっと気軽に取り組めるようにして多くの子供たちが楽しめる環境にしていかなければ普及にはほど遠く、アーチェリーにスポーツとしての明るい未来が訪れることなどないのです。

        ■ポイントが消耗したら

        インスパイアの純正ポイントは、1ダース1000円の亜鉛製の安物です。矢に使われるポイントとしては、それほど対磨耗性と対衝撃性に優れているワケではありません。しかしステンレス製やタングステン製の高級品であっても、的外を射ってしまったり、的に刺さっている矢に矢が衝突したときには、ポイントが損傷するのは同じです。最初の頃は練習用の消耗品(すべての矢が消耗品ですが・・・)だと割り切って、ボロボロになるまで使い込めばいいのです。



        ポイントを消耗させてしまったら、次にポイントを買うときにACE・ACG・ACC用の50グレインの安いワンピースポイントでも買えばいいのです。新品を買っても1ダースで1400円くらいです。このポイントには接着用のホットメルトが1本、ポイントの袋の中に入ってます。最初の頃は的の木枠を射ってポイントが抜けたりする事が多い初心者にとって、純正のホットメルトが付属しているのは嬉しいです。イーストンは、初心者への配慮が細かくて本当に助かります。

        というかポイントに関しては、周囲の先輩たちがこれまでチューニングで使ってきた、もう使わないポイントやインサートでシャフト内径に合うものを、捨てるに捨てられないほど余らせてるハズです。これまで、真っ当にステップアップしてきた人や、じっくりとチューニングしてきた人であれば、いろいろ持っているでしょう。



        中古のポイントなんて一度発射された鉄砲玉を拾って、それをもう一回使おうとするようなものですから、ゴミも同然です。スポーツドリンクのペットボトル1本でも渡せば、そこそこ使えそうなのを1ダース分か、それにチョット足りないくらいの本数を喜んで用意してくれますよ。あなたがそれを使わなくなった時には、上達を目指す中級者や初心者に、タダ同然で譲ってあげればイイのです。そうして次の世代の人たちへ、ステップアップのツールとして役立たせることも大切です。



        左がインスパイア純正ポイント。右がACE・ACG・ACC用のワンピースポイントです。



        バルジポイント(先が膨らんでる形状)なので、シャフト外径よりもポイント外径がわずかに大きくなっています。



        70mではサイトが1目盛り分下がりますが、こちらの方が全体的に小さなグルーピングになりますね。この時の70mは320点以上出てるので、一般的には競技用の矢としての性能は十分です。1ダース1000円のポイントから1400円のポイントにするだけで、実射での精度を実感できる人なんてそうそういませんが、上達過程にあっても競技会に出場する機会の多い人であれば、このようにポイントを交換するのも一つの手です。しかしどちらも出せる得点に差がないのであれば、安い方で十分です(笑)

        ■さいごに

        シャフト1ダースが3800円というオドロキの低価格であるインスパイアは、競技用機材としての的中性能は十分です。全国大会で上位を争うような狙うようなトップレベルの選手でもない限り、精度が高すぎる高額な矢を使う意味など、まったくないのです。

        インスパイアはシャフト表面に施されたレジンによるコーティングが、シャフト全体への重量増とともに、細身のカーボンシャフト特有のレスポンスの高さを抑えています。腕力で引いてしまっているために、リリースの際にストリングを「そっと優しく」離すことができず、上位モデルを使っても空に向けて暴れて飛ばすことしかできない中級者であれば、レスポンスの高い軽量シャフトのカーボン矢は、リリース時のストリング弾きの悪影響をモロに受けてしまい、狙い通りに当ることなどありません(実際、大して当らないでしょう?)

        多くの人が良心的でないショップにダマされてムダに高額な矢を買わされて使ってますが、とても使いこなせているとは言いがたい状態にあります。自動車運転免許試験場に、F1などのフォーミュラカーを持ち込んで、必死になってハンドルの切り返しの練習をしているようなものなのです。それを必死になって繰り返して、いつまでにどれだけ上達するというのでしょうか?

        弓具だけは上級者用でも本当に上級者にならない限りは、上級者向けのレスポンスの高すぎる製品が、未熟な技術を圧倒的に上回るスピートで、気づいたときには的の思わぬ場所に矢が刺さっている、という状態になっているのですよ。本当に上達するまでは、「上達するために必要な道具」を使って、的確な射を目指さなければなりません。

        分不相応に高額で高性能な製品を買わされたところで、自分のアーチェリー人生に最高の満足がもたらされると思ったら大間違いです。機材の素晴らしい性能を、生涯体感できることなく終わります。しかし見積もり通りに高額な製品をホイホイと買ってくれる人が多いので、良心的でないアーチェリーショップに最高の満足を与えている事にしかならないのです。

        上級者以外ではレスポンスが高くないインスパイアを使って、正しい取りかけと正しいドローイングのアプローチ、丁寧なリリースの練習をした方が高得点につながるのは間違いありません。ですから、何でもかんでも上級者と同じ機種を使えばイイというものではありません。弓具に高いお金をかければ、それが高得点をもたらすものでは決してありません。

        夢を実現させるには、自分がいま目指しているものを獲得するために、自分に足りない技術を修得するための弓具を使って、目標に向かった計画を立てて、ひとつずつ実行していかなければならないのです。

        アーチェリーなんて、実に簡単なスポーツです。指導の専門家から指導を受けて、正しい身体の使い方さえできるようになれば、どんな弓具を使っても機材の性能をフルに引き出して、正確に当てる事ができるようになります。高い弓具を使っても大して当たらない人と、何を使っても当てる事ができる人。どちらが格好イイでしょうか?

        それにしても、激安カーボンシャフトのインスパイアは、私の想像以上に良好な結果でした。はっきり言って、製品の価格の差にこんなに開きがあるとバカらしいです。レッドバッジを狙えるくらいには当たります。

        指導者が製品に対して正当な評価ができないと、レッスン受講生はショップから、オリンピック選手や世界戦代表選手が使うようなグレードの弓具を買わされてしまいます。しかし自分のレベルに合わない道具ほどムダなものはありません。使う道具も、学ぶ技術も、正当な手順でステップアップしていくことが、本当に楽しいアーチェリーライフにつながるのです。
         

        新聞に掲載されました

        2015.08.07 Friday

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          私たちが行っているアーチェリー指導組織「けいはんな アーチェリー」が、新聞に掲載されました!



          8月2日発刊の朝日新聞南京都版、週間あさすぽ南京都の「わが町のキラ星チーム」に紹介していただきました。ありがとうございます♪



          今回は取材がメディカルチェックの日程で行なわれましたので、関節・スポーツ整形外科部長の四本先生からのメディカルチェックの模様が記事になっています。

          アーチェリーは単純な身体の使い方の繰り返しを、毎回同じ方向に向かって行なうのみという、極めてアスリートレベルの低いスポーツの部類に入ります。しかしどんなに身体を鍛え上げたアスリートでも、身体に間違ったことを覚えさせて繰り返していると、たちまち疲労を蓄積させてしまいます。

          特に、弓の力を支えるために重要な骨格のポジションが適正でなく、骨格を正しいポジションに誘導するための筋肉の使い方が間違っている場合は、正しい身体の使い方ができている人に比べると筋肉の酷使のされかたがひどく、力を支えている身体の各部への負担が極端に大きなものになってしまいます。それを繰り返していると、確実にスポーツ障害を抱えてしまいます。

          アーチェリーはチカラ技ではありませんし、決して痛みや苦しみを伴うものではありません。厳しい鍛錬を積み重ねるようなものでも、やたらと実射を繰り返すものではありません。けいはんなアーチェリーでは正しい身体の使い方をスポーツ医療チームと一体となって学び、スポーツ医療チームにはケガなどの故障の予防から携わってもらい、骨格や筋肉の専門家と一体となって安全で楽しいアーチェリーの指導を行っています。



          スポーツ理学療法士の東先生のコメントを、深く受け止めてください。「がむしゃらにトレーニングを積むのではなく、正しいやりかたで、適切な量というのも大切です」

          アーチェリーは簡単なスポーツであるにも関わらず、何年も練習しているのに大して上手くならない最大の原因は2つです。まずは身体の使い方が正しくないこと。そして正しいケアを行なえない環境での実射本数が多いことです。

          9割以上のほとんどのアーチェリー選手がそうですが、骨格のポジションに誤りがあり、正しくない筋肉を使ったドローイングのアプローチが悪い人がダメな射を繰り返してしまうと、ダメな射を確固たるものにしてしまうという、最悪な状況になってしまっているのです。

          よほどの上級者でもないかぎり、実射の本数を増やしてしまうと身体に異常をきたします。初心者や中級者に一日に100射を超えるような実射をさせるのは、完全に指導者による暴力です。指導者がいないという状況は論外です。指導者なしで上手くなれる人がいたとしたらまさに天才だと思いますが、そんな天才は数万人にひとりです。本人は努力していると思って実射を繰り返しているのですが、それが完全に上達のさまたげになっている人ばかりです。

          レベルの低い指導者は、やたらと射たせるだけロクにケアもしませんので、指導者選びには細心の注意が必要です。指導の初期から実射を繰り返してきた人の多くが故障した肩の痛みに悩まされ、かなりの高確率で肩関節不安定症や、TFCC損傷という事態に陥ってる事すら知らない指導者が多いです。そんな人の何が指導者かと、本当に呆れてしまいますが・・・



          スポーツで痛みを感じたり故障を抱えてしまうのは、その部分をスポーツの動作の繰り返しによって酷使してきたからなので、なかなか治りません。しかしスポーツ障害は、正しいやりかたと適切な量、そしてケアを充実させることで未然に防ぐことができるものです。身体のどこかに痛みや不具合を抱えるようなものは、もはやスポーツとは呼べず、単なる拷問にすぎません。

          とある指導集団で子供が模範実射をしているという動画を見る機会があったのですが、その子は肩甲骨のポジションがムチャクチャで、かなり可哀想な射ち方をされられてました。そこでの先生?が射っている動画もありましたが、肩甲骨が挙上した、かなり残念な身体の使い方だったのにはビックリしました。これが先生?先生が模範を示せなくてどうする?といった感じですが、今の日本のアーチェリー指導界は、そんな先生ばかりです。ですから私たちのアーチェリー指導では、アーチェリーを射つこと以上に、スポーツ医療と一体となって正しい身体の使い方をマスターする事と、身体のコンディショニングを大切にしています。

          指導をしている私であっても、スポーツ整形のドクターとスポーツ理学療法士の先生から診察を受けて、正しい骨格のポジションと、骨格を正しいポジションに誘導させるための正しい筋肉の動作のさせかたに、寸分の狂いもなく模範を示すことができるように常にチェックをしてもらって、リハビリとトレーニングのメニューを組んでもらっているのです。スポーツ医療界からは非常識に思われるようなことを続けている、中途半端な独自の理論にしがみついてる人が多くて、ヘタクソを量産し続けている状態は本当に困りますね。

          百聞は一見にしかずと言われますが、まさにその通りです。いくら口先だけで筋肉の使い方や骨格のポジションについてを語っても、皮下脂肪に覆われて筋肉と骨格の動きを見せることができないレベルの低い指導者からは、背中が語ることなどあり得ないのです(笑) 元一流選手であっても、一流指導者になれない2つの理由は、指導者が常に新しいことを学ぶ姿勢がないこと。指導者が身体の使い方を見せながら、わかりやすく解説できないことです。

          レッスンの際は、骨格を正しいポジションに誘導させる事と、それに必要な筋肉の使い方を見せるために、受講生の前で上半身裸になって見せなければならない場面が多々あります。ですから体脂肪率は常に1ケタ台(10%未満)のアスリート体型を維持しています。体脂肪率が2ケタ台(10%)になると、もう本当に見てもらいたい部分が見えなくなります(それがわかってない指導者は指導者と呼べない・・・)。指導者とは、いま世界で最も優れていることを、他人に教える立場にある人であるはずなのです。遠に現役を退いているので選手よりも当てる必要などありませんが、選手よりも究極に理想的な身体の使い方の手本を示すことができず、理想的な体型を維持できない人間は、本当に大切な事を伝える事などできません。

          それはそうと、入会メンバーが増えてきました。けいはんなアーチェリーではこれまでも女性が多い方でしたが、今年は入会メンバーの半分以上が女性です。アーチェリーは見た目に優雅なスポーツというのもあって、相変わらず女性の人気が高いですね。最近は関東や九州などのように、遠方の方が入会されて、わざわざ学びに通われてる方もいらっしゃいます。

          レッスンの受講をご希望されてる方や、これまで他で受けてきたアーチェリー指導で上達に関する問題を抱えてらっしゃる方、これまでアーチェリーを続けてきて故障を抱えてしまった方などがいらっしゃいましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

          最近は、小さなお子様にアーチェリーを習わせたいが、最寄りのアーチェリー集団から、受け入れを断られたという相談があって本当にビックリしてしまいます。子供の受け入れを断るということは、単に自分達が楽しみたいだけで、日本のアーチェリーを底辺から支えて普及させる気なんてまったくないのでしょう。そこには小さな子供へのスポーツ指導ができる指導者がいないと言ってるようなものですが、そんな指導集団でいいのか?と思ってしまいます。アーチェリーは小さな子供でも簡単に楽しめるスポーツなのに、とっても残念ですね・・・

          けいはんなアーチェリーでは小学生や未就学児でも入会を受け付けております。私たちはスポーツ理学療法士の先生と一緒になって、発育段階に合わせて個別のトレーニングメニューを組んでいます。アーチェリーは誰でも簡単にできる、楽しいスポーツです。他で断られたからといってアーチェリーをあきらめずに、ぜひ私たちのところにご相談ください。

          弓具のすべてを 見積もり通りに買ってはいけません

          2015.06.10 Wednesday

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            この頃になると、春からアーチェリーを始めた人が自分の弓具をそろえるという話が、よく出てきますね。今回は、これから弓を買う人が注意しなければならない点についてご説明します。

            ■カモがネギ背負って

            良心的でないアーチェリーショップからすると、何も知らない初心者や、上達をあせる中級者をダマくらかすのは、実に簡単です。「どうせだったら最初から、ちゃんとした道具を揃えたほうがいい」とか、「ちゃんとした道具は最低でも15万以上、いい道具は25万」とか、「こっちのほうが、これだけ精度が高い」など言うと、ほぼ全員がショップの言いなりになって、高額な商品をホイホイ買ってくれるからです。初心者や中級者のアーチェリー用品の買い方というのは私たちから見ると、カモが札束抱えて鍋に飛び込む状況と何ら変わる事はありません。

            いい弓具というのは、あなたが正しく扱いきれて、あなたが射てる適正な距離で精確に的中させることができる弓具です。どれだけ機材の性能が高くても、扱いきれないのであれば、それは自分にとっていい弓具ではありません。高ければ最高の弓具か?いえいえ、当てることができないのであれば最低ですよ。

            最初から「ちゃんとした道具」などと言われるものを買ってはいけません。単にショップにカモにされてるだけですし、いきなりそんなものを買ってしまうと、その製品の本当の凄さを自分で発揮させることなど不可能になります。

            初心者が自分の弓具を揃える場合は、絶対に最初からフルセットを揃えてはいけません。自分の上達の進歩に合わせて、そのつど買い足していくのが、上達における鉄則です。

            ■アーチェリー用品の数々

            競技用アーチェリーに必要な弓具類には、どんなものがあるでしょうか?

            )俵馘
            アームガード
            チェストガード
            タブ
            フィンガースリング(ボウスリング)
            ストリング
            ストリンガー

            弓・矢
            ハンドル
            レスト
            プランジャー
            リム


            J箚鑪
            サイト
            センターロッド
            Vバー
            サイドロッド(2本)

            い修梁
            クイーバー(矢入れ)
            クイーバーベルト
            ボウスタンド
            アーチェリーケース

            ■最初に買うもの

            ,蓮△垢戮毒磴辰討發いい任靴腓Α,鬚垢戮涜靴┐討5500円くらいです。これらを最初に購入した初心者が使っているアイテムを見ただけで、どれだけショップに高額な製品を押し付けられているかがわかります。この価格を大幅に上回っている場合は、今のうちに方向性を正しておくべきだと思います。すべて消耗品なので最初から高額な商品を買う必要などまったくありません。特に上級者以外では高額なタブは必要ありません。2000円以内でもタブの革が交換できるタイプのものも多いです。正しい取り掛けをマスターできてない99%の人には、コードバンのタブなど一切必要ありません。

            △悩能蕕帽愼するものは、ハンドルのみです。リムは教習施設の備品の弱いリムを使わせてもらいましょう。弱いリムの備品がない場合は、20ポンドの弱いグラスリムを購入します。引けるからといって、それより強いリムを使ってはいけません。「引ける」と「扱える」は、意味がまったく違います。



            これらのグラスリムは、どれも1セット1万円もしません。正しいステップアップのために、多くのメーカーではとても良心的な価格設定にしてあります。是非ともこういった製品を有効に活用して、少しずつ買い替えていくことで上達への階段を着実に駆け上がってください。初心者がいきなり上級者モデルを購入したり、30ポンドを越えるような高ポンドのリムで練習するなど、あり得ないハナシです。

            良心的ではないショップでは、「将来的にこのくらい引けるようになったほうがいい」というような感じで、いきなり30ポンド以上の高額なカーボンリムを買わせるところも多いです。まず間違いなくフォームを崩し、そう遠くない将来身体に故障を抱える結果を招きます。「このくらい引けるようになったほうがいい」という言葉にダマされずに、このように引きの弱い、安いグラスリムから、じっくりと着実にポンドアップしていく事が大切です。

            最初からカーボンリムを購入するのは、愚の骨頂とも言えます。そんなものを買わされても、長年の期間をかけてじっくりとポンドアップしてきた、まさに熟成を重ねてきた上級者しか使いこなすことなどできません。リムに5倍の金額を払っても、自分が熟成を重ねることもない、促成栽培のヘタクソに化学調味料で味付けしたようなままで練習を続けていたのでは、リムの性能が得点を1%も変えることなどありません。ここに写っている1万円のグラスリムと、この7500円のハンドルでも、70mで優に300点を越える得点を出すことができるのです。

            ハンドルの性能についてはトップレベルの選手以外には特に関係のないハナシになります。70mで330点を出せる選手であっても、その優位性のちがいが、よくわからない人もいます。ですから初心者や中級者にとっては、精度や性能など気にする必要は一切いりません。ですから最初からいいものを買ったとしても、絶対になにもわかりません。上級者になるまでは、2万円以内のハンドルで十分です。高額で高性能な製品を買うのは、せめて30mで330点を下回らないようになってからにしましょう。自分のレベルが及ばないのに、意味もなく欲しがるのもやめましょう。アーチェリーの得点は、機材にお金をつぎ込んでも解決することなどありません。分不相応な弓具を振り回してるのは、自分が思っている以上に無様に見えるものなのです。

            プランジャーやレストなども、最初のころは安いので十分です。ハンドルに標準装備されているモデルもあります。最初から高額なプランジャーを購入しても、扱いが不慣れなうちは、弓を倒して(倒されて)プランジャーのシリンダーを折損させるのが関の山です。1万円を超えるようなプランジャーを買う人は大勢いるのに、自分の身体に一切のお金をかけない人が多いのにもビックリします。

            スタビライザーは、当分は購入してはいけません。もしも買わされてしまったとしても、いきなり装着して練習してはいけません。単にフォームを崩して、自分の成長の限界点を引き下げる事にしかなりません。初心者・中級者と、上級者の間には身体能力に決定的な差があるのです。弓具だけ上級者のマネをしたとしても、自分が上級者になれることなどありません。

            サイトは、それこそトップレベルになるまでは、3000円程度のアルミサイトで十分です。サイトの性能は、的中には関わりはありません。ちなみに近射しかしない初心者のうちは、サイトすら必要ありません。最初からサイトを装着すると必死になってサイトピンを見ようとするので、身体への意識ができなくなる人がほとんどです。

            本当に身体で正しいことができるようになると、スタビライザーとサイトを取り外して30mを実射しても、的から外さないどころか、多くの矢をゴールド付近に的中させることができるようになるのです。何万円もするサイトは、全国大会への出場が視野に入るころになってからでいいのです。全国大会って、何人が出場できるか知ってますか?ちなみに3000円のサイトでも、3万円のサイトでも、出せる得点は同じです(笑)

            矢なんて、それこそ上級者以外は高性能品はムダ金でしょう。50m・30mの合計得点が630点も出せないうちは、アルミの方が当たります。ショップから何を言われようと、初心者のうちは70mや50mを射つことなど、一切考えないで下さい。1年かけて30mが射てるようになればいいので、最初から高額なカーボンの矢など必要ありません。最初は地面を滑走させて落ちてる石に当たって破損したり、的の周囲の木枠に当てて矢を壊してしまう事も多いのです。



            リムの強さを少しずつ上げていく必要があるので、最初に高価なカーボン矢を買うのはバカらしいというものです。ACEに比べたらアルミ矢なんて5分の1程度のネダンです。そもそもアルミ矢なんて、どこのクラブでもスパインの柔らかい矢が、処分に困るほど転がっているでしょう?普通は、そういったのを使わせてもらいながらステップアップをしていくものです。

            あなたが万年中級者でもいいなら好きにすればいいと思いますが、アーチェリーは、取り組みはじめたら誰もがすぐに「もっと上手くなりたい!」と思うようになるスポーツなのです。それがアーチェリーの魅力でもあり、魔力とも言えます。だからみんな、一生懸命になって練習をしています。しかし残念なことにほぼ全員が、その練習は単にムダの積み重ねになってしまっています。弓具の買い方もステップアップのしかたも、ムチャクチャです。自分のこれまでの取り組みを振り返ってみて、本当に上手くなっているのかどうかを考えたらわかるはずです。

            ■初心者が買うものはこれだけ

            最初はハンドルと弱いリム、それにストリング・ストリンガー・ボウスリング(フィンガースリング)・レスト・プランジャー・防具類さえあれば、上達に向けての練習ができます。将来必要になるものは、その時になってから買ってください。間違っても、最初からすべてを揃えてはいけません。

            本当に上手くなりたかったら、良心的でないショップの言いなりになってお金をジャンジャン使わされるのをとにかく回避して、理想的な手順で賢く買い物をしていって下さい。ハイスペックで高級なフラッグシップモデルを買うのは、誰もが認める上級者になってからでいいのです。

            くれぐれも、ローカルなレンジで自分の道具自慢に鼻高々な恥かしい存在にだけは、ならないでください。本当にお願いです。