アームガードとスポーツ科学の密接な関係

2016.02.05 Friday

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    アームガードはその名の通り、ストリングの返りから腕を守るための防具です。なかには「自分は腕にストリングが当たらないから」と使わない人もいるようですが、アーチェリーで使われる防具類は車のシートベルトと同じと考えてください。ストリングを張った時点でアーチェリーはエネルギーを蓄えた状態にあり、危険をはらんでいます。万が一の事を考えて、アームガードとチェストガードは必ず装着してください。

    アームガードは衣服のたるみを整え、リムまでのストリングのルートを確保する役割と、ストリングが矢を放った直後の返りから腕を保護する役割があります。様々な形状のアームガードがアーチェリー用品として売られていますが、プラスチック容器などの廃材利用でも十分役目を果たしますので、自分で作ってる人も多いです。私は自分用のアームガードは、シャンプーの容器で作っています。好きな形に気って四隅に穴をあけ、ゴムひも通すだけというカンタン作業です。製作と呼べるほどの大掛かりなものではありません。可愛らしく作りたいのであれば、表にステッカーを貼って、ステッカーの上から透明な梱包用のテープを貼るとキレイに仕上がります。

    ■アームガードとスポーツ科学の密接な関係

    アームガードを自作または加工する理由は、安く作れるとか、そういったケチくさい理由ではありません。製品として販売されているアームガードは、そうとう長い期間を使い続けないと、アームガード表面でのストリングの擦過痕が現れてこないのです。アームガードは腕を保護するためのものなので、固い素材で作られてるものが多いです。しかし表面が固いので、ストリングのサービング部分と、どのようにしてこすれているかを、なかなか知ることができないのです。



    その人が使っているアームガードを見れば、上手さのレベルを垣間見ることができます。トップレベルの選手と一緒に練習する機会があれば、よく見ておくとイイでしょう。一流と二流の違いは、アームガードの状態を見るだけでも決定的な違いがわかります。アームガードの表面へのストリングの擦過痕を見ることで、身体のコントロール状態がわかるからです。これは私が使っているアームガードですが、中央の下半分のあたりに、アームガードの前後方向に2cm程度のストリングとの擦過痕が見られます。ストリングが矢が放った後に、毎回必ず同じ部分を通過しています。その他の部分には痕跡がありません。

    容器の上はステッカーですから、柔らかい素材です。ストリングが直接アームガードを叩くと表面のステッカーがチギれてしまいます。ステッカーの上はホームセンターなどで売られている梱包用の透明のテープを貼っています。引っぱったら伸びますし、柔らかい素材です。そういった柔らかい素材であれば表面にすぐに擦過痕が見られるようになります。一度でも他の部分に当たるとその部分にストリングの痕跡が残りますから、上腕骨骨頭の回旋状態や、上腕骨につながるインナーマスルや腱板の状態、肩甲骨周囲筋の硬さ、肩甲骨の体幹部への固定の状態などを知る上で重要な手がかりになるのです。

    アームガード上での痕跡の範囲が広い場合は、上腕骨につながる肩甲骨の位置が不安定な証拠です。その場合はEPTやEETなどをチェックすると肩甲骨周辺筋の状態がどのようにあるかがわかりますので、スポーツ医療チームとのリハビリやトレーニングに新たなメニューが追加されるようになり、更なるレベルアップを望むことができるのです。アームガードの状態を見て、スランプに陥った選手を救う手がかりになることもあります。

    実射を繰り返してるうちに、自分の身体の状態は徐々に変わっていくものなのです。ですから単に実射を繰り返してるだけでは上手くなりませんし、自分の身体の状態の変化に気づくこともありません。アームガードは、自分の身体の状態の変化を知るためのバロメーターにもなるのです。

    ■初期に使うアームガード

    すでにアーチェリーを行なっている中級者は肩甲骨の使い方がメチャメチャな人が多いのに、弓矢のスポーツを行なったことがない人であれば、肩甲骨を自在に動かすことなどできません。それに上腕骨の回旋がスムーズではなく、パソコンを使ってデスクワークする人は特に手首の動きに硬さがあり、弓を持つ腕とリムを打つまでのストリングのルートをコントロールすることなど到底ムリなのです。ですから最初に身体の状態に合わせてリハビリやトレーニングのメニューが決められ、それを着実に実行していきます。

    それらをじっくり取り組んでいくのですが、そればっかりではアーチェリーのレッスンが面白くありません。なのでレッスン初期の頃には、射のプラクティスに影響しないように、ゴムチューブよりも弱い、竹を加工して作ったリムを装着して射っていただく時間を少し作ります。



    肩甲骨と上腕骨のコントロールが正しくできない初期の頃には、このような大型のアームガードを使います。通常のアーチェリー用のサイズの全長の短いアームガードを装着している場合は、習いたての頃に腕尺関節手前にストリングがヒットすると(痛くなくても)身体は本能的に恐怖感を覚えてしまい、射とうと思った瞬間に身体の動きが固くなってしまう条件反射が刻み込まれてしまうのです。

    そのような身体の中に生み出されてしまう反射を防ぐために、こういった初期の頃に使うアームガードは、腕を保護する面積が非常に大きなものになっています。これらはレッスンで使うというよりも、体験会などで使うものですね。最初に骨格のポジションを正しい位置に誘導するための筋肉の使い方を学びさえすれば、使い続けることがないものです。初心者用ですが正しい身体の使いかたを学ぶようになると使いませんので、これらは何年初心者体験で使っても痛みません。使うたびに洗濯ネットに入れて洗濯機で洗ってますので、洗い傷みしているほどですね。

    ところで皆さんは、アームガードはちゃんと洗ってますか?バンドに汗が染み込んでるのに、それをそのままケースの中に入れて使い続けるようなことは絶対にやめてください。チェストガードも同じですよ。洗わない人は、自分がどのくらい不衛生な事をしているか、よく考えてみましょう。汗がしみこんだシャツをバッグの中に詰め込んで、次の日に乾いていたら、またそれを着てスポーツするのと同じなのです。自分の汗が美しいなんて思わないでください。脂汗に冷汗、奥歯をギリギリかみ締めたり地団駄を踏んだり、手に汗握ったり、どうせ良くない汗をかいているに決まっているのです(笑)

    洗ってないアームガードのバンドはバイキンだらけです。この寒い季節は月に1回でも大丈夫ですが、特に夏季は水洗いでもいいので、使ったら毎回洗ってください。練習場の水道の蛇口で水をかけて、水気を切って吊っておくだけでイイのです。必ず習慣にしてください♪

    ■アームガードを作る

    春から高校のアーチェリー部に新入生たちが入部したときのために、アームガードを作ります。顧問の先生によると来年度も大勢が入部してきそうなので、たくさん作って差し上げることにしました。

    素材は何でもいいのですが、最近はシャンプーの容器の肉厚が薄くなる傾向にあり、アームガードに利用できそうな、手近な容器の廃物利用が難しくなってきました。とは言うものの、実際にアームガードとして使われている素材を考えてみると、靭性があり、ある程度の硬度があり、加工がしやすくて、割れにくく、汗や皮脂によって侵食されない素材であればイイということがわかります。未経験で入会されたメンバーの方には、比較的柔らかいプラスチック製のインフィテック社のアームガードをお渡ししています。

    そこで高校のアーチェリー部での新入生たちが、自分のアームガードを買う、または作るまでに使ってもらうためのアームガードを作ろうと思い、高密度ポリエチレン製品を探したのがコレ、灯油のポリタンクです。



    5年を過ぎれば新しいものに交換するので、学校では毎年数個のポリタンクを交換しています。素材に濁りが見られるほど長年使ったものはダメですが、5年で廃棄するポリタンクで屋内管理されているポリタンクであれば素材に劣化は見られません。数年使ってキャップが割れたようなタンクがあれば最高です。灯油で常に内部はクリーニングされている状態なので、内部が汚れていることはありません。



    アームガードのバンドに使うゴムひもです。100円ショップで買うと使い切れないほどの量になりますが、これは子供たちがビーズを通したり髪を結ぶために使うゴムひもの余りをもらったものです。様々なカラーがありますが、黒だけはやめてください。汚れが目立たないカラーにすると、洗わなくなったり、交換時期が長くなる傾向にあるので不衛生になりがちです(笑)



    このポリタンクは20リットル用なので、たくさん作ることができます。18リットル用でも大丈夫です。切り取る部分によっては、なかなか面白いアームガードを作ることができます。しかし今回は自分で使うものではありませんのでイケナイ遊び心は抑え、できるだけアームガードとして違和感のないものを作ります。

    このようにホットカッターがあれば作業はラクだと思われがちですが、実はそんなこともありません。意外に時間がかかります。よく切れる、普通のカッターナイフで作業した方が早いです。ホットカッターを使うと滑らかに切れますが、部屋がクサくなります。なので最初はホットカッターを当ててみましたが、すぐに普通のカッターナイフに持ち替えて作業をしました。



    このようにして、ポリタンクからポリエチレンの板を切り出していきます。切り取ったものは中性洗剤で軽く洗い、数日放置しておくと灯油の匂いは消えていきます。アームガードとして使うのはポリタンクの胴体の部分です。持ち手がある上部と底の部分は肉厚で固いので切り出すのは大変です。切り出せないことはないと思いますが、そこに労力を使い果たすこともありませんし、捨てられる運命の廃物利用なので、加工しやすい胴体部分をゼイタクに切り取っていきます。



    この切り出したポリエチレンの板に、3mmの穴あけポンチを叩いて、バンドを通す穴をあけます。簡単に穴はあきますが、革や布地とちがってポンチの中が詰まってしまうので、ポンチの中に入り込んでしまう3mmの円状のものを、穴をひとつあけるたびに取り除きます。それをしないと、4つめの穴から開かなくなり、ポンチの中に詰まったポリエチレンを取り除くのが大変になります。



    穴をあけたら、バンドを通すためのクリアランスを上下表裏に設けます。これで素肌の上に直接装着してもゴムバンドの結び目が素肌にゴリゴリ押し付けられることもなく、長時間の装着にも違和感がありません。このガイドの溝は彫刻刀の丸刀で削りますが、穴あけポンチの7mmを持っていれば、それで削りこむこともできます。丸ヤスリで削ることもできますが、穴の周辺がキズだらけになるので、よほど手先が器用な人でなければオススメできません。



    切り出したエッジのバリを削り落としたら、アームガードとして腕の形状にフィットさせるために形を調整します。ポリエチレンなので、ある程度は変形させることができます。作業用のテーブルの角に押し当てて力を込めれば、このように腕の形状に合わせてラウンド形状にすることができます。これで腕に定規をあてがうような無機質な感触ではなくなり、自分の身体の一部としてフィットするようになります。



    だいたい形を整えたら、ゴムひも通して完成です。このアームガードを見て、これが元々灯油のポリタンクとして使われており、アームガードとして第二の人生を歩んでいるとは誰も気づきません。きっと、こういうものが売られていると思うでしょうね(笑)



    ホームセンターのアウトドアグッズコーナーでは、水タンク用の半透明な大型のポリタンクが安く売られてますので、それをアームガードの素材として買ってきてもイイでしょうね。アームガードを1個買う値段で、ポリタンクが買えてしまいます(笑) アームガードとして利用する部分にもよりますが、表面がツルツルでキレイな面だけを切り取っても、20個ほどのアームガードを作ることができます。「火気厳禁」という部分を切り取って、文字が見えるように工夫して作ってみても面白いですね。

    ポリエチレンなので、アームガードの上を爪でこすっただけでも痕が残ります。アームガードに残るストリングの擦過痕を確かめながら、着実に上達していくことができるのがイイですね。学校では石油ストーブを使うので、数個のポリタンクが毎年のように廃棄されています。ですからアームガードの素材に困ることはありません♪

    春からの新入生勧誘以降に使ってもらうための、冬のあいだの大事な仕込みでした。毎回安定した骨格で射てるようになって、自分のアームガードを買って、または作って射つようになるまでは、コイツをキズだらけにして使ってくれたらイイのですよ!
     

    アーチェリーのストリング製作

    2016.02.01 Monday

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      アーチェリーのストリング(弦)に関する問い合わせも多いです。申し訳ありませんが、入会メンバー以外の方には、詳細なお答えをすることができませんのでご了承下さい。

      ストリングやサービングの素材は何が優れているかとか、ストランド数、ストリングハイトやティラーハイト、ノッキングポイントなどに関するチューニングやセッティングの質問も多いですが、グルーピングの小さな上級者であれば、好きに試してみればイイだけの話です。ストリングの原糸を買って、10人で分けて試しに使っても安いものです。

      ストリングでのセッティングは大してお金がかからないにも関わらず、それを試すこともせずに高価なリムや高価な矢に、ためらいもなくお金を払えてしまう人が多くて面白いのです。セッティングの順番が完全に違うのです。

      競技用のストリング素材を使って50mや70mで300点も出せないのであれば、何を使っても同じです。初心者練習用のダクロンでも、50mで300点、30mで330点は出ます。技術を習得中の初心者であれば、30m300点まではダクロンで十分です。30mで平気で赤を射つようなレベルであれば、競技で上位を目指すレベルの人が使う素材を使ったところで結果は同じです。

      ただし、ノッキングポイントの素材だけは、上達過程にある人間に限っては何を使っても同じというワケではありません。これに関しては理由とともに、いつか紹介したいと思います。

      ■矢を的に向かって送り出すのはストリング

      アーチェリーはご存知の通り、弓具という機材を使ったスポーツです。多くの装備品を装着している競技者が多いですが、アーチェリーを純粋に弓矢として考えた場合、必要なものはハンドル・リム・ストリング・レスト・プランジャー・矢です。

      これらはそれぞれの状況に応じて適切な弓具を選択して、なるべく適正な状態にしておく必要があります。ただし、体力と技術が未熟で、それぞれを正確に扱えないのであれば、弓具でのどんな調整も無意味です。まずは完璧に扱いきれる自分の身体を用意することが大切です。

      私はアーチェリー指導組織を運営してますので、レッスンで使うストリングを年間200本程度製作しています。レッスンが進んで弓を扱うようになると、高ポンドになるまではダクロンのストリングを使います。弓を扱うとはいっても最初は取り掛けや実射は一切行わず、腕力に一切依存しないレッスンに時間をかけますが、詳細は大幅に割愛します。ちなみに私が製作したダクロンのストリングのほとんどは、レッスン受講生の皆さまや、私が指導に携わってる方には、無償で差し上げています。そうでもしなければ、繊細な感覚を養う大切な期間であり、まだまだ自分の技術が及ばないにも関わらず、競技用の伸縮性のないストリングを通販などで買って勝手に使い、自分の上達を自分で止めてしまう状況に陥ってしまうからです。

      ■ストリングは自分で作るもの

      「完成ストリング」という言葉に、大変な違和感を覚えます。ロードバイク(自転車)の「完成車」と同じくらい、スポーツの機材としておかしな言葉です。なぜなら、本来ストリングは弓の状態に合わせて作るものであり、あらかじめ作られているものを装着すれば性能が発揮されるものではないからです。

      それに、完成ストリングとして販売されてるものは、ストリングとして完成しているのか?そんなワケないでしょう。同じサイズの完成ストリングを買ってきて全長を計測しても、どれもバラバラですよ。どのハンドルとどのリムの組み合わせを考えて作られたものか、誰もわかりません。その基準を知ることができたとしても、自分が使っているハンドル・リムに組み合わせた場合、どの程度の差が生じるのかをあらかじめ知る術もありません。現在の全長を計ったとしても、使う前の全長を知らないのですから、どうしようもありません。

      初心者の頃は気にする必要はありませんが、技術を修得していきグルーピングが小さくなっていくにつれ、適正なストリングハイトになるように指導者がストリングを作るものなのです。ストリング製作の指導が行えない指導者などいるワケありませんので、自分にアーチェリーを教えてくれた人に、遠慮なく作り方を教わるとイイでしょう。きっと喜んで教えてもらえるでしょう。

      ストリングの製作は簡単です。ブルーバッジ取得がやっとという上達過程にある中級者には細かいチューニングは必要ありませんが、アーチェリーが本当に上達した時には、スパインの選択とストリングでのセッティング出しは、競技で高得点を叩き出すために重要なチューニングになります。しかし本当に上達したらわかることですが、自分が必要な全長のストリングは、販売されている完成弦で満足のいくものを手に入れることができません。ストリングの素材や本数・全長を指定しても、これまで自分が使ってきたものと同じ状態のものは手に入りません。それは作り手が異なるために、そのようなことが起きてしまいます。ストリングを製作するジグの状態によっても、異なったものが出来上がってしまいます。

      というか、アーチェリーのストリングのような大切なものを、誰が作ったのかわからないようなシロモノで、それを使って高得点が出せると思うのがマチガイです。それにストリングは口につけるものなのです。そのストリングを作った人が、ストリング製作に取り掛かるまえに、指先を清潔にしているかどうかもアヤシイのです。本当ですよ。美味い料理を食いたければ厨房を覗くなとは、よく言ったものだと感心します(苦笑)

      これまで自分のレベルアップに付き合ってくれていた人で、これまで多くのストリングを製作した経験のある人が身近にいればイイのですが、そんな恵まれた境遇の人はほとんどいません。なので本来は、自分で使うストリングは自分で作るものなのです。アーチェリーのレッスンにおいて、一度はストリングの製作を習うものです。まともな指導組織であれば、ストリングジグくらいは常備しているハズです。ホームセンターで売られている木材と金具を使って、立派なストリングジグを作っているクラブや指導者もいます。そういったハンドメイドのストリングジグでも、正確なストリングを作ることができます。

      ハンドルやリムを交換すると、同じ弓のサイズだとしても、ストリングハイトは大きく変わってしまうことがあります。そのためストリングは本来、自分の弓に合った全長のストリングを、自分で作るものなのです。しかし技術の修得が最優先である上達過程にある人は、弓具の製作を覚えるのは後回しです。なので最初の頃は、ストリングを作ってくれる指導者に作らせれば安心なのです。リムを何度も借りながらステップアップしていると、ストリングの全長を変えなければならないことは、よくあります。なので同じ66や68というような乱暴なサイズの指定では、合わないことが多いです。なので自分専用のストリングが必要な場合はインチ指定ではなくセンチ(ミリ単位)指定で注文すべきなのです。

      ストリングはストリングジグがなくても作れますので、適正なチューニングを施した上級者の先輩がいれば、自作のストリング製作ジグを持っているかも知れません。本格的なストリングジグやストリングサーバーがなくても大丈夫です。少し工夫をすればストリングは作れますので、いつかそのうち自分で作れるようになっておきましょう♪

      ■レッスン用ストリングの製作



      レッスン受講生の皆さんに使っていただくストリングは30本程度の作り置きをしておくのですが、早いときには数週間でなくなります。「次のレッスンでお持ちしますね〜」とお伝えしときながら、まだ余裕があったハズ・・・と思って残数をチェックしてみると、その長さのストリングの作り置きがなくたってたという事は、よくあります。先週は66サイズをイッパイ作りましたが、今日は68サイズと70サイズです。



      けいはんなアーチェリーでは、レッスンで使うハンドルとリムのメーカーを決めています。同じ製品であっても弓具には微妙な個体差もありますが、オリンピックを目指すレベルの人が使うワケではないので、一切気にする必要はありません。この数日で、ヒマさえあればストリング製作を行い、40本のストックを作りました。小さなお子様が使う46から70まで揃ってますが、まぁ、これも、春まではにはなくなってしまうでしょうね(笑)

      まぁ、無くなりそうになったら、すぐに作ればイイだけです。レッスン用の弓具を自前で揃えてらっしゃる方の中には、こうして事前に作っておいたストリングの長さが合わない方もいらっしゃいます。そんな時にはその方専用の全長のストリングを作って差し上げています。

      以前にも受講生の方にストリングを無償で差し上げたら、ビックリされた方がいらっしゃいました。そんなコトでビックリされると、こっちがビックリしてしまいますが、聞くところによると、ダクロンのストリングは完成弦で800円程度で売られているそうなのです。設定価格は1,000円だそうです。意味不明です。ダクロンなんて、原糸丸ごと買っても1巻き1,300円くらいです。作る長さにもよりますが、12本弦を20本前後作ることができます。

      ファーストフライトやダイニーマなどとはちがって、ダクロン弦の製作は、ほんの少し手間がかかります。ファーストフライトやダイニーマのような競技用であれば作りやすいので、15%くらい時間が短縮できます。ダクロン弦に時間がかかるとは言っても、製作の準備と後片付けを含めても、かかる時間は5本作って1時間半程度です。ダクロンのストリングの材料費は1本あたり100数十円なので、材料費込みの1時間あたりの時給を1000円と換算しても、1本のストリング価格は税込み300円くらいです。私のようにこれまで数千本作ってきた人間であれば3時間で12本作れますので、ダクロンの販売価格は1本250〜300円程度のハズです。そんなものが800円くらいで販売されてるそうですよ。アーチェリー業界って、自分が作ったものでもない製品を右から左へと売るだけなのに、とてつもない利益率で販売する呆れた業界ですね・・・

      ■ハンドルメーカーが変わるとガラリと変わる

      私はレッスンの時にデモンストレーションを行なう事があるのですが、たまには違うハンドルを仕入れてみました。レッスン受講生の皆さんが使っているハンドルと、どの程度のセッティングの違いが出るかを確かめるために、実勢販売価格が似たような価格帯の製品を選びました。今回はインフィテック社のチャレンジャーというハンドルです。1万7,000円という買いやすい価格設定ですが、競技会で十分高得点を出すことができるグレードです。



      私たちがよく使っている組み合わせでの66ストリングは160cmですが、これを装着するとストリングハイトが低くなってしまいます。なので158cmの全長で作りました。ストリングハイト 8 1/2 を狙ってのことです。その全長で製作してみると、15回転でそのハイトにきました。ドンピシャです。



      中級者や初心者にはストリングでの細かいセッティングなど必要ありませんが、このように基準のストリングを作ってしまえば、上級者であれば全長が10mm長いものや10mm短いものを作り、それぞれのストリングでティラーハイトとノッキングポイントの差でのグルーピング収差と的中分布のデータを取ります。数日かけてグルーピングのサイズ(得点ではなくグルーピングのサイズを重要視する)を計測し、ストリングの全長が長いものか、短いもののどちらかの方が良好かを調べ、長いものが良好な場合はさらに10mm長いストリングを製作してデータを計測します。短いものが良好な場合は、さらに短いものを作ります。このようにして煮詰めていきます。当たったり外れたりするような人はセッティングを出すことができませんので、先に射に必要な技術を完成させておいて下さい。でなければ意味がありません。

      ストリングのネジりを大幅に増やしても正確なセッティングデータは取れませんが、ストリングの全長を変えればグルーピングの形状に違いが出ることがありますので、上達したその先には、ストリングでのセッティング出しは大切になってきます。その時になって自分の思った長さのストリングを自分で作れるか、その大切な作業を他人に任せるかという、大きな違いとなって分かれます。なので、まだそれほど上手くなくても、ストリングを自分で作る練習を少しずつ行なっておくとイイでしょう。

      矢のシャフトの精度がどうとか、いかにも語る人が多いですが、矢を的に向かって送り出す大切なセッティングを出すために、どれだけ異なる全長のストリングを作って試したのか、無限とも言えるストリングハイトの設定とノッキングポイントの組み合わせを試したのか、探りに探って、そのストリング全長に落ち着いたのかを聞くと、そんな事をしたこともないという人ばかりなのです。そんなコトだから、弓具の本当の性能なんて引きだせっこない(笑)

      ちなみにストリングハイトが前の弓と同じになったからと言って、同じセッティングになっているワケではありません。ハンドル形状が異なっているために、数値だけを同調させたとしても、これまでと同じリムを使っていても性能が異なるからです。グルーピングが小さくないレベルの中級者以下であっては、違いはなにもわかりません。ですから、細かい調整機能のついた高額で高性能な弓具を持つ意味などないのです。

      というよりも、ストリングのネジりが、サービングの巻きが緩む方向にネジってしまってる人が多いのですが、そんな状態でどんな精度の高いカーボンシャフトが必要だと言うのですか?これも自分でストリングを作ったことがないから、それもわからないのでしょう。使い方がマズイのだから、高級品を新たに買い揃えたところで、そのマズイ使い方が変わるワケではないのですよ。ですから高額な弓具を買うのは、ヤギに紙幣を食わせるようなお金のムダづかいにしかならないのです。

      リムのチップにかけるストリングのループには、装着する向きが決まっているストリングも多いのですよ。初心者やレッスン受講生にはまだ、そこまで細かい事は教える必要などありませんが、競技会で高得点を出したいと上級者を目指して練習してる人がそんな事も知らなくてどうするの?教わってないのであれば、それは指導者の責任ですけどね。指導者からの指導を受けてないのであれば、その状況を選んだ本人のせいなのです。

      完成弦という言葉がそもそもおかしいのだが、完成弦として売られているストリングのサービングの向きを逆にストリングにネジリを加えてしまうようなコトは、絶対にあってはいけません。完成弦というものを通販で買うのがイケナイが、指導者がいなくても、誰もがアーチェリー用品を手に入れることができ、それを使ってアーチェリーのマネごとができてしまうのを容認しているのが、最もイケナイのである。

      ■大切な糸であるハズなのに その糸口をも掴もうとしない指導者たち

      アーチェリーというスポーツを正しく上達していきたいのなら、ストリングくらいは作れるようになろう。最初は失敗したらイイのです。初めてのケーキ作りと同じなのだ。失敗してもそれは他の人よりも経験値が大幅に上がるだけ。だから上手に作ろうとか、キレイに作ろうなんて、考えなくてもイイ。何度か作ってるうちに、完成弦とは比べ物にならないクオリティーのストリングが作れるようになるのです。ヒモをグルグル回すことができて、人間という生命体して普通に指先に神経が通っている人であれば、誰でもカンタンに作ることができるのです。

      ストリングなんて、単なるヒモの束。アーチェリーで使うヒモの束も作れないのであれば、そのヒモの束を扱いきれるようになんて、なれっこないのです♪

      ヒトは高等動物として、他の生物よりもはるかに器用な指先をしているハズなのです。それが人間の文明を発達させる原動力になってきたのです。ストリング作りにある程度の器用さが必要だとしても、針の穴に糸を通すような器用さと繊細さは必要ないのです。ボールペンを手に持って字を書くことができる人なら、誰でも作ることができるレベルです。このように、ストリング製作はカンタンです。指導者がひとりひとりのストリング製作をイヤがってては、どうしようもありません。

      ストリングはレッスン受講生の方と指導者を結ぶ、大切な糸なのです。指導者はまずその大切な糸を、レッスンを受講されている方ひとりひとりに、正しく紡ぐことができているか、糸をたどって確かめてみなければならないのです。指導者が、レッスン受講生に完成弦を買わせている場合じゃないのですよ。

      アーチェリーのタブ

      2016.01.29 Friday

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        ■揃いも揃って ムチャクチャなタブ選び

        アーチェリーでストリングを取り掛けてリリース(矢を発射)するときに、指先を保護するための防具となるタブが次々と入荷してきます。

        タブ選びがあまりにもテキトーすぎる人ばかりでビックリします。手根骨の形状を無視したかのようなタブ選びになっている人があまりにも多いからです。どうしてそのタブを使っているかを聞くと、ショップで勧められた、先輩がそれを買えと言った、どれを選んでよいかわからず、手のサイズを伝えて選んでもらったなどのようにです。

        多くの人のタブを見てみると、タブプレートの形状が、その人の手根骨関節の可動状態を完全に無視したかのようなタブ選びになっています。手にピッタリ合ったサイズを選んでもらったと言ってますが、大きさは大体そんなものなのかも知れませんが、手の中の骨格形状に合わせるタブ選びになってない人ばかりなのです。通販などではなく本当にアーチェリーショップで買ったのかを尋ねると、プロショップで合わせてもらったと言います。もはやプロショップという言葉は、完全に死語なのだと思わなければなりません。

        タブ選びは、決してそんなテキトーなものではいけません。金属製のプレートが使われるようになった現代の上位モデルの製品では特に、タブ選びは大変な作業なのです。詳しくは書きませんが、ストリングに取り掛けている指先以外はリラックスさせ、PIP関節を屈曲させてしまったり、力を込めてMP関節が屈曲(手の甲が曲がり拳状に曲がる)してしまうような力を働かせない形状のプレートを選ばなければなりません。体幹でのドローイングではなく、腕力でのドローイングの人は論外です。タブプレートの骨格形状うんぬんの前に根本的な改善をしなければならないので、ここから先を読む必要はありません。

        骨格の形状が同じ人など、2人といません。ですから製品が日本製だろうが外国製だろうが、関係ないのです。国産だから自分に合っていると思い込むのは大間違いです。タブを手に当ててみて、「しっくりくる」などと言ってる人が多いですが、本人はそう感じているにも関わらず、実際にチェックしてみると正しく使えておらず、合ってない人だらけです。

        そうなってしまわないためには、レッスン最初の頃はプレートの固いタブを使わず、正しい取り掛けと優しいリリースをマスターするためのトレーニングを行なわなければなりません。多くの場合は手首と指先に関するリハビリと、素手で取り掛けとリリースができるような非常に弱い弓を使って大切な諸々の技術を修得していきます。タブを使って実射をするのは、もっともっと後になってからなのです。

        多くの人がその順番が完全に狂っているか、大切なものを大胆にすっ飛ばしているのです。だから練習しても上手くなりません。最初からタブを使ってストリングを引っぱるようなレッスンは力まかせにしかならないので、絶対に実射をさせてはいけませんし、ドローイングのアプローチが正確でない初心者に素引きをさせるのは愚の骨頂。ほぼ間違いなく取り掛けができず、ストリングを掴んでしまいます。

        そんな具合で、他でアーチェリーを行ってきた多くの方は、取り掛けからタブの正しい使い方などを徹底的に修正しなければなりません。最初から30ポンド近くもある強い弓を引かされてる人や、リムのポンドアップを周囲から急がされた人、自分のリムを買うときに70mを射つことを想定した強さを買わされたような人のほとんどが、取り掛けができなくなってしまっています。軽くて弱いもので長くじっくりと取り組んでいればそんな事になりません。少し違った状態になっても、容易に修正ができるからです。

        しかし早期に強いリムを装着して実射させられたような場合では、もはや手遅れと言える状態に陥ってます。なのに、たくさん練習すれば上手くなると言われて、練習を続けることになります。ですから世の中ヘタクソだらけの故障者だらけです。本当に上達を望むのであれば、弓具も技術もステップアップを急いではならないのです。

        このような経験者が多いので、これまで様々な形状のタブを仕入れて試さざるを得なかったのです。しかしこれまで多くの種類のタブを仕入れてみて、様々なデータを取ることができました。手根骨で応力をかけてしまわないようにするために、または応力をかけてしまったときに感じ取りやすい、上達に向けてのレッスンに適した数種のタブに出会いました。完璧なリリースができるようになるために、最初に選ぶべきタブを少し紹介しますが、レッスン受講生以外の方が自分の勝手な判断でこれらを使っても、身体と弓具の正しい使い方を学ばない限りは、何を使っても結果は同じであることを覚えておいてください。

        ■ショップにとって不都合な製品たち



        このSFのエリートタブは2,700円です。製品のクオリティからは、信じられないような安さです。年末までは私も実際に使ってましたので、ご覧になられた方も多いでしょう。実に優れた製品だと思います。Sサイズは小さめなので、指の細い女性や、手のひらの手根骨の各サイズが少し小さめな男性、それに小学校高学年以降のジュニアなどにはピッタリです。

        このタブはタブプレートが絶妙な形状に設計されていて、指先に力が入り、手のひらでタブプレートに力が加わるような状態(大菱形骨・小菱形骨・有頭骨・有鈎骨でタブプレートを湾曲させようとする力が加わってしまう)場合に、非常にわかりやすくなってるので便利です。上級者がこのタブを使ってみると、自分が取り掛けの際に不要な力を込めてしまいそうになった場合は、すぐに気づくことができます。ですから上級者でも高得点を出しやすい形状のタブなのです。こうして使ってみると、低価格の中級グレードの製品は、よく考えられて設計されているのがわかります。上級者になりきれないレベルの人の多くが、どんなタブの使い方をしてしまっていて高得点が出せないでいるかを、メーカーは知り尽くしているからです。

        上級者用のタブの多くは、タブプレートを湾曲させようとする力を手根骨関節内部で加えてしまった場合、プレート自体がその力に対抗するような形状になっているものばかりです。そうなるとリリースの瞬間に指先を緩めようとした場合に、タブプレートを動かす力が働いてしまいます。上級者用の高額なタブは、強い弓を引いている時に、手のひらや指先での脱力加減を、自在にコントロールできるようにならなければ高得点が出せない機能になっているのです。上級者になるために使う弓具と、上級者になるまでに使う弓具は、その仕組みも成り立ちも違うことを正しく理解しておかないと、上達の足かせにしかならないのです。ですからこのように、骨格と筋肉の専門家でなければ他人への正しいタブ選びなど到底不可能なのです。

        タブプレートの形状はプレート外周を削って手に合わせようとしても、タブを中指に通す場所を新たに設置しなおさない限り、手根骨の形状を無視したプレート配置になってしまうことが多く、薬指への力の加えかたが不自然になっている人をよく見かけます。TFCC損傷など手首の痛みとなる障害を抱えたり、深指屈筋と、その動きに関連する部分の障害の原因となりますので、プレート加工に関しては細心の注意が必要です。多くの選手のタブを、その人の各手根骨関節の配置と動作の状態を実際に確認してみると、とんでもなく誤ったタブ選びをしている人が多いです。

        タブはストリングコントロールに最も大切な機材であり、選択によって上達を大きく左右するにも関わらず、これほどまでにテキトーな使われ方がされているのには唖然とします。タブの革に、どんな最高のコードバンとか、はっきり言ってどうでもいい人ばかりなのです・・・



        これはアバロンのタブです。最も小さいSサイズでも女性やジュニアが使えるサイズはありませんので、主に男性用として使います。上級者が競技で使えるレベルのタブですが、初心者や中級者が練習で使うために表革にコードバンを使わず、牛革を装着して価格を大幅に抑えてあるモデルです。誰にでも合うとは言い切れませんが、これまで試した中では多くの日本人男性の手根骨関節の動作に制限を加えることの少ない形状で、レッスンでリラックスしたドローイングを学ぶためには扱いやすいモデルです。販売価格は2,160円という、オドロキの安さです。



        このアバロンのタブは、カントピンチの形状に工夫を凝らしてあり、長時間の装着も違和感のないものになっています。人差し指の先端をノックに無理なく触れやすく、かつ中指でシャフトを持ち上げないような、微妙な角度を調整することができるのが素晴らしいです。多くの人が使っているタブのカントピンチは、金属のブ厚い板のような工夫のない無機質なものを、指と指の間にガッツリとはさみこむようなものになってしまっています。そんなものでは指先の繊細な力加減ができない人が多いので、最初からこのような形状のカントピンチが装着されているのはありがたいですね。

        これらのタブは、どちらもタブ革を交換することができますので、最初に使ってきた牛革製の表革が伸びたり痛んできたら、後にコードバンの革を切り取って装着すれば、トップレベルの選手が使っているタブ以上に上質なタブとして使うことができます。タブ用の表革としてけいはんなアーチェリーでストックしてあるコードバンは、最も高いものでもタブ革1枚分で800円するかしないか程度です。オイルグレージングでないコードバンであれば、1枚分で500円ちょっとですからね。



        でも本物の上級者でもなければ、コードバンなど必要ありません。私だってコードバンばかりではなく、様々な牛革を切り取ってタブの表革として使っています。この白っぽい牛革は、成牛タンローの1.6mmです。コードバンだろうがタブに付属していた牛革だろうが、私はどちらも出せる得点に変わりなどありません。得点は、道具にかける金額で決まるものではないのです。どれだけ使える身体を養ってきたか、それだけです。

        ちなみにこのタブに最初に装着されている革は、牛革です。ここに並べてみるとコードバンのように見えなくもないのですが、2mm厚という、比較的しっかりした牛革です。弱い弓を引いてて、このタブ革にコシがありすぎてストリングインフォメーションが希薄になる場合は、このように厚みの異なる革に交換して上達を目指します。この交換した安い牛革でも、かなりの高得点を叩き出すことができます。ブルーバッジ程度であればは、牛革で十分です(笑) アーチェリーに必要な弓具すべてにおいて、自分が弓具のレベルに及ばない場合は、どれだけ弓具をレベルアップさせても上達することなどないのです。

        ■軍手のような使い方しかできないタブに4000〜5000円も払うのは非常識

        アーチェリーなんて、レベルの高い指導家としてのプロフェッショナルから指導を受けていれば、本当に必要な用品を適切にアドバイスしてもらえるので、弓具類に大してお金がかからないスポーツなのです。自分にピッタリと合った弓具と出会ってしまえば、それを扱い切れればイイだけなので、物欲すら沸きません。

        どうせお金を払って弓具を買うのであれば、ショップの言いなりに高い機材を買わされるのではなく、人間工学的に自分の骨格にピッタリ合った、コントローラブルな製品を適切に選んでくれる、骨格と筋肉の専門家からの指示を仰がなければ、まったく意味のない弓具の選択となってしまいます。多くの人がショップのテキトーなアドバイスや、大して上手くもない周囲の先輩たちからそそのかされて、ビックリするような高い製品を買わされてますが、それらが本当に適切だった人と出会えるのは、ほとんどいません。これは異常事態です。

        しかも、こんな高性能なタブがリーズナブルに買えるというのに、多くのアーチェリーショップでは取り揃えようとしません。けいはんなアーチェリーでは、これらの製品を安売りも値引きもしていません。これほどまでに良心的な価格設定がされている商品が、アーチェリー用品のメーカーから普通に販売されているので、それを扱っているだけなのです。では、なぜ多くのショップは、私たちと同じ製品を仕入れて販売しないのか、本当におかしいのです。

        多くのアーチェリーショップで販売されている競技用の金属製のプレートのタブは、この倍近くのネダンがするものばかりです。大した工作精度が必要になる製品でもないのに、そのネダンの付け方は異常ですね。4000〜5000円のタブを使っている人を見てもビックリするのに、1万円以上もするタブを使っている人もいるのです。本当にそれが必要で使っている人なんて、まずいません。勝手に欲しくなって高いのを買ったか、ダマされて買わされたかのどちらかです。そもそも、タブの選びかたも使い方も間違っているので、どんなに高いタブを使ってもダメはダメでしかありません。売り手も買い手も完全に間違っているのです。

        タブとは、握ったストリングを放すための道具などではないのです。ほとんどの人がタブをタブとして正しく使えておらず、軍手や革の手袋と変わらないようなものにしかなっていません。そんな状態なのに、どうして5,000円もするようなタブが必要になるのでしょうか?多くの人は5,000円とか1万円以上もする軍手のようなものを、リリースするために使っているのです。とっても残念な状態なのです。

        ■すべては タブの正しい扱い方を学んでから

        指導者の指導者としてのレベルによるので仕方がありませんが、ほとんどの人がタブを正しく扱うことができてません。いきなり実射をさせられているようなクラブやレンジでは、ムチャクチャな状態にあります。指導者が在籍してなければ、なおのことヒドイです。

        タブという機材は、単に取り掛けてリリースをするためだけのものではありません。毎回正確な位置から発射させるために、サイトピンを視認している眼球の中心から、リリース直前までホールドしているノックまでの位置を、どれだけ正確なものにするかという発射装置です。その扱いが正確でないから、的の中心に大体サイトピンが合っているハズなのに、その視認しているサイトピンの大体の場所とは大きく違った場所に矢を当ててしまう事になるのです。

        タブには様々な部品が装備されています。しかし絶対に間違ってはいけないのは、それらが装備されているからといって、最初からすべてを使っていいワケではないのです。それぞれの部品には、必要に応じて使い分ける明確な意味があります。ですから何でもかんでも装着して使うものではないのです。

        レッスン最初の頃は、正確な取り掛け位置を覚えるために、タブすら使いません。取り掛けとリリースが大雑把にならないために、大切な様々なコントロールを少しずつマスターしていきます。そしてレッスンが弓を使うまでにステップアップしていき、タブを使うようになってきた場合は、タブのパッケージに入っている付属品で使うのは、中指を通すためのバンドのみです。

        最初はカントピンチを使わずに、人差し指の先でノックにそっと触れ、中指がノックやシャフトに触れないための間隙を、自分自身でコントロールできるようになるための練習を長く積みます。第二中手骨とMP関節を、下顎骨への適正なポジションに当てることができるようになるまでは、アンカーパッドも使いません。もちろん、リトルフィンガーサポーター(小指を掛けるトリガー状のパーツ)も使いません。正しい取り掛けができている人であれば、このトリガー状のパーツを使うことはありません。骨格と筋肉の構造を理解していない人間がこれを使うように指示すると、大変なことが起きてしまいます。DIP関節とPIP関節のどちら側に当てて作用させるかで、腕の中での筋肉の使われ方が異なるものになってしまうからです。おまけに最初からこれを装着してしまうとストリングを掴んでしまうので、取り掛けではなくヒドイ掴みグセがついてしまい、正しい取り掛けに直すのが大変になってしまう人がほとんどです。

        今の日本のアーチェリーでの現状はどこの射場や競技会場でも、本当に上手い極少数の人と、上手くない大勢の人の、どちらかしかありません。その中間状態の上達過程にある人が、極端に少ないのです。それは本当に正しい指導を受けることなく、自分の射が正確かどうかもわからないのに、ひたすら実射を繰り返して上手くなろうと必死になっているという、良くない状態に集団で陥ってしまっているからに他なりません。

        何度も言ってるが、タブがすべてを物語るのです。これまでどんな指導を受けてきたか、どんなドローイングのアプローチであるか、どの程度まで得点を伸ばすことができるか、何年続けたらどこに故障を抱えることになるか、すべてがタブに刻まれているので、隠すことなどできません。だから、どんなタブを選ぶかは非常に大切な事でもあるが、本当に大切なのは指導者選びなのです。

        この貴重な貴重なオフシーズン。スポーツ理学療法士の先生方から個別に指示されたリハビリを暖かい部屋で進めながら、じっくりとトレーニングを進めて身体づくりを行ないながら、暖かくなった春からはソフトで丁寧なリリースができるように養っていきましょう。

        世界トップレベルのスポーツ科学トレーニング

        2016.01.25 Monday

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          日本列島が大寒波に見舞われ、鹿児島でも積雪したというニュースにビックリです。しかし私たちの活動拠点のけいはんな地域では、雪は1ミリも積もることはありませんでした。年間を通じてスポーツをするには、ピッタリな地域ですね。

          平日のレッスンに参加できない受講生の皆様から、合宿でのレッスンを希望される方が増えました。そのご要望にお応えして、1泊2日や2泊3日などのミニ合宿を随時開催いたします。土日は、そのミニ合宿でのレッスンでした。初日はスポーツ医療チームのレッスンで、翌日はアーチェリーに関するトレーニングの後に、少しだけ実射です。



          モチロン、世界最高のスポーツ科学トレーニングに基づいて、一人一人の身体の状態に合わせた個別の指導を行います。これが日本のスポーツ指導の底辺として、アタリマエという状況に持っていきたいところです。指導者の経験則による偏った指導がなされている現場が多いですが、そんな状況だから一流選手だったハズの指導者から学んでも上手くなりません。その悪しきメカニズムを紐解いてみれば、新たなスポーツ指導の在り方が見えてくるというものです。さぁ、ご一緒に、上達への正しいルートをたどってみましょう♪

          ■スポーツ医療チームの個別レッスン



          1日目の土曜日は、スポーツ医療チームのレッスンです。まずはいつものように一人一人の身体の状態に合わせて、スポーツを行う上での大切な基礎となる個別指導を、スポーツ理学療法士の先生方とマンツーマンで行います。

          ここでの一人一人の身体の所見を私が把握して、スポーツ理学療法士の先生と一緒になって個別指導のプログラムを作成します。そしてリハビリとトレーニングの進捗や、それらの達成度合いに応じて随時プログラムしなおして、一人一人の骨格の状態に合わせた完璧な射をマスターしていきます。アーチェリーにおける正しい骨格のポジションに誘導させるための正しい筋肉の使い方をマスターできるようになるまでの間は、実射はほとんどありません。いきなり実射をさせてしまうと、プラクティスとして正しく取り入れようとするものが、すべてが台無しになってしまうからです。ですから身体の状態に常に修正を加え、本人の感覚や意識と、実際の身体の状態を客観的に判断した部分の乖離(かいり)を、完全になくしてしまう作業を続けていきます。

          中途半端なレベルの選手ほど、自分の「感覚」や「感触」を大ゲサに語りますが、人間の感覚ほどアテにならないものはありません。実際に身体で起きていることで、自分が感じられる感覚など、ほんの一部でしかないからです。2射めと5射めの筋疲労の違いもわかりません。他の何かに感じるものがあったとしても、大きな力や、大きな動きでないと、違いを感じることなどできません。それに何かを感じたとしても、その瞬間には矢は的に向かって飛んでしまっているのです。感覚を語るよりも大事なのは、自分の身体が起こしてしまっている、自分自身の身体の動きであり、それらを自分のコントロール下におくことができるかどうかが問題になるのです。あまり深く突っ込んだ紹介はできませんが、その一部を見てみましょう。

          ■ストレッチ

          ストレッチ指導です。みなさんチョッピリ硬いです(笑) 頑張りがいがありますね♪



          ストレッチは見よう見まねの、テキトーなものではいけません。多くの人は自分はストレッチを行なっているつもりのようですが、「やっている」と「できている」は、まったく意味が違います。当たるアーチェリーのために必要なストレッチ指導ですので、これらはすべて正確にできなければなりません。

          弓を引くようになってから身体が硬いと言われてストレッチをするのでは遅すぎます。まずは身体の柔軟性を高めること。そして適切な可動をスムーズに行なえること。その後にトレーニングで筋力を高めていかなければなりません。この順番が狂っていると、後にどんな筋トレをしても、自分の射のプラクティスに後に取り込むことができません。鍛えたところで射の際に作用してくれないゼイ肉にしかなりませんので、いきなり実射からスタートさせ、後からトレーニングを課すような暴挙に至ってはなりません。

          身体の状態が悪いのに無理やり射をこなしているので、大して上手くなれません。ここをおろそかにして実射を続けていると、そう遠くない将来、故障のドロ沼に陥ることになるのです。特に冬は低温によって筋肉はこわばり、動きの悪い状態で収縮とリラックスを繰り返します。ですから身体が硬い人は冬に筋肉を痛めてしまうことが多いのです。ストレッチは実射よりも大切です。

          レッスンでストレッチ指導を受けて帰り、自宅で毎日のように行なっていても、ひと月もすれば本来の正しいストレッチと異なったものになっていることが多いのです。そうなってしまってはストレッチをネットや本を見て行なってる我流の人と変わらなくなり、せっかく毎日努力しても思うような効果が出てきません。そうならないためにも、全員が効果的にストレッチを行うことができているかどうかを、スポーツ理学療法士の先生が受講生の皆さんひとりひとりをチェックして、更なる身体能力の向上を目指します。

          ■各種トレーニング

          トレーニングは、数え切れないほどの種類があります。しかもそれらのトレーニングは、単にやればいいというものではありません。一人一人の状態が異なるからです。その部分の筋肉が強すぎる場合は落とさなければなりませんし、硬くて動きが悪ければ、改善しなければなりません。正しく作用せずに体軸を支えることができてない場合は、強化が必要です。

          特に経験者の場合は、弓の力を骨格で支えることができず、筋力を総動員してエイミングしています。正しくない筋肉を作用させてドローイングとエイミングを行なっている場合がほとんどなので、それまで使ってきた誤った筋肉を、使えなくするためのプラクティスから始めなければなりません。

          同じ身体の状態の人は2人といませんので、指示されて持ち帰るメニューは、全員が異なるものになります。ですから、インターネットや本で知ったようなトレーニングは、間違いなく自分にとって適切なものではないと認識してください。



          体幹トレーニングを行なっていると、スポーツ理学療法士の先生がレッスン受講生の皆さんのどこを見ているかが、私にはひしひしと感じます。私が行っている普段の指導に、針の穴ほどの抜け穴がないか、砂粒ほどの漏れがないかを見極めて下さってるとも言えますので、本当に安心してレッスンを受けることができますね。



          スポーツでのレッスンの多くの現場では、上達のために筋トレを行なう事が多いです。しかしアーチェリーの場合は、筋トレをしたからといって上達することはありません。アーチェリーが上達しないのは、筋力が不足しているからヘタクソなのではなく、身体の使い方に誤りがあることと、脳の運動野を開発しないまま、いきなり弓矢を使って実射を行ってしまうからなのです。



          そのため全身の受容器に刺激を加えて神経系を最大限に活性化させ、脳と神経から骨と筋肉への伝達経路を開拓するためのリハビリを行ないます。これらがうまくできるようになって、はじめて自分の身体を思い通りにコントロールできるようになります。ハンドルにサイトを装着して的紙に向かって狙って矢を射つのは、これら一連のリハビリが完了してからです。



          ひたすら実射だけを繰り返して上手くなれる人は、1000人に1人です。それは数々の幸運な条件が備わっていた、ごくまれな人なのです。しかしどのような事を、どのような手順で積み重ねていけば一流アスリートとして育成していけるかは、最先端のスポーツ科学で解明されているのです。ですから本当にアーチェリーが上手くなりたいのであれば、最初にこれらの指導を受けて、正しい手順でとり行なわなければならいのです。

          これらのリハビリは、正しい指導を受けてきた人しか、まともにできません。これまで他でアーチェリーを行なってきた経験者や、全国大会経験者でも大してレベルの高くない選手は、これらが情けないほどできません。フラッフラで、ヨロッヨロの状態です。これらのリハビリを行なってないから、脳の運動野が開発されず、運動神経が良くない状態にあるのです。そんな状態だから、どれだけ実射数を増やして毎日のように必死になってアーチェリー場に通って練習しても、自分のレベルを高めることなど到底不可能なのです。



          これらスポーツ医療チームのレッスンを何度も重ねているうちに、リハビリやトレーニングの内容が、次第にレベルアップしたものになっていきます。春から入会されてレッスンを受講されてる方には、この冬の間は人間の反射神経の速度を最大限に高め、それに瞬間的に対応できる身体づくりのためのトレーニングを行ないます。

          ですから上手くなれると信じて実射を黙々と続けているような人と、アーチェリーの射をマスターするために必要な身体づくりから先に始めた人では、そのレベルの違いは数年後には雲泥の差になります。アーチェリーが楽しくないものになるか、楽しいものになるかを決定づけてしまうのです。

          上手くならない理由はひとつです。それが正しい練習ではないからです。実射は練習などではありません。実射とは、自分の身体でできることを確認するためのものなのです。1日で何百射もするのは、本当に上手くなってからの話なのです。アーチェリーの射に必要な身体の使い方がマズイ状態であれば、そのダメな射を何百回繰り返したところで、それが良くなることなどないのです。

          ■理想を実践できない中途ハンパな指導者はいらない

          私も感心するところですが、スポーツ医療チームの先生方のスゴイところは、これらを先生方がお手本として実際にその回数をやってみせることができることなのです。口先だけで理想論を語るような、腹が突き出た無様な身体をさらすアーチェリーの三流指導者たちとは決定的に異なります。本当に素晴らしいと思います。

          しかも、個別の身体の状況に応じて、この方がこんな時にこんな状況で、こんな状態になっているとか、これを行なうとこんな状態になるとか、こんな状況を申告されるという報告に関して、すべての状況において完璧なまでに対応策を想定して事前に対策を講じることができるのです。類似した部位の動きを見せる他のプロスポーツでの状況とも照らし合わせて下さり、起こり得る様々な可能性までも一緒に考えることができます。

          スポーツ理学療法士の先生方は、何ごともないように容易く手本を示して下さりますが、理想の手本を示して教えるためには、普段からトレーニングしていなければできません。わかりやすく説明しながら、相手が理解しやすい角度から、できるようになるまで繰り返しトレーニングをやってみせるのです。これは私も指導者として心がけていることなので、私もどれだけ年を重ねても、スポーツ医療チームの先生方を超えるフィジカル能力を保ち続けなければならないと痛感します。

          そもそもスポーツの指導者が、太った身体を揺らしていてるような惨めな状態でどうする?

          身体に脂肪をタップリ蓄えた身体で、筋肉の何を語れるのだ。そもそも脂肪に覆われた自分の筋肉の作用のしかたを、レッスン受講生にどうやって見せると言うのだ。指導者は、選手だった頃のような、いい加減な身体づくりではいけません。指導者とは、指導を行う上での究極の理想を自らが示さなければならないからです。どれだけ歳を重ねても、年齢を感じさせない理想的な身体を維持してなければ、理想のお手本を示すことなどできないのです。

          あなたを教えてくれている先生が、優れた指導者かどうかを調べるのはカンタンです。その先生の脇腹をつかんでみればわかります。お腹を触らせてくれない人、腹部の筋肉の動きを触らせてくれない人は、完全に指導者失格です。スポーツを教える立場の人間であれば、栄養学とトレーニング学がセットになった指導を行っているハズなのです。理論を語るだけの中途ハンパな指導者は、役に立たないのです。指導者が太っているということは、自分が摂取したカロリーと、消費したカロリーの計算もできないんですよ。自分の身体でそれを体現できないレベルなんです。そんな人がエラソーな事をイロイロと語っているのを耳にすると、そんな人から教わっている人が、可哀想でたまりません。

          そもそも太っているというコトは、有酸素運動を行なってないからでしょう。身体に占める筋肉の量が少なくて、脂肪の量が多いのです。ランニングやロードバイクなどの有酸素運動の指導を適切に行えないのです。筋肉が使われて乳酸やピルビン酸などの疲労物質が筋細胞に蓄積され、筋肉が酸性になり筋能力が低下してくワケですが、体内における換気の仕組み、それに筋原繊維内の筋細胞内での疲労物質の処理サイクル、それらの肝臓での処理を考えたら、疲労回復と故障防止のためにどんな身体づくりをしていかなければならないかがわかるハズなのです。走れと言う指導者には、1500mの持久走をさせてタイムを計測したらイイのです。まさか5分を超えるようなダラしない走りは見せないハズですよ。6分を切れないというようなレベルの低さでは、どうしようもないのです。何を教えれるというのか・・・少なくとも現役時代は4分を切ったというような話を、聞かせてもらいたいものなのです(笑)

          アーチェリーというスポーツは、どんなに射っても心拍は上がりませんし、息も上がりません。なのに筋肉には運動の質と量を求めます。ですから平常時は脈拍数が少ない、1回の心拍で大量の血液を送り出す大きく強い心臓を養い、少ない酸素量で最大の効果を発揮する持久力を養わなければなりません。しかしこれらは、アーチェリーの実射以外での有酸素運動でしか養うことができないのです。太っているということは、有酸素運動で脂肪を燃焼させてないからです。アスリート体型と思えないような体型で、肩が痛いと言ってる人は、ランニングなどの有酸素運動を行なってないのが原因です。ですから指導者の腹に脂肪が巻きついているのは、本当に正しい指導を知らない可能性が高いのです。アーチェリー指導者の恰幅がイイのは、理想を示す指導者としては有り得ないのです。

          腹筋が割れている割れてないとか、そんなレベルの低い話ではないのです(笑) 最低でも腹筋は割れてて当然。姿勢維持に関わる大腿骨と骨盤の関係を、自分の身体に浮き出た大腰筋を示しながら説明できないと、正しいことは伝わりません。重心移動の修正に関する足首の動きを、拇指球からヒザまでの構造を、鍛え上げて膨らんだ前脛骨筋の動きを見せながら解説できなければ、ランニングやトレーニングの重要性を示すことができないのです。これらの重要な筋肉の動きを、どこの誰を連れてきて見せるというのですか?理想の手本を自らが示さない限りは、教わる側がそれを会得することなどできません。それができない人が指導者であるならば、レッスン受講生の方は、見ることのできない架空の世界のようなものを空想しながら、本当に意味があるのかないのか不安に思いながらトレーニングをすることになるのです。だからどれだけ練習しても効果は上がりません。

          「百聞は一見にしかず」筋肉について語るだけで、見せることができない指導者など、指導者としての価値などほとんどないのです。そんなレベルの低い指導者を目指していては、日本のスポーツ指導が、その先へ進むことなどないのです。蛙の子は蛙。あなたを教えてくれた人がどんな人であるかを考えてみれば、自分がどれだけ上達するかが見えるというものです。教えてくれた人の競技成績ではなく、指導者としての資質がどうであるかを本気で探ってみましょう。

          そもそも腹筋が見えないような体たらくで、よくもスポーツの指導をする立場の人間として恥かしくないのかと思います。アスリートを育成する立場の人間であれば理想のお手本でなければなりません。病気や治療の薬の作用で激太りするような特殊な人は別ですが、ほとんどの人は単に自分に甘いだけなのです。ウエストがどこかをわからないほどに体脂肪に覆われているということは、自らを律することができてない証拠なのです。自分の怠惰な生活習慣が、自分の身体を作っているのですよ。そんな自分に甘い人が、他人の身体のコントロールについて夢のような事を語るのですか。面白いですね(笑)

          かつては一流選手だった指導者なんて、山ほどいます。でも指導者として本当に一流なのか?指導者として争うレベルが、あまりにも低すぎやしないか?三流指導者の、聞くに堪えない無様なイイワケなど、ほとほと聞き飽きた。イイワケが口から出るということは、指導力がないという証明に他ならないのです。指導者にイイワケなど許されないのです。自分が教えた相手の身体がどうなっても、それはすべて教えた人の責任なのです。指導者であれば裸になって鏡の前に立ち、真剣に自分を見つめなおさなければならないのですよ。本当は言われなくてもわかっているのでしょう?

          自分に甘い指導者は、被害者がこれ以上増えないうちに、指導者をやめた方がイイのです。それがイヤなら、指導者としての世界一を目指すべきなのだ。自分が教える相手のために、これからアーチェリーを始めたいと思う人のために、自分の命をかけて、自分に与えられたすべてを使いきって、世界最高の指導ができる環境を構築し、これからアーチェリーを始めたいという人に尽くすのが指導者の役割です。そこまでできないと言うのなら、はっきり言って指導者に向いてない。ボランティアだったら中途半端が許されるのか?アマチュアの指導者だったら中途半端でイイのか?できないのではなく、やろうとしないだけなのです。

          選手時代は競技での順位が何位であっても、それはすべて自分のことであるが、指導者としての自分のレベルが高いか低いかというのは、教えた相手に対する重大な責任を負うことになるのです。指導者としての自分のレベルを高めていく作業は、選手時代の努力や苦労とは比べ物になりません。責務の重大さのレベルが違うのです。自分が選手時代にやってきたことなど、次の時代を担う選手にとってはとっくに時代遅れのものなのです。どれだけ最高の取り組みを行っていても、常に刷新されて常に追い越されるものなのですよ。最先端の現場では、常識は常に変わるものなのです。指導者が選手時代に取り組んできたものが、今でも世界で最高の取り組みだなんて思っているのは、飛脚が新幹線やヘリコプターに勝負を挑むような笑い種なのです。

          指導者への指導としての門扉を開いているので、指導に携わる人間として世界最高の取り組みを学びたいと訪れる指導者の方もいらっしゃいます。指導者への指導は、個別指導も遠隔指導もさせていただいてます。これまでの自分を捨てる勇気と覚悟を持って遠方から「学ぶ姿勢」でお越し下さるその姿勢には、本当に頭の下がる思いがします。そういった方々が、これからの日本のスポーツ指導の在り方を良くしていくための原動力となって下さると思います。この取り組みは、日本のアーチェリー界の底辺の指導において、良い動きを作り出すことになるのは間違いありません。誰にも知れずに指導者としての指導をお受けになってらっしゃる指導者の方もいらっしゃいますので、指導者として世界トップクラスを目指す指導者は、遠慮なくお問い合わせ下さい。私と同じものを共有して、ともに進化させていくことが、アーチェリーを始めてみたいと思うすべての人々を幸せにすることができるのです。

          ■トレーニング効果を実射で証明する

          体育館から移動して、その日は宿泊します。雪が降らなかったので、移動もスムーズにできたのが良かったです。夕食を終えたらタブの表革を作ったり、レッスンで使うストリングの作り方をお教えします。

          夜は部屋に暖房を入れてリハビリとトレーニングを行ないますが、その人の身体の状態に応じて様々な方法を使って、各部の筋肉の緊張を和らげ、解決させていきます。身体は骨も筋肉も、鍛えるだけでは傷みますので、徹底的にケアを行なって万全の状態にしていきます。自分の身体は自分が食べたものでできているので、食品・サプリメント・薬についてのアドバイスも行ないます。



          翌日のレッスンです。天気予報では至上最高クラスの大雪に見舞われると脅されてましたが、雪は積もりませんでした。雪が降るどころか、晴れています。

          さすがに氷点下の午前中から屋外で実射はせずに、暖房の効いた部屋で様々なトレーニングです。トレーニングの内容は個別に異なるので、画像をアップすることも、内容を書くこともできませんが、実射で効果的な身体の使い方ができるようになるためのトレーニングを、じっくりと行ないます。

          昼食を摂って日が差す午後からは、実射も交えます。実射は自分の身体の使い方の最終チェックです。単に実射数をこなすのであれば、それは乱射にすぎません。ドローイングのアプローチが正確であるかどうかを、一人ずつ丁寧に確認しながら射ちます。これまでのリハビリとトレーニングが正確に行なわれてきてますので、問題と思えるような指摘をしなければならないようなことはありません。それどころか、自分ができてなければならないチェックポイントが実射で明確になるので、何度か矢取りを行なっているだけで、完璧な射ができるようになります。

          日が差すといっても寒いのは寒いので、休憩は暖かい屋内に入って行いました。休憩時間も長めにとって暖をとり、低温時での身体の負担を限りなく減らす工夫をしています。合宿というと射を多くこなすと思われてますが、私たちの合宿は内容に大切な意味のあるものにして、本当に上達するために一人一人の身体の状態に合わせてレベルアップを果たします。

          ■加速度センサーのデータ解析

          膨大なデータの中から、リリース直前の身体各部の骨格の動揺の測定結果を見てみます。スポーツ医療チームの先生方の不眠の努力での照合です。本当に有り難うございます。



          まずは、的に向かってサイトピンを合わせ、リリースするまでの間に身体がどのような状態にあるのかを見てみます。

          スーパースローモーション映像や筋電図では、骨格に働きかける力の向きを見ることができません。しかし加速度センサーで360度にわたって検証すれば、エイミング中に筋肉の働きによって、骨格がどの方向に動かされてしまっているかがわかります。腰がその方向に動いているのであれば、脚部のどの筋肉が過緊張状態にあるのか、その部分の筋肉が硬くて動きが悪いせいなのか、かなりの部分が見えてきます。それはスポーツ理学療法士の先生が触診して、レッスン受講生の方の筋肉の状態を確認してみると、加速度センサーが拾ったデータがどれほど正確に身体の状態を当てているかがわかります。

          非常にユニークなのは、矢が当たった音もしない、射つ手ごたえのない巻藁に的紙を貼らずに近射した時のデータと、距離が離れた的を畳に貼って、しっかり狙って射ったときのデータとの比較です。的を狙って当てようとすると、動揺の振幅が大きくなることです。的の中心にサイトピンを定めようと狙い込むことで、筋肉が過緊張状態にあることがわかります。それを身体に装着したセンサーのどの部分がどの方向に動こうとしているかを探ることで、「あがり」によって身体のどこがコントロールできない状態になっているのか、自分の意思とは無関係に力みが入ってしまっている事を調べることができます。

          これまで、本番で自分の真価を発揮することができない人たちの原因を、メンタル面の弱さや、根性がないなど、精神的な部分が原因であり、選手の側にある個人的な理由を原因にしてきた指導者ばかりです。「できる!」と信じて臨んだところで上手くいきません。自分の中の何かを信じることが、自分の身体を正確にコントロールするメカニズムに結びつかないからです。信じたり念じたりすれば本当にできてしまうのであれば、あなたはすでに10点しか射たないハズですよ(笑)

          ローカルな競技会では高得点が出るけど全国大会にでたら全然ダメという人や、予選ではトップ通過するような選手なのに、決勝トーナメントになると格下の選手に負かされてしまうような人、シュートオフ勝負に持ち込まれるような極度の緊張状態に置かれた状況、これらのような場合で普段の自分の身体の使いかたの邪魔をする原因を特定することができます。

          「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」と言うのです。自分の身体は、どんな場合にどんな状態になってしまうのかを知ることが、最も大切なのです。スポーツメンタルトレーニングは、上達に向けて絶対に必要です。しかしその効果が発揮できるようになるまでの大切なものを身に着けてなければ、どんな優れた武器であっても、使えないお荷物にしかならず、その重みで自分が潰れてしまうのです。

          各センサーごとの動揺の振幅の大きさを比較しても、様々な身体の状態がわかります。センサーの振幅の幅の傾きによって、エイミング中に身体が捻転したり傾斜しており、どの方向にどんな角度でどれくらいの速度で動いているかが見えてきます。それが筋肉の過緊張によるものか、骨格を支えるために必要なインナーマッスルが役割を果たしてないのが原因なのかもわかります。

          各部のセンサー同士の振幅が同調していない場合や、振幅の幅に差がある場合は、身体の中で行なわれている力が、どれだけ複雑なものを構築してしまっているかがわかります。加速度センサーは骨格の動きを360度すべての方向への動きを正確に表示しますので、どの方向に対してどれだけの動きを、どれだけの時間をかけて移動しているかが見えます。自分では正確に発射しようと狙い込んでいても、どれだけ正確性のない行為になってしまっているかがわかります。試合になったらダメなのは、必ずしもメンタルの弱さが原因ではないこともわかります。

          これらの加速度センサーからのデータと、触診から得られた情報によって、その人がこれから行なうべき新たな取り組みを決めることができます。そしてそれらに関わるリハビリとトレーニングが骨格の動揺に対してどのような効果があるかを、次回の加速度センサーでの検証と、得点・的中分布の比較によって正確に調べることができるのです。その時々の調子の良さ・調子の悪さが、自分の身体の動きの何が原因でそうなっているかもわかります。そうすることで、スランプなどとは無縁でいられることができるのです。試合での経験が少なくても、いきなり本番で能力を発揮することができるのです。中途半端なテクニックに多大な練習量、そこに気合いや根性などの根性論的な取り組みは、時間のムダなのです。

          失敗や遠回りを続けているうちに、自分が競技の第一線で活躍できる時間はどんどん短くなっていくのです。身体に故障を抱えてしまったら、それこそ終わりです。経験を積んで上手くなるとか、何度か失敗しているうちに上手くいくなんて信じ込んでいるのは、完全に間違っているのです。4年に1度しかないような場面を、何回失敗できるというのか。失敗を繰り返しているうちに、自分の競技人生なんて終わってしまうのですよ。

          トップレベルの中でも限られた選手にしかこういった機会は与えてもらえませんが、けいはんなアーチェリーでは初心者へのアーチェリーレッスンでこれらも使い、合理的にステップアップしていきます。アーチェリーの上達なんて、本当に簡単なんです。アーチェリーがなかなか上手くならないのは、教わっている(行なっている)内容が非合理的だからなのです。冬場に射ち込むなんて、余程のトップレベルの選手以外はナンセンスです。

          この冬の間は、貴重な貴重なオフシーズンなのです。春から全力で戦えるようになるためには、世界で最も優れた取り組みを行い、スポーツ科学の最先端を取り入れ、正確にウィークポイントを洗い出し、しっかり休息をとり、リハビリとトレーニングでじっくりと上達を目指さなければなりません♪

          アーチェリー体験会のお知らせ

          2016.01.20 Wednesday

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            多く寄せられるご要望にお応えしまして、アーチェリー体験会を開催いたします♪ この機会にご都合あわせて、ぜひお越しください。



            開催日時は、2月14日のバレンタインデーです。あなたの想いを射止めることができるかどうか、チャンレンジしてみませんか?

            ■けいはんなアーチェリー アーチェリー体験会

            日時 2月14日(日曜日)

            会場 奈良市総合福祉センター体育館

            住所 奈良市左京五丁目3−1

            時間 午前9:30−11:45

            料金 体験600円 見学・お付き添いの方150円(センター利用料金)

            対象 アーチェリーというスポーツを体験してみたい方。まだ本格的なレッスンを受講するほどでもないが、いちどアーチェリーをしてみたい方。世界トップレベルの指導者からのアーチェリー体験をしてみたい方。お子様にアーチェリーをさせてみたい方。アーチェリーに興味がある方ならどなたでも。

            申し込み期日 2月12日

            申し込み方法 問い合わせフォームにお申し込み下さい。

            ※体験の方、見学・お付き添いの方それぞれ事前の申し込みが必要です。

            ※今回は本格的なレッスンではなく、アーチェリーの体験会です。お気軽にお問い合わせ、お申し込み下さい。

            ※お申し込みをされず、直接会場にお越しになられた場合は体験できませんのでご了承下さい。

            春の本格的なスポーツのシーズンイン前に、ぜひ一度アーチェリーをご体験下さい♪