そば打ちの卓越した技術の伝達とアーチェリー指導の共通点

2016.03.01 Tuesday

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    ■盗めるワザなどワザではない

    指導者として本当に育成方法を理解しているなら、これらの言葉は使いません。「ワザを盗め」とか「真似る」とか「習うより慣れろ」などです(笑)

    アーチェリーのみならず、スポーツを真剣に取り組んでいる人たちは、みんなマジメです。私たちは「もっと気楽に取り組みましょうね♪」とお伝えしているのですが、皆さん本当にマジメです。教わったことを、その通りに忠実に実行しようとする人が多いです。本当に素晴らしい人たちばかりです。しかしどうでしょう。指導者だと思っている人から教わったことを、これほどまでに長年マジメに取り組んできたにも関わらず、多くの指導の現場では、ほとんどの人が一生ヘタクソのままです。

    理由はひとつです。教わる人が、それがどのようにしてできるようになるかを、指導者が正しく教えることができないからです。これまでずっと言い続けていることだが、アーチェリーは簡単なスポーツです。本当に正しいことを教えることができる指導者から学ぶことができれば、誰でも簡単に上手くなれるのです。しかしそれは一人一人の身体の状態がすべて異なるために、全員を並べて射たせながら、画一的なことを教えているのでは上達しません。

    他ではアーチェリーが難しいと言われることが多いです。アーチェリーが上達するための様々な技術においても、それぞれが難しい特別なテクニックだなどと言われてたりします。しかし私たちのようにスポーツ科学の観点からスポーツ医療チームと一体となってアーチェリーのレッスンを行なっていると、アーチェリーが上手くなるために難しいことなど、何もないことがわかります。

    昨日テレビで紹介されてましたが、そば打ちに関しても、上達が難しいと言われることで有名です。そば打ち職人は全国に大勢いますが、プロとして生計を立てているそば打ち職人ですらも、自分のレベルが上がるにつれて、できないことの多さに気づかされると言います。ここにアーチェリーとの重要な共通点があります。

    そば打ちはお師匠さんから学んで、ひたすら打ち続けて一人前を目指します。しかし将来独立しても、お師匠さんの出来ばえに並ぶという人は、実に限られます。茶道のお点前も似ています。非の打ちどころがない素晴らしい所作に見えても、生徒は先生と同じお点前にはなりません。何年続けても、先生を越えることができません。師匠に並ぶには10年かかるなどと言われます。ですから ネスカフェ ドルチェ グスト の 宇治抹茶のようなものが販売されるようになるのです。一流アスリートだった指導者が教えているスポーツの指導とよく似ています。生徒が先生を越えられない理由があります。それはまさに、「ワザを盗む」「真似る」「慣れ」という言葉でゴマかしてきた、本当の指導の方法を知らない指導者が原因なのです。指導家の先生よりも、機械のほうが親切で確実で面倒クサクないのです。

    スポーツ指導であれば少なくとも、見てわかることであれば教える側の人も教わる側の人も、とっくの昔に違いを見出しているハズなのです。教わっている人たちは、少しでも何かを掴み取ろうと真剣なのです。本当に上手くなりたいと願っているのです。しかし真剣に取り組んでいるにも関わらず、そば打ちもアーチェリー射ちも、どれだけひたすら真剣に取り組んでも上手くなりません。それは、本当に上達するために必要なものは、目で見たり感じたりすることができないところにあるからに他なりません。指摘された部分だけを直そうとしても、大して得点アップにつながらないでしょう?射を見た目だけ直したところで、上級者になるような魔法はないのです。

    ですから、けいはんなアーチェリーでは骨格と筋肉の専門家がアーチェリーの指導を行い、世界最高レベルのスポーツ医療チームと一体となって、最先端のスポーツ科学に基づいてレッスンを行なっています。これまで何度も紹介してますが、時にはハイテク機器を駆使して、一人一人の上達に向けて射を完成させるための取り組みを行っています。

    ■そば打ち名人の技・科学技術で迫る

    きのうの朝のNHKニュースで紹介されましたので、ご覧になられた方も多いのではないでしょうか。

    そば打ちは身体の使いかたの僅かな変化で味が大きく変わってしまう、繊細な食べ物です。そば打ち名人の匠のワザを、どうやって伝承していくかが課題で、匠のワザを最先端の科学技術で解析して伝承していこうという動きになっています。

    そこで、これまで野球やゴルフなどのフォームを解析してきた理化学研究所情報基盤センターでは、モーションキャプチャーを使って名人の身体の動きを計測して、名人とお弟子さんとのそれぞれの骨格の動きをデータ化して比較していました。



    センサーは身体全身のみならず、テーブルやこね鉢にもセンサーを装着して、ありとあらゆるデータを解析してました。

    すると骨格の動かしかたや力のかけかたなどの一つ一つに違いがあることがわかりました。名人は毎回必ず均一に力が加わり全体的に安定しているので、そばが部分的に乾燥するのを防ぎ、香り豊かなそばに仕上げることができるのです。



    しかしお弟子さんはそばに対する力の入り方が一定ではなく、外からは同じように見えても、生地の状態が実際は均一ではなくなっているそうなのです。



    このデータを解析して画像に映し出してみると、名人はヒザの動きを使ってリズミカルにそばをこねているのがわかったそうです。この結果を受けてお弟子さんたちは身体の使い方を研究して、今後はそば打ちの技術を完成させていくそうです。同じような方法でスポーツ指導を行っている私にとっては大変興味深いニュースで、飲もうとしてたお茶が冷めてしまうほど見入ってしまいました。

    ■そば打ちの指導もアーチェリーの指導も同じ

    昨日のニュースは完全に私たちがアーチェリー指導を行っているスポーツ科学の世界と同じですが、こうした身体の内部で実際にどのようなことが行なわれているかを知ることができなければ、そば打ちもアーチェリーも完全に同じ状態に陥ってしまいます。

    これまで古来よりそば打ちが難しいと言われ続けてきたのは、名人ですら自分が行なっている身体の使い方を完全に理解してなかったからであり、それを、教えている相手ができるように指導する術を持たなかったからです。

    他での多くのアーチェリー指導施設でアーチェリーが難しいと言われ続けていて、過去に華々しい栄光を掲げる指導者から学んでも上手くなれないのは、その指導者が自分の身体の中でどのような事が起きているのか、それを、教えている相手ができるように指導する術を持っていないからです。

    それではアーチェリーの話です。



    アーチェリーが上手くなるために必要なすべての方法は、すでにかなり以前に解析し尽くされています。あとは、一人一人の身体の状態に合わせてリハビリとトレーニングをプログラムしていくだけです。しかし多くの研究者たちは、いまだに正しく理解できてない人たちばかりです。すでに研究し尽くされてきたことを、この時代になってようやく追いついてきた感が否めません。そうしている間に、世界最高レベルのスポーツ医療チームと一体となって得られたデータからは、新たな発見を次々と見つけ出すことができます。「ワザを盗む」とか、見よう見まねとか、外観からわかるようなものなどに大きな意味はないのです。自分が自分の身体のなかで何を行なってしまっているのか、そうなってしまわないために、どのようなことを行なって準備をしていくかを理解できてなければ、昔ながらのそば打ちの指導と同じなのです。



    アーチェリーに関わってきた研究者たちも、20年くらい遅れてるかも知れません。指導者たちやショップの人たちは、はるかに遅れています。プラクティスの順序→脳と神経系の発達の手順→発射の際の反射による骨格の動揺と的中の関連性についての論文を書いたら博士号ですが、私はそんなものには興味はありません。発表できることなど、書けることは山ほどありますが、権威など虚飾にすぎないと思っています。私はアーチェリーの指導者です。私の使命は、アーチェリーというスポーツを取り組んでみたいと願う、けいはんなアーチェリーに通って下さる方に尽くす。ただそれだけです。

    アーチェリーの正確な射のために絶対に必要な、射のプラクティスを構成するための脳と神経系を発達させるためのリハビリを行なわなければ、どんな有名な指導者がトレーニングを指導したところですべてムダに終わります。これまでオリンピック選手や世界戦への出場経験があるようなトップレベルの選手や、かつてトップレベルだったような指導者から学んだことがあるという人は、大勢います。しかしその大勢の人たちが上手くなることなどありません。取り組むべき順番が違うからです。

    結局は、畑に稲を植えるようなことになってしまっているのです。少しは育つかも知れませんが、ほとんどが枯れてしまい、収穫できるほど大きく育つことはないのです。まずは肥沃な水田を作らなければなりません。しかし多くの指導者たちは、稲を植えることはできても、その水田の作り方を知りません。それが水田なのか畑なのか砂地なのか荒地なのかもわからずに、とにかく稲を植えようとします。畑に植えた稲の苗にどれだけ水を与えても、水は地面に染み込むばかりで、稲が水を吸うことがないのです。アーチェリーを教える前に必要な最低限のことを、一人一人のすべて違った身体の状態に合わせて教えることができていないので、どんなに高度なテクニックを後から身につけようとしても、上達することなどないのです。

    筋肉の名前だけを並べる三流指導者は多いです。しかしそれらの筋肉は後から個別に鍛え上げても、それぞれが個別にバラバラの動きを見せるだけで、射のプラクティスに組み込まれることなどできないのです。他の多くではそれを検証するための術も持たないので、上手くならないためのトレーニングを課すことにしかなりません。筋肉を鍛える以前に脳と神経伝達系を正しく養わなければ、どれだけ練習しても上手くなりません。一人一人の全員が、筋肉も脳も神経も、身体を動かすメカニズムが同じ人は2人と存在しません。リハビリもトレーニングも画一的なものなどないのです。ですから私たちのアーチェリー指導組織では、世界最高レベルのスポーツ医療チームと一体となって、最先端のスポーツ科学の力を借りて、一人一人が完全に自分の身体を使い切ることができるポテンシャルの高さを養うためのレッスンを行なっているのです。

    ■指導者はいったん全てを捨てろ

    そば打ちという日本の伝統も、スポーツ科学の力を借りることで継承しやすくなることがわかっているのです。見て真似るという模倣や、自らが考えて行動するというのは大切なことです。しかしどんな世界であっても、それで上達する人は限られたごく一部の人だけであり、これまでどれだけ努力を重ねてきても、報われなかった多くの努力を沈め落してしまうことになってしまっています。そこには上達を目指す上で必要な、目に見えないものや気づきようのないものが伝わることは、絶対にないという事が証明されていると言えるのです。

    アーチェリーの射は、実射している人を外観から見ても、ほとんど何も知ることができません。様々な方法でデータを取れば、実射や映像、スーパースローモーション映像などでは知り得ることができない、自分の身体の中に隠された何十倍もの大切なことが潜んでいるからです。スポーツ科学に基づくことのない遅れた指導を受けていると、どれだけ見た目の射が美しく見えたとしても、結局は見た目だけのハリボテ状態になってしまいます。身体の中では複雑な向きへ力を働かせてしまっているにも関わらず、まっすぐ引くとかまっすぐ押すとか大きく射つなどと抽象的な表現で、強引で大胆な誤った身体の使いかたをさせてしまっているので、どれだけ実射に時間をかけても大して上手くならないのです。身体に故障を抱える人は多いのに、上手くなる人は少ないというようなクラブや指導組織ばかりなのは、そういった理由があるからです。

    アーチェリーが上手くなるために必要なものは、精度の高い弓具ではなく、後付けの小手先のテクニックなどではないのです。自分自身の身体をどれだけ正確にコントロールさせることができるか、そのために必要なものを、どのような手順で備えていくかに尽きるのです。正しい身体の使いかたができるようになるには、最先端のスポーツ科学の力を借りて、正確なアーチェリーの動作を行なうための脳の運動野の開発と、神経伝達経路を作るための一人一人の脳の状態に合わせたリハビリを、スポーツ医療チームから受診しなければ、何をしてもほとんど意味のないスポーツの取り組みになってしまうのです。

    もう四半世紀も昔からですが、レッスン初期の頃に実射を繰り返すレッスンをさせてしまうと、上手くなれる可能性を極端に下げてしまうことが分かっているのです。後から筋トレをしても効果が薄いことも分かっているのです。これまでと同じ指導の在り方では、選手の身体を傷めてしまうことが分かっているのです。それは指導者が常に最新のことを学ばないから、残念なことが起こってしまいます。多くのレッスンでは、30年も昔と変わらないような、時代遅れの指導が行われ続けているのです。最新技術を駆使して高度に完成された高性能な弓具を振り回して、情けないような点数しか出せないのです。

    この5年で、人間の身体のことがどれだけ解析されたのか、勉強ギライなほとんどの指導者は何も知りません。知識と情報を取りに来ればイイのに、そんなレベルの高い人は数えるほどしかいません。なので、指導者間のレベルの差は広がる一方です。毎年のようにスゴイ量のスポーツ科学の知識が膨らんでいきますので、単なるスポーツバカでは知識の吸収のペースが追いつかない世界だと思います。多くの指導者が完全に置き去りにされてしまってるのだと思いますが、スポーツ医療チームと一緒になって指導者としての指導も行ってますので、指導者も遠慮なくお問い合わせ下さい。スポーツ医療チームから様々な真実を聞かされて、最初は腰を抜かすような思いがするでしょうけどね(笑)

    スポーツ指導者が培ってきた経験や、選手時代の体験など、もはやほとんど役に立たないのです。数年もたてば、どんどん新しい発見がされ、取り組みかたを根本的に変えたり、指導の仕組みそのものを変えなければならない場面に多々さらされるからです。

    アーチェリーは多くの部品から構成された機材を扱うスポーツであり、それらの一つ一つの部品は科学技術の結晶とも言える性能の高さを有する進化を遂げました。機材が進化するたびに技術はトップダウンを繰り返し続け、今では中級グレードとフラッグシップモデルの的中の差(的中の性能であって、扱いやすさを言ってるのではない)が、ほとんどないに等しい時代です。しかしどれだけ機材が進化したところで、指導の方法が最新の取り組みでなければ、最新の機材の扱いに見合わない時代遅れの指導になってしまうのです。

    今ではハンドルやリム、それにスタビライザーに至るまで、昔とは取り扱い方法が異なります。現代の製品は丁寧で繊細な射の動作が必要であり、柔らかくて丁寧な射の動作を行なうことができるための、身体の柔軟性と強さが求められます。アーチェリーが上手くなるための身体の作り方は、もはや3年前のものでも時代遅れです。5年前のものではムダが多すぎます。10年前のものでは、もはや話になりません。では、20年前や30年前の方法ではどうでしょう?語るべくもない話なのです。

    スポーツ科学の世界では、1年でも多くのことが変わっています。去年のことは昔のことと言った具合にです。骨格と筋肉のことだけをわかったつもりでいても、今では大して役に立ちません。ですから指導者は昔のことや、自分の知っている浅はかな知識を、毎年のように、かなぐり捨てなければならないのです。

    しかし、それが理解できていれば、毎年のように新たな発見があり、自分の知識をリセットするたびに、私たちが教えさせていただいてる皆さんに、スポーツの本当の素晴らしさを知っていただく事での皆さん一人一人の喜びつながるのです。

    つい最近も様々な発見がありました。キリがないので書きませんが、射の際に骨格を動揺させてしまう反射のメカニズムと、神経が伝達する場所への伝達の順序が分かっています。条件反射というとクリッカーの音を聞いてリリースすると思われているような、そんなパブロフの犬のようなスピードの遅さのものや、視認してから脳が判断するようなものではありません。すべて意識にすらのぼらない、自分でまったく感じることができないレベルの反射が、自分の身体を思い通りにコントロールできなくなってしまっているものです。力んで発射させてしまい、冷静に落ち着いて丁寧に射とうと思っても、なぜそれができなくなってしまうかまで、実によくわかります。それは心の問題ではなく、身体の問題であることもわかります。そうなってしまわないために、何を行なってはならないか、というものまであるのです。

    ですから他のアーチェリー指導施設では今でも誰もが当たり前のように行なっていることですが、けいはんなアーチェリーではそれらに関わる一連の事を絶対に行ないません。身体の中に潜在的に、その良くないメカニズムを植えつけてしまうからです。それは自分の射のプラクティスに完全に取り込まれてますし、自分で気づく方法などありません。目に見えたり感じることがありませんので、どうにもなりません。正確に当てないための反射が、矢が飛び出していくまでの短い間に、自分の身体の各部の骨格を動かしてしまうのですから、そのメカニズムが正確に働いている以上は、1日で何百射したところで、何百回も同じメカニズムを働かせてしまっているという、恐ろしい状況に陥ってしまっているのです。

    最初に正しくないことを行なってしまうと、そこで身体に覚えさせてしまったプラクティスを取り除くことが熾烈を極めることも、脳と神経の分野では分かっています。アーチェリーは正しい身体の使い方のスポーツです。アーチェリーの技術を学ぶためには、実射をする以前に脳に正しいシグナルを送らなければならないのです。

    今日から3月です。これからアーチェリーを始めようという方が、どんどん増えていく季節になりました。アーチェリーはスポーツ科学に精通した正しい指導を行う指導者から学びさえすれば、老若男女とわず、誰でも簡単に上手くなれるスポーツです。現代におけるそば打ちの技術の伝承とアーチェリーの技術の伝承のふたつの伝承方法を踏まえて、自分がどのようなスポーツ指導を受けて上達を目指すかの答えを用意しておきましょう♪

    上達のために必要な弓具たち

    2016.02.27 Saturday

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      いよいよ春本番に突入ですね。私たちのアーチェリー指導組織「けいはんなアーチェリー」では、これからアーチェリーを始めてみたいというお問い合わせが多いです。京都・大阪・奈良が交わるけいはんな地域のみならず、地域の垣根を飛び越えて全国からの問い合わせが絶えることがありません。この数年で、世界最高の取り組みを求めてらっしゃる方が増えました。本当に素晴らしいですね♪

      ■これからアーチェリーを始めようと考えている皆さんへ

      アーチェリーのレッスンにおいて、最初の頃はすぐに自分の弓を買ってはいけません。どれだけ周囲から勧められても、絶対にすぐに買ってはいけません。一生かけても扱い切れない。それを使って上手くなれないなど、結果的に大損します。

      アーチェリーの本当に正しい指導を受ける前にアーチェリーショップに行ってしまうと、良心的でないショップからは、初心者や中級者では到底扱えない、ビックリするような高額な製品を買わされてしまうのでダマされないようにして下さい。スポーツとして本来の取り組みではなく、高額なモデルを眺めながら酒を飲むような趣味の人や、買うという行為に快感を求めるコレクターのような人であれば、勧められるがままに高い製品を買えばいいのです。しかしハイエンドモデルは教材でも何でもありませんので、自分に不足している能力を弓具が助けてくれることなど一切ありません。高い買い物をした割には、費用対効果がゼロに等しい結果に陥る覚悟だけは決めておいてください。

      上級者になるまでの間は、最初の頃に購入するアーチェリー用品を一度にすべて揃えたとしても、本当は数万円で済みます。初心者に総額10万円でもビックリするほど高いのに、総額15万円や、総額25万円など、本当に有り得ない勧め方をするショップが多いです。弓具の選択で絶対に間違ってはいけないのは、自分が上達するために最高の弓具とは、最高級グレードなどではないことなのです。上級者でなければ使いこなすことができないグレードの製品を初心者や中級者が買わされてしまわないように、自分が本当に上達するまでに必要な製品がどんなグレードで、どんな価格帯のものであるかを、しっかり覚えておいて下さい。

      ちなみにこれから紹介するグレードの弓具でも、上級者と変わらないほどの高得点を叩き出すことができます。しかも競技用として最廉価の販売価格帯ではありません。もっと安い競技用モデルは、他にもいくつかあります。上級者になるまでは買いやすいグレードの製品を思う存分に使い切れるほど、自分のポテンシャルを高めていって下さい。そうでなければ、どんなに弓具にお金をかけても、ロクに当たらないアーチェリー人生を歩むことになるのです。くれぐれも、良心的でないショップの口車には乗せられないように、賢く買い物をしなければならないのです。

      ■ハンドル

      ハンドルはSFのアクシオムプラスライトがオススメです。ハンドルにマグネチックレストとプランジャーが付属してながらも、16,500円で販売されている、超お買い得な製品です。



      ですがこれですらも、最初からいきなり購入してはいけません。このような金属ハンドルを使うようになるのは、アーチェリーを始めてから数ヶ月の期間が過ぎてからになるからです。最初からこれを使うのは、ハンドルの重量が重くて身体への負担が大きいのです。そのため初心者の最初の頃のレッスンでは、身体への負担を可能なかぎり少なくするために、プラスチック製のハンドルを使います。



      本当はこれらを買って長く使えばイイのです。最初に購入するのがコレ、というのがベストです。でも買わなくても普通は指導組織やクラブではレッスン用に備品として置いています。これはローランのプラスチックハンドルですが、最初は竹を切って作った10ポンドにも満たない弱いリムや、15ポンド未満の弱いリムを装着してレッスンに使います。しかも最初の頃は素引きも実射も行わずに、取り掛けを行なわないドローイングのアプローチを学ぶために使います。このプラスチックハンドルですら、実射はレッスンを積み重ねた後に行なうものです。間違っても3ヶ月以内に20ポンドを超えるような弓を使って、ストリングを取り掛けての素引きや、実射を絶対に行ってはなりません。



      けいはんなアーチェリーでレッスンを受講されて、スポーツ医療チームの個別のリハビリとトレーニングを時間をかけてじっくり取り組んできた皆さんからの注文分が、次々と入荷してきます。このハンドルだけでもう19本も仕入れています。大人気ですね。私もこのハンドルを何度も使ってますが、高い的中性能があり、かなりの高得点を出すことができます。SFはW&Wの製造なので、機材としての性能に一切の不満はありません。十分すぎるほど当たります♪ これほどまでに、価格に見合わない性能を有したハンドルはありません。ハンドルに付属してくるマグネチックレストもプランジャーも、かなりまともなものが入っています。本当にお買い得な製品なのでウレシイですね♪

      ■リム

      最初はリムは自分のものを買う必要はありません。リムは引きの強さに応じて、弱いものから時間をかけて少しずつステップアップしていくものです。最初から30ポンドなど引けたからといって、扱えているワケではありません。たとえどれだけ引けたとしても、最初はユルユルの弱いものから使わなければ未来永劫、正しい筋肉を作用させて射の動作を行なうことなどできません。

      そのため、けいはんなアーチェリーのレッスンでは、リムを無料でお貸し出ししております。しかしアーチェリーショップでは基本的にリムはレンタルしてくれません。リムのレンタルをしているショップもありますが、レンタルが有料だったり、これまで支払ったリムのレンタル料金を相殺することで高額なリムを買うことを条件としたレンタルが横行しています。それにショップでは、アーチェリーを販売した人全員に貸し出すことができるほどのリムなど持ってません。なので正しい弓具のステップアップを果たして本当に上達を望むのであれば、最初にアーチェリーショップに行くのは間違いで、ショップに行く前にレッスン指導組織で自分の上達のために必要な用品を何を揃えるべきかを学んでおくことが大切なのです。



      あらゆる身体のサイズの方に対応できるように、最も小さなサイズはもとより、70サイズのリムまでも用意しています。昔と違って今では安くて質の高いリムが各社から発売されてますのでレッスン用の機材は豊富です。



      このSFのウッドコアのグラスリムで、1万1,500円です。このSFのプレミアムリムは廃盤になるそうですが、SFからは後継モデルが似たような価格で出てますし(日本国内のSFの代理店もショップも在庫する気がない・・・)、PSEにもW&W製のリムが安くてありますし、coreの2016年の新製品や、KAPからも安くてイイ製品がたくさんあります(これらも国内のショップではほとんど手に入らない)ので、けいはんなアーチェリーではかなりの本数のリムを揃えています。ですからレッスンを受講されてる初心者の方や上達過程にある中級者にとっては、上達に向けての練習機材に、製品の価格面での心配は何もいりません。本当に上級者になるまでは、リムはカーボンリムである必要はありません。グラスリムでも今では素晴らしい性能を有してますので、グラスよりもカーボンの方が当たるという人は、まさにトップレベルの一部の限られた人だけです。このように安いグラスリムでも、70m300点は普通に出ます。まずは30mで330点を目指しましょう。ハーフ(50m・30m)で650点までは、リムに性能は必要ありません。

      本当に上達するまでは、1セット1万円もしないリムで十分です。安いリムを、弱いリムを何本も買い替えて徐々にステップアップしていくのが本筋です。ですから上達過程にある人が、引きの弱いリムを高性能で高額なものを買うのは完全なムダ金です。これまた、良心的でないショップに、そそのかされないように注意してください。

      ■矢

      矢は、それこそ最初から買う必要などありません。ショップで矢を勧められても、断って下さい。普通はアーチェリー場や、レッスン会場に、レッスン用の矢が捨てるほど置いてあるハズです。そこで用意してある練習用の矢を、ジャンジャン使いましょう。レッスンではアーチェリー初心者の皆さんが近射しながら上達に向けて安心して使えるように、近射で矢が壊れてしまってもイイような、消耗グレードを多く常備しています。これらはレッスン費用や年会費や運営費などで賄っています。初心者の皆様が上達するための消耗品で、アーチェリーの普及と啓蒙になくてはならないものです。こんなものは、壊すような使い方をしてナンボです。備品の矢をワザと壊すような人などいないのです。備品の消耗が激しいクラブは、底辺の層が厚い証拠です。自分の矢を買うまでの扱いの不慣れな間に使いたおして、遠慮なく消耗させましょう。



      消耗グレードなので、レッスンで使うこれらの矢は、ものすごく安いです。アーチェリー指導施設であればノックは1袋100個単位で買い揃えますので、アルミ矢に接着しているプラスチノックは100個で2,000円。そう、1個20円です。シャフトはジャズであれば1ダース4,250円ですので、1本355円です。どちらも、とっても安いです。近射でポイントを壊すことはほとんどありませんので、練習で消耗させるのはこの2つくらいなものです。初心者の方がどれだけ大勢お越しになっても、近射で継ぎ矢して壊してしまうのは、多い年でも1年で4本程度です。ノックは20個程度です。レッスン受講生の皆さんに、アーチェリー体験会、ボランティアなど、これだけ多くの方々のレッスンを行なっていても、1年で2,000円もかかってません。

      近射では目を閉じて射つ、狙いを定めずに身体に意識を置いて射つなど、先に刺さった矢を避けて狙うことができないようなレッスンもありますので、備品として置いてある矢は、どんどん消耗させて上達を目指していきましょう。備品の矢を壊しても、上達に向けて練習している人に対してモンクを言う人などいるワケありませんからね♪

      矢はインスパイアやジャズなどの、ターゲットアーチェリーとしての最廉価グレードで十分です。理由は2つです。

      最初の1年は矢の扱いが不慣れなためにシャフトを曲げてしまったり、的の外を射ってしまって矢を壊してしまうこと。こういった初心者レッスン用のグレードであっても、実際に上達した時に使い続けても、周囲がビックリするほどの的中性能があるからです。余程の上級者でもなければ、グレードによるシャフトの精度の違いが、得点に関わることなどありません。

      シャフトの精度についてショップでは多くのウンチクを語ってきますが、シャフトの精度が高ければ、それで当たるのではありません。たとえ上級者であっても、自分の射の精度はシャフトの曲がり精度よりも圧倒的に劣りますので、世界で戦うトップレベルの選手でもない限り、インスパイアやジャズのグレードで十分すぎるほど当たります。シャフトの精度の違いで、中心の黄色に当たるハズの矢が外側の赤に外れるようなことは絶対にありません。

      これまでかなりの数量のインスパイアを仕入れてきました。私もレッスンでのデモンストレーションで使う自分用の矢を作りましたし、レッスン受講生の皆さんの弓と矢を実射して性能を確認してきましたが、実射でのグルーピングに差が現れるものは、これまで一度もありませんでした。



      インスパイアはカーボンですが、シャフト1ダースで3,800円と激安です。そんなビックリするような安い矢にも関わらず、どの距離でもゴールドを射抜くことができる的中能力があります。シャフトの精度の高さなんて実際に射ち比べてみると、セールストークでいかにもスゴそうなスペックを謳ってる割には、出せる得点の違いにほとんど差が出ないことがわかります。なので、よほどの上級者でもないかぎり、インスパイアよりも高い矢を使うことはムダ金にしかなりません。

      ですからけいはんなアーチェリーでは、インスパイアをどれだけ在庫していても、たちまち在庫がなくなってしまいます。あれだけ頻繁に仕入れているにも関わらず、今では慢性的な欠品状態になっています。私たちのレッスンでは、本当に人気が爆発してしまいましたね。きっと世界中で売れまくっていると思います。売れてないのは、日本のマーケットだけ。私たち以外のところでは、ほとんど使われてないという、面白い現象が起きています。売れてないのではなく、販路が仕入れることなく、売ろうとしていないのです。いったい誰のためのアーチェリーショップなのでしょうね?

      ■サイト

      サイトは最初の頃は買ってはいけません。まだ自分の射をマスターしてないうちにサイトを装着してしまうと、その瞬間に上達が止まります。狙いどころばかりが気になって、それに当てようとして、自分の身体のコントロールが完全に意識の中から抜け飛んでしまうからです。最初はアンカーやリリースなど、そういった小手先の技術は一切気にしてはなりません。骨格のポジションを正しく誘導していくための筋肉の使い方と、そのドローイングのアプローチを正しくとり行なうことができるためのストレッチ、心肺機能と持久力の高さを養うことが先なのです。

      サイトを購入する場合も、1万円を超えるようなものは必要ありません。3,000円台で、競技で十分使える性能のものがあります。



      これはカーテルの競技用サイトで、1セット3,300円です。しかしサイトは最初は買う必要はありませんので、最初の購入金額に含める必要はありません。本当に上手くなった人が新しいサイトに買い替えたとき、それをタダ同然で譲ってもらうといいでしょう。3,300円のサイトを5年も使えば、レッスンの休憩時間に自販機でジュース1本で喜んで譲ってくれますよ。そういったものを、どんどん活用させてもらいましょう。なければ買ったらいいのですが、それでも3,300円です。アーチェリー用品なんて、安いものです。

      最初の頃は弓を倒してしまってサイトを曲げたり壊したり、ネジを紛失してしまうものなのです。弓具の取り回しと取り扱いに不慣れなうちから、高額なサイトを買う必要はありません。サイトのバーの素材や性能に的中に関わる事など一切ないにも関わらず、初心者や中級者がカーボンサイトのような高級なサイトなど、本当に上手くなってから使わないと恥かしいのです。

      サイトは買うとしても、最初の数ヶ月はレッスンで必要ありません。必要なものは、その都度揃えていくのが鉄則です。正しい射をマスターすれば、サイトを装着してなくても矢は毎回同じ場所に向かって飛んでいきます。サイトという機材は、単に弓の補器であることを覚えておけば、損をすることはありません。

      ■ストリング

      レッスン過程にある人にとっては、競技用の伸びないストリングは必要ありません。まともな指導組織であれば、一人一人の弓具に対して、1本ずつダクロンのストリングを作ってもらえます。ダクロンのストリング原糸は1巻1,300円程度で、1巻でダクロン12本弦を20本程度作ることができます。サービングの糸は安いナイロンで十分です。サービングの糸こそ、よほどの上級者でもない限り、こだわる必要はありません。安いナイロンのサービングでも、70mで330点以上を出せているからです。すべての弓具において言えることですが、扱い切れない性能に溺れるよりも、扱える性能を使い切ることが100倍大切です。

      最初に渡されたストリングのサービングがほつれてきたり、ストリングが汚れてきたら、新しいストリングを作ってもらいましょう。ストリングを作るときに、ぜひ立ち合わせてもらいましょう。そしてこれまで使ってきたストリングは、自分ですべてほどいてみて、ストリングがどのようにして構成されているかを見ると、理解が深まります。ストリングをほどくと、ストリングを作った人の製作レベルがわかるようになります。みんなでそうしていると、作っている指導者はレベルの高いストリングしか作らなくなりますので、クラブ全体のレベルアップにつながります。



      ダクロンのストリングは、自分で作れば1本百数十円しかかかりません。ストリングを作る事ができるようになれば、アーチェリー用品はすべて、精密機械でも何でもなく、ひとつの道具にすぎないことがわかります。農作業で使う鍬や鎌と大して変わりません。鍬や鎌のような道具に、どれだけ高価で高性能なものが必要だというのでしょうか。アーチェリーなんて、しょせんは弓矢なのです。ショップがすり込む製品の「精度」や「性能」などのセールストークなど、どれだけ真剣に聞いたところで、原始人が狩りで使ってきた弓矢よりも当たりませんからね(笑) 原始人以下にならないためにも、自分には関係のない情報で固めて頭でっかちにならず、まともに使える身体を正しく養っていきましょう。弓を使って矢を飛ばすことができればアーチェリーなのですから。最初は弓具にお金をかけても、何の意味もありませんからね。

      まともな指導者であればストリングジグを持ってますので、作り方を教えてもらいましょう。所属しているクラブにはストリングジグくらいはあるハズなので、使わせてもらいましょう。もしもなければ、みんなで会費を捻出して1台買えばイイだけです。みんなで使えば、数ヶ月でモトは取れます。けいはんなアーチェリーでは、私が作るだけで年間250本ものストリングを作っています。ストリングはレッスン受講メンバー以外の人に作ったり、他で販売など一切行なわず、すべてレッスンで消耗させているものです。ストリングで商売をするつもりはありませんので、レッスン受講生の皆さんには、すべて無償でお渡ししています。

      ■さいごに

      他に必要なものといえば、スタンド・フィンガースリング(ボウスリング)・ストリンガー・アームガード・チェストガード・タブ・クイーバーくらいなものです。センターロッドはハンドルを購入してから半年くらいは使いませんので、あらかじめ買っておく必要などありません。

      センターロッド以外の小物類を合わせても、そこそこイイものを買っても11,000円くらいです。ハンドル(レスト・プランジャー付属)16,500円、リム1万円、ストリング150円です。リムを買うのはかなり後の話ですが、もしも最初にこれらをすべて揃えても、3万7000円くらいです。それだけあれば他に何も買い足すことなく、数年はアーチェリーができます。

      最初のリムは買わなくてもいいので、最初はリム以外のものを揃えても2万7000円くらいです。私たちが用意している無償で貸し出しているリムを何セットも順番にステップアップしていくので費用を抑えることができますし、将来的にそこから更に購入するものは、自分のセンターロッドを買って3,500円、自分用のグラスリムを買って1万1,500円、自分の矢を1ダース作ってもらって6,000円くらい。これでフルセットですよ。結果的に総額5万円もかかりません♪ ショップに行ったら、いくらの金額の見積もりを出されますか?この倍以上をふっかけられるショップが多いのではありませんか?



      本当に上手くなってきてVバーとサイドロッド2本、エクステンションを1本装着するようになっても、それら4点を合わせても8,000円くらいです。大きなバッグを持っていればアーチェリーケースを買う必要もありませんし、この画像のケースを新品で買っても6,500円くらいです。矢を収納するアローケースは300円もしません。これらで全日本アーチェリー連盟の公認競技会で優勝できるレベルのものが揃います。総額7万円ちょっとですよ。これは何年もかけて揃えてきた総額なので、一度に支払う金額ではないのです。

      アーチェリーは、他のどのスポーツに比べてもそれほどお金のかかるスポーツではありません。アーチェリーを始めたいという方にショップが異常なまでに高額な製品を勧め続けてきた結果、おかしな状態になってしまっている人が多いだけなのです。

      私たちのアーチェリー指導組織では、スポーツとして健全な取り組みとしてアーチェリーのレッスンを行なっています。高い道具を自慢しあうような人はひとりもいませんので、これからアーチェリーを取り組んでみたいという人にとっては、どんなクラブよりも安心して楽しめる場にしております。

      暖かくなっていよいよスポーツの春ですね。いつかアーチェリーを取り組んでみたかったという方は、とっても多いです。ぜひ私たちとご一緒に、世界最高レベルのスポーツ医療チームと一緒になったアーチェリー指導で、本当に素晴らしいスポーツライフを満喫しましょう♪

      アーチェリーにおけるドーピングについて

      2016.02.24 Wednesday

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        ■春霞とアレルギー

        暖かくなりました。いよいよ春ですね。春といえば花粉の季節です。私はいくつかのアレルギーもありますし、長年にわたって気管支喘息を患っています。この暖かくなる季節は、花粉・黄砂・粉塵・PM2.5などが複雑に交じり合って大変です。けいはんな地域は空気がキレイで食べ物も美味しいくて恵まれた場所ですが、花粉の襲来は避けることができません・・・

        この冬は全国各地で大雪のニュースが流れましたが、この地域は暖かかったですね。まだ2月が終わってないので、気象庁の発表を待たずに私が勝手に暖冬と決めてはいけませんが(笑)、私の喘息の具合はかなりイイ感じでした。例年なら冬の始まりとともに気管支喘息の兆候が現れてたのですが、この冬は喘息患者らしからぬ良好な体調を維持することができました。

        喘息持ちのアスリートは多いですが、カゼをひいてもインフルエンザに罹っても重症化して大変な目に遭うので、私も普段から健康管理には十分注意しています。うがい、手洗いはモチロンですが、意外に思われるのですが、近くにインフルエンザの人でもいないかぎりマスクをつけません。ランニングやロードバイクなどの有酸素運動を欠かさず行なっていることが最も大切で、心肺機能を高めて全身の血液量を多く蓄えておくことが免疫力を高め、アスリートとしての優れた生体恒常性を保つ大切な役割を果たしています。おかげでもう15年ほど、カゼもひいてません。こうした健康管理で強い身体を養うことができて、楽しいスポーツライフを支えているのを忘れてはいけません。

        しかしそうは言ってもアレルギーであれば、スギやヒノキの花粉には勝てません。ここ数年は花粉症の症状もだいぶマシですが、喘息持ちなので油断はできません。なので春恒例の抗アレルギー薬と、もしも喘息発作に見舞われた際のレスキューとなる吸入薬をもらいに、いつもお世話になっている内科の先生を受診してきました。



        最近は喘息も昔のように重症ではありませんので、薬の量も吸入の種類も少ないです。喘息発作も起こりませんので、発作の症状を和らげるための吸入は、この2年で1度も使ってないと思います。もう必要がないのかも知れませんが、消費期限が過ぎたものを大切に持っていても仕方がないので、念のために新しいのをもらっておきます。気管支炎は重症ではありませんので、今では喘息をコントロールさせるためのステロイド系の吸入はありません。

        今回処方された花粉症対策のエピナスチン錠剤は、アレジオンと同じく代表的な抗アレルギー剤です。プロカテロール吸入のメプチンエアーは、喘息発作が起きたときのお守り用に処方されてる気管支拡張剤で、ステロイドが使われてないβ(ベータ)2刺激薬です。β2刺激薬は交感神経を介してβ2受容体を刺激して、β2受容体への作用で平滑筋が弛緩するために、喘息による収縮と炎症で狭くなった気管支を広げるものです。大塚製薬が製造しているので、日本では特によく処方されている吸入です。フルタイドであればロタディスクではなくディスクヘラーであれば在庫してない処方箋薬局もありますが、メプチンを置いてない処方箋薬局は、まずありません。スポーツでポカリスウェットと言われるなら、喘息や激しく咳こむような状態の人ならメプチンです。それほど一般的に処方される吸入です。

        治療だけを考えた場合は、処方された薬を使い続ければイイのですが、アスリートが全国大会や国際大会を視野に入れた場合は、これらの薬を競技会の期間中も使い続けてイイのかどうか、みなさんはすぐにわかりますか?指導者であれば、自分が教えている相手の人が治療にどのような薬を使っていて、それを使い続けて競技に出場しても大丈夫なのか、適切な指導を行ってますか?競技で上を目指すことをしない人は関係ありませんが、ドーピングは指導者だけではなく、競技に出場する選手であれば絶対に知っておかなければならない大切なことです。仲間同士でも治療で使っていたり、カゼをひいたときの対策として常備しておく薬についても、競技者であれば本来はみんなで指摘しあえるくらいの知識が必要です。

        ■アーチェリーは呼吸と心拍のスポーツ

        ちなみに錠剤のエピナスチン(アレジオンも同じ)は禁止薬物ではありませんので、服用を続けながらドーピング検査を受けても大丈夫です。しかし吸入のメプチンエアーは、日本でかなり多く使われている吸入にも関わらず、禁止薬物リストに入っているので競技期間中は使用禁止です。競技期間中にどうしても使わなければならない理由があるなら、TUEでの事前申請で承認されなければ競技中は使うことができません。メプチンの代替の吸入がありますので、サルブタモールなどを使うことができない特別な理由があることをドクターに証明してもらえない限り(まず無理でしょう)、承認されることはありません。そのためスポーツ薬剤師の方に相談すると、メプチンの代わりにサルブタモールが処方されます。サルブタモールは骨格筋を強くすると同時に持久力を高める効果があり、禁止薬物として指定されています。しかし喘息治療としての気管支への直接吸引であれば微量なので身体への影響はなく、TUEの事前申請をしなくても競技期間中に使うことができます。以前はドーピング検査時にサルブタモール吸入を見せるだけでOKでしたが、近年は検査時に見せなくてもよくなりましたし、検査担当者に申告しなくてもよくなりました。

        メプチンにはサルブタモールのような効果を含む物質はありませんが、プロカテロールのようなβ2刺激薬自体が認められてませんので、サルブタモール・ホルモテロール・サルメテロール以外のβ2刺激薬は、TUEの事前申請で承認されない場合は使えません。メプチンのプロカテロールはβ2受容体への作用によって平滑筋が弛緩するために気管支を広げるのですが、プロカテロールは心筋のβ2受容体にまでも作用してしまいます。徹底的な有酸素運動で心肺機能を究極にまで鍛え上げたアスリートレベルの高い人は大丈夫ですが、そうでない人は不整脈や血圧低下、筋力低下などの大きな副作用をもたらすこともあります。ですから競技中にプロカテロールを吸入するような場合は、アーチェリー競技においては競技力の低下を招きます。多くのアーチェリー選手は心肺機能のレベルが低いので、逆の意味でメプチンを使わない方がイイのです。

        喘息の治療薬では使われることはありませんが、高血圧や心臓病などの治療薬の中には交感神経を遮断する効果の高い、β2遮断薬もあります。心拍の低下をもたらす効果の高い治療薬は、高揚した気持ちを静める効果が高く、手足の震えや骨格の動揺を抑えることができ、どのような緊張を強いられる場面であっても冷静沈着でいることができるので、身体の安定が必要なアーチェリーに関しては、たとえ競技期間中以外であっても、公認競技会に出場するすべての選手は、通常時の使用は絶対に認められません。意図的にそのような薬を常用したり、病気と偽って処方してもらう行為は完全に悪意のあるドーピング行為になりますので、見つかった時点で選手資格を剥奪される可能性が高いです。アーチェリー指導者であれば、アーチェリー競技では使用が認められない薬に関しては、必ず頭に叩き込んでおかなければなりませんし、選手が服用している薬について常に把握しておいてください。

        けいはんなアーチェリーでは体調管理や栄養管理、それに薬やサプリメントの効果的な使いかたを指導していますが、ドーピングについての質問も寄せられます。問い合わせフォームに寄せられる質問を読んで受け答えしていると、ドーピングについての考えかたや、ドーピングそのものについての知識が、日本のアーチェリー界でほとんど浸透していないのを感じます。指導者がドーピングに関する経験と知識が乏しく、具体的な指導を行えないのが原因なのは間違いありません。

        それでは、ドーピングについて、少し考えてみましょう。そんなに身構える必要はありません。ドーピング検査は、アーチェリー競技での弓具検査と似ています。公認競技会では競技規則で認められる範囲での弓具を使わなければなりません。しかし公認でない競技会や練習では、その射場のルールを逸脱してなければ、周囲へ危険を及ぼすものでなければ使うことができます。弓具検査が自分が競技で使う弓具の検査であれば、ドーピング検査は競技会のときに、自分の身体が競技規則に則ってるかどうかの検査です。ドーピングでの禁止薬物リストに含まれる薬物を服用してなければ大丈夫なのです。弓具検査とは違って、事前審査での承認など特例もあります。禁止薬物は何が何でもダメという世界ではないので、よく知っておきましょう。

        ■治療とドーピングの違い

        ミニ合宿でもドーピングに関する質問がありましたし、普段の問い合わせもありますので、アーチェリー選手に合った内容でドーピングについてを語ります。

        ドーピングにおける禁止薬物は、おもに3つに分類されます。

        1. 常に禁止されている物質と方法
        2. 競技会において禁止されている物質と方法
        3. 特定の競技において禁止さている物質

        ドーピングというのは禁止薬物を服用する行為だと思われてることが多いのですが、それを言葉どおりに用いるのであれば、ほとんどすべての人がドーピングをしたことがあると言っても過言ではありません。なぜなら、市販されているカゼ薬や、病院から処方された薬の中には、ほぼ高い確率で禁止薬物が含まれているからです。炎症鎮痛の注射やシップ、ニキビ治療の塗り薬や、セキ止めの貼り薬やシロップ、それに漢方薬にまでも禁止薬物が含まれていて、それらを服用することでドーピング検査に引っかかってしまう事例があります。

        多くの人が勘違いしているのは、ドーピングと呼ばれているのは、「薬物を使う=ドーピング」ではないことです。競技力の向上や競技での成績のために、使用が禁止されている薬物を積極的に摂取する行為、または禁止されている薬物の反応がドーピング検査によって検出されたことを指します。

        アスリートが病気やケガなどで治療が必要な場合や、重要な競技が開催されている期間中であっても治療のために服用しなければならない場合などは、治療が最優先となります。そのため治療上、他に代わる薬物での治療が困難であると認められた場合には、TUEでの事前申請を行い、それが認められることによって治療に必要な薬を使いながら競技会に参加することができます。しかしサルブタモールは効かずプロカテロールしか効かないというのを証明することは、現状ではかなり難しいと思います。サルブタモールを使うことでの微量なステロイドの吸引で、全身に重大なアレルギー反応が出るなどのような、よほど特殊な人でもない限り無理でしょう。それが証明されない限りは、プロカテロールを使い続けるために様々な折衝をするのが大変ですし、完全に時間のムダです。

        プロカテロールがアーチェリー競技において効果的な役割を果たすことはありませんので、喘息などの気管支に疾患を抱えている競技者であれば、プロカテロールではなくサルブタモールに慣れておいた方がイイでしょう。競技の直前になって薬を変えるというような事態は避けたいものです。海外遠征や海外出張の際にも、サルブタモールであれば世界のどこでも手に入れることができるので安心です。何よりもサルブタモールであれば、TUEでの事前申請を行なう必要がないのです。

        しかし多くの一般の病院ではアスリートのドーピングに関する知識を備えている薬剤師さんがいないので、処方された薬がドーピングに対してどうなのかを尋ねても、「?」という顔をされることが多いです。大きな病院であっても、通常の医師や薬剤師でも、ほとんど知識はありません。その場で答えられる人は、まずいません。処方箋をもらって薬局へ行った時には、指定された薬がなくて他の代わりの薬を出してもらうときに、その薬がドーピングに対してどうなのかを薬局の薬剤師さんに聞いたら、それこそビックリされてしまいます。街のドラッグストアでは、まずムリです。そのため指導を受け持つ生徒から服用する薬について尋ねられたときに慌てないように、指導者が知っておかなければならないのです。

        ドーピングという言葉は誰でも聞いたことがあるでしょうに、ドーピングへの対応の仕方をほとんどの人が知らないという、困った状態にありますね。ドーピング対策というと薬物が体外に排出されるまでの時間のことや、物質の半減期についての知識ではありません(笑)けいはんなアーチェリーはスポーツ医療チームと一体となった指導を行ってますので、ドーピングに関わる薬に関して的確にアドバイスができるので心配いりません。しかし普通はそうではないと思います。ですから、スポーツ指導に携わる立場の人間がドーピングに関して精通しておかなければ、ドーピングに対する知識は広がっていかず、誤った言葉の理解のされかたが、一人歩きしてしまいます。



        身体に病気や疾患を抱えているのであれば、スポーツを行なうよりも治療が優先であり、本来は競技への参加よりも治療に専念しなければなりません。しかしながら治療を行ないながら日常生活に支障をきたさず、通常の人と同じように競技を続行できるような病気や疾患の場合は、治療に必要な内服薬や外用薬を使いながら競技を行なう場合もあります。

        しかし注意しなければならないのは、禁止薬物が含まれている治療薬はあまりにも多く、病院で当たり前のように処方される薬や、治療の際の痛み止め、街のドラッグストアで手に入る薬の多くは、ドーピング検査が行なわれる競技の期間中は使えないものが多いからです。ここに写っているセキ止めのツロブテロール(ホクナリンテープ)という貼り薬のテープは、肩や背中に貼る小さな小さなシートですが、禁止薬物なのでドーピング検査のある競技期間中は使ってはいけません。使用が禁止されているので、知らなかったでは済まされません。

        全日本アーチェリー連盟競技規則には、WAドーピング防止規則とJADAドーピング防止規程に従うという記述がありますし、競技規則の中のドーピング防止規則については、未成年者を含む参加者は競技に参加することにより本規則を承諾し遵守するものと見なされると、はっきり書かれています。読んでないとか知らないでは済まされません。スポーツの世界では、アスリートが競技中に禁止薬物を使うと競技資格の剥奪や停止処分を意味します。知らぬは罪なのです。

        TUEでの事前申請で承認された場合や、画像に写っているフルタイド吸引のような、ステロイドの粉末を直接吸引するような製品であっても、事前申請が必要ない薬であれば問題ありません。しかしながらこのステロイド粉末を吸引せずに吸引器から取り出して大量に飲み込んだような場合は、検査でステロイド陽性反応が出ても知りません。絶対に用法を守って使わなければなりません。正しく使えば、ドーピング検査でビクビクすることもありません。ドーピングというよりも、クスリとの正しい接しかたを知っておくことが大切です。

        喘息の場合はTUE申請をせずにβ2刺激薬が検出されてもそんなに重たい処分ではありませんが、他の病気で処方される薬では、2年間の資格停止の制裁を受ける場合もあります。しかし多くの場合はTUEでの事前申請をしていれば、承認されるまたは違う薬に変えることで避けられたハズの制裁も多いのです。

        ■悪意のない うっかりドーピングが多い

        このように普段から治療で薬を処方されている人や、スポーツ薬剤師との関わりがある人、ドーピングに関する知識に精通した本物の指導者の下での指導を受けている人であればドーピングに関する知識があると思いますが、そうでない人は特に注意が必要です。自分の治療に関わる薬が、どのような薬であるかを知っておかなければ、自分が参加する大きな競技会で上位入賞した場合は、ドーピング検査の結果によっては、競技資格の停止など、厳しい処分が下されてしまうからです。検査の結果ではほとんどイイワケが認められず、結果がすべてとばかりに判定されてしまいます。スポーツにもよりますが、陽性でなくても疑いをかけられて監視対象者になってしまうと、エライ目にあいます。心が折れて、競技人生をやめてしまう人もいます・・・

        日本では競技者が、自分の競技力向上のためにわざわざ禁止薬物を摂取するという選手はほとんどおらず、ドーピングでの禁止薬物が陽性と出た人のほとんどが、競技会直前で体調不良などによる市販薬を飲んだことによる、本人も周囲も悪意のない、うっかりドーピングです。コーチや指導者がドラッグストアで買ってきて、禁止薬物を飲ませてしまうことがあります。指導者のレベルが低いせいで、そんなことが実際に起きています。

        アーチェリーの場合は他のスポーツのように過度に身体を酷使しませんから、薬物を使って急速に回復をさせたり、筋肉の修復を薬物に頼るようなことはまずありません。注意しなければならないのは、肩などに故障を抱えている選手が、整形外科で痛み止めの注射を打ちながら競技に臨むような場合です。局所注射なので分量に問題はないハズですが、念には念を入れて、代謝のスケジュールを担当医と計画を立てて競技に臨む必要があります。というよりも、激しいスポーツでもないのに身体に故障を抱えている時点でスポーツとしての取り組みが間違っているので、トップレベルを目指していたとしても、そこから先の選手生命を長く続けることはできません。

        それよりもドーピングが恐ろしいのは、選手が遠征先のコンビニや街のドラッグストアで買ったカゼ薬を飲んで競技に参加して、何とか入賞を果たしてドーピング検査に呼ばれ、禁止薬物が陽性と出てしまうことです。これは選手がドーピングに関して無知であることが問題ですが、指導者が体調不良の選手に対して、競技期間中に飲んでもいい市販薬と、絶対に飲んではいけない市販薬についての指導を行っていないことが最大の原因です。たとえ市販薬であったとしても、買う前に指導者に相談しなければなりませんし、買ってきたとしても飲む直前には指導者がその薬を実際に確認するという念の入れようでなければ、選手を悲しみのどん底へ突き落とします。

        ■カゼ薬も漢方薬も禁止薬物だらけ・・・

        日本のアーチェリー界もそうですが、多くのスポーツではまだまだドーピングコントロールについて徹底しておらず、いくつかの他のスポーツ競技団体のように、具体的なものが何も示されてません。他のスポーツの競技団体では禁止薬物が含まれた製品を商品名まで挙げて明確にしているところもありますので、まさに10年遅れているという感じです。

        テレビCMが流れていたり、誰もが知っているような名前で、気軽に手に入る薬を飲んでドーピング検査に引っかかるのは最悪です。なぜなら、CMや電車の吊り広告などで見た事があるような、誰もが名前もパッケージも知っている薬を、コンビニやドラッグストアの棚から手に取ってしまう可能性が高いからです。しかし効果の高い薬の多くには、ドーピングの禁止薬物が含まれていると思って下さい。カゼ薬というのはカゼを治す薬ではなく、カゼによる諸症状を和らげるための薬だからです。薬が身体のなかでどのようにして働きかけて症状を和らげたり抑えているかのメカニズムを理解していれば、カゼ薬にどうして禁止薬物が使われているかがわかるハズです。禁止薬物の陽性反応が出ると、これまで競技に奉げてきた努力と時間がすべてパーになるだけではなく、その後の人生にも大きな影響を引きずります。そうならないためにも、選手も指導者も、身近な薬に対する知識を備えておかなければなりません。指導者であれば、薬の作用の仕組みについても正しく勉強しておいてください。

        競技での遠征先で、栄養ドリンクや滋養ドリングが差し入れされることもありますし、カゼをひいたらカゼ薬を飲んでしまうものです。中には精力剤のようなものを、半ば笑いのネタのように持ち込むような人もいます。しかし禁止薬物が含まれてるものを競技会場で飲んでしまったら、上位入賞した場合はその競技会場でのドーピング検査に引っかかってしまっています。抜き打ち検査対象の選手であればカゼ薬の成分が検出されても特に大きな問題にはなりませんが、上位入賞者であれば弁明が大変で、資格停止3ヶ月処分を食らいます。資格停止期間中は、チームでの遠征やチームとしての練習にも参加することができなくなります。そこで禁止薬物が含まれている代表的な薬の一部を、ここに少しだけ紹介したいと思います。

        ベンザブロック、エスタックイブ、エスタック『エスキャップ』、コンタック総合感冒薬、コンタック600EX、新コルゲンコーワ鼻内ソフトカプセル、コルゲンコーワET、新コルゲンコーワホワイトカプセル、コルゲンコーワ顆粒、ジキニンC、新かぜコールド顆粒、ルルかぜ内服液、ルル、新ルルA錠、スカイナー感冒薬、ダン、パブロン、  パブロンS、パブロンG、パブロンゴールド錠、パブロン鼻炎カプセルL、プレナール風邪錠、プレナール持続性カプセル、 アクラス鼻炎内服液、オキソ鼻炎カプセル、ベンザエースカプセル、山之内感冒錠、アスゲン新感冒錠、エスタック顆粒、カコナール、新コフチン液、セピーカプセル、改源、カイゲン感冒カプセル、葛根湯、桂麻各半湯、小青竜湯、麻黄ブシ細辛湯、麻黄湯、固形浅田飴クール、などなど。あまり有名でないものを含めると、もう書ききれないほどあります。毎年のように各社から新製品が出たり、商品名が変わったりするのと、年によっては禁止薬物から外れたり、新たにリストに加わったりするので、指導者は常にチェックしておかなければなりません。

        これらの名前を、ひとつも聞いたことがないと言う人は、まずいないと思います。カゼをひいたら飲んだことがある人も多いでしょう。私は10数年カゼをひいてませんが、ここに並べただけでも、半分以上は知っている薬です。多くの家に置いてあるカゼ薬には、ドーピングでの禁止薬物が入っていると思わなければなりません。こうして見てみると、漢方薬だろうが何だろうが、禁止薬物だらけだというのがわかります。禁止薬物が含まれてないカゼ薬の方が少ないのです。ドラッグストアの棚は、禁止薬物だらけなのです。ですから指導している選手が競技会で遠征している最中に体調を崩してしまった場合は、帯同している指導者の、ドーピングに対する薬の知識が不可欠なのです。

        何度も言うが、全日本アーチェリー連盟競技規則には、WAドーピング防止規則とJADAドーピング防止規程に従うと実際に書かれているのだ。自分が指導者だと思っているのであれば、知らなかったなどとイイワケできません。知らぬは罪なのです。

        ■サプリメントは 特に注意が必要

        スポーツとして正しい指導を受けて取り組んでいれば、トレーニングや練習によって体重が減少してしまいます。そのため栄養指導とトレーニングは切り離せない関係にあり、食事の内容を変更したり量を増やしたり、理由があって食事の量を増やせないような場合はプロテインなどのサプリメントを摂って補います。

        しかし海外通販や個人輸入、ネット通販などで販売されているものや、筋肉増強やパワーアップ効果など、いかにもスゴそうな効果についての文言が書かれている製品は、禁止薬物が含まれているものが多いです。脂肪燃焼や痩身効果を謳うサプリメントは要注意です。ラベルや成分に書かれてなくても、禁止薬物が入っていることが多いです。恐らく短期的に効果を体感させて、リピートを促すためだと思います。

        しかしこれらの効果を謳う海外輸入のサプリメントの禁止薬物の成分は、蛋白同化ホルモンやエフェドリン、利尿剤などが検出されることがあります。これらの成分がドーピング検査で検出されてしまうと、2年間の資格停止の制裁を受けることになってしまいます。



        ドーピング検査があるスポーツ競技での使用実績のあるサプリメントであれば大丈夫だと思いますが、日本アンチドーピング機構の公式認定商品であれば、このような認証マークがついていますので、こういった安全な製品を選びましょう。これは明治ザバスのタイプ3エンデュランスの認証マークです。ドーピングに関する禁止薬物の可能性にビクビクしながら海外製のサプリメントを摂るリスクを負わなくても、日本国内で安全で良質なプロテインが手に入りますので、これから買うのであれば、認証マークのある製品を選んで下さい。

        サプリメントはあくまで食品なので、運動の質や運動量に変化がないのに何かを摂取したからといって、身体に効果的な影響を及ぼすことなどありません。しかし海外のサプリメントを摂取して身体に感じるものがあった場合は、禁止薬物による影響を疑ったほうがイイでしょうね。そんな急激な効果をもたらすような食品は、通常ではありえないからです。

        自分の身体は自分が食べたものでできているので、自分が口にするものは信頼のおけるサプリメントを選んで下さい。というよりも、朝食がパンとコーヒーとサプリメントいう状態では、どうしようもありません。まずはアスリートとして最適な食生活を送って下さい。近年は普通の食生活が「普通」とは呼べないようなバランスの悪い食生活になっていて、最悪な朝食になっている人ばかりです・・・

        ちなみに太っている人が食事の質を変えずにプロテインを摂取すると、なおさら太ります。そもそもが栄養過多な上に、代謝が非常に悪い身体になっているのです。運動量が多くて練習やトレーニングによって体重が減少傾向にあるアーチェリー選手にしか、プロテインの効果はないと思って間違いありません。1日で何百射しても、アーチェリーは身体の同じ部分を繰り返し使っている割には、全体の運動量は全然大したことがありません。アスリートと思えないような、みっともない身体つきをしている人も多いですが、男性であれば体脂肪率が20%を超える身体はアスリートとしては異常です。そうなってしまわないためにも正しい栄養指導を受けて、ランニングなどの有酸素運動をしっかりと行って、心肺機能の高い血液量の多い、アスリートとして正しく身体づくりを行なって下さい。すべてテキトーとか我流ではいけません。正しいアーチェリー指導を受けていれば、アスリートとして格好イイ身体であるハズなのです。お腹が突き出た指導者など論外です・・・

        薬物やサプリに関しては、効果や効能に関する問い合わせがあります。しかしアスリートして完成された理想的な、究極の身体を作ることができてなければ、何を摂取しても身体には何も起こりません。むしろ、自分の身体でのムリやムダをなくしてしまわなければなりません。夜にビールを飲むのをやめる、しっかり睡眠して休息する、夜型生活を朝型生活に変える、アスリートとしての正しい食生活を送る、体組成の管理を行なう、毎日欠かさずランニングとストレッチを行なうなど、誰でもできることをやろうともしない人にとっては、薬も何も効果はないのです。

        というか、練習が終わったあとのビールが楽しみというようでは、薬やサプリメントがどうこうよりも、お酒を飲まなければ気が済まないという、その良くないマインドを叩きなおすことから始めなければならないのです。お酒ではなくとも、食事の量や、お菓子の量についても同じことが言えます。好きなものを好きなだけ食べたり飲んだりしてもイイのは、どれだけ食べてもどれだけ飲んでも変わらない体型を維持できるだけの、完全な身体作りを終えてからの楽しみにとっておきましょう♪

        趣味の人は好きにすればイイのですが、選手であれば身体づくりと同時に、自分が食べたものが自分の身体をどのようにして作っているのか、自分にとって過剰な栄養素は何か、足りない栄養素が何かを知っておきましょう。そして薬が自分の身体にどのような方法で作用して効果があるのかをしっかりと学んで、本当に正しいアスリートの道を歩んでいきましょう。

        ■もう春なのに本当に大丈夫?

        いよいよ春です。そんなこと言われなくても理解していると信じたい思いはありますが、春になってアタマもカラダも昨シーズンに比べて進歩してなければ、去年までと同じことをダラダラ続けることにしかなりません。それはスポーツだけではなく、仕事も勉強も同じです。貴重なオフシーズンの間に、何ができるようになりましたか?選手は選手として、指導者は指導者として考えてみて下さい。

        自分が決めた目標に向かって、いつまでにどれだけの事ができるようになるかに尽きます。あらゆる分野にわたるそれぞれの目標に向けて、自分の成長という題材を、着実に仕上げていかなければなりません。それは選手も指導者も同じです。桜が咲く頃になったらシーズンインです、シーズンインしたら、もうイイワケできませんからね(笑)

        指導者であれば、このオフシーズンの間に勉強をしてこなかったイイワケはできませんよ。春になってメッキがはがれるとか、ボロが出るとか、あり得ないのです。毎年更新される薬に関する情報を、自分が指導している大切な受講生ひとりひとりのために、必死になって学び続けてきたハズなのです。ここに書かれている禁止薬物が、市販されているどの薬なのかを調べるのは大変だと思いますが、尋ねられたことに答えることができるのが指導者としての役割です。指導者であればしっかりと勉強しておいて下さい♪

        2016年1月 世界アンチ・ドーピング規定 禁止表国際基準

        日本体育協会 アンチ・ドーピング 使用可能リスト

         

        オフシーズン終盤のレッスン

        2016.02.21 Sunday

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          この土日は、けいはんなアーチェリーのミニ合宿でした。



          土曜日はスポーツ医療チームのレッスンでしたので、個別のリハビリと、トレーニングでした。スポーツ理学療法士の先生がマンツーマンで、一人一人の身体の状態に合わせた素晴らしい内容のレッスンです。受講生の皆さんは、回を重ねるたびに身体の状態が良くなっていくのが嬉しいですね♪

          春は目前。オフシーズン終盤ですので、今回お越し下さった3人のスポーツ医療チームの先生方の指導は、いつもに増して丁寧さに磨きがかかっているように感じます。オフシーズンを設定せずにダラダラと実射を繰り返している人が多いですが、それでは次のシーズンを棒に振る結果に終わります。しかしこうしてオフシーズンの間に正しい身体の使いかたをマスターして、スポーツ医療チームの指導を受けてリハビリとトレーニングで身体を作り上げていくことができれば、春からは思う存分自分のパフォーマンスを発揮させることができるのです。

          日曜日はトレーニングと、実射での確認作業です。



          今日は2月とは思えない暖かさでしたね。日中は暖かいので、日差しに包まれているあいだは1枚脱いだほどでした。これからは暖かい日と寒い日が繰り返し訪れるますので、体調管理には十分注意が必要です。

          春から入会されてるメンバーの皆さんは、これまで世界トップクラスのスポーツ医療チームと一緒になって、世界最高のスポーツ科学トレーニングの取り組みを続けてきました。実射がメインのレッスンではありませんので、レッスンの中に占める実射のウエイトは、非常に少ないものになっています。ほとんどが個別の身体の状態に合わせたリハビリ・ストレッチ・トレーニングです。



          実射よりもリハビリとトレーニングがメインですが、受講生の方がこのように実際に的に向かってみると、指導している私がビックリするほど当てています。この的を射っているお二人の方は、お一人は春からご入会された、まだ一年未満の初心者の方。もうお一人は6月からご入会された方です。この矢はアルミのトリビュートと、カーボンのインスパイアです。どちらも初心者用のレッスンに使う、ターゲットアーチェリー用の最も安い価格帯の矢です。横風もありましたが、良く当たっています。矢が壊れますよ(笑)



          しつこいようですが、射っているのは私ではありません。レッスン受講生の初心者の皆さんです。矢を壊しそうなほど当ててますが、精度が高い高額な矢ではありません。トリビュートという廉価グレードで、ジャズと同じXX75アルミ矢です。リムは貸し出ししているPSEのグラスリム(サミットG2 ※現価格9,500円)、スタビライザーはセンターロッド1本のみを装着(カーテルのマクシオン ※3,500円)、ストリングは初心者練習用のダクロン(前回のレッスンでご自分で作られたもの ※原糸・サービング糸代金1本分で100数十円)です。よく当たってらっしゃいますね。当たる弓具に、大してお金はかかりません♪ 扱いやすさこそが、的中を決めるのです。

          身体の使い方は完璧です。実に素晴らしいです。トリビュートを使ってこれだけ当て続けることができるのは見事です。高い矢を使ってこれよりも当てることができないのは、はっきり言って情けないし、恥かしいですよ。自分がどんなアーチェリーの取り組みを行ってきたかを、真剣に考えるべきでしょうね。勘違いしている人が多いですが、ひたすら頑張って実射を続けてきたというのは、「取り組み」などではありません(苦笑)

          いつも言ってることだが、当たる当たらないは、道具じゃない。自分の身体という素材を完璧に仕上げることができなければ、どんな精度の高い弓具でも、どんな高額な弓具でも、扱えるスタートラインにすら立つことができないと言い続けているが、入会メンバー以外には、正しく理解できている人がほとんどいなくて面白い。その証拠に、ロクに扱えもしないクセに、高価な製品を欲しがる。それを使って、いったい何点出せているのですか?

          弓具を扱うのが人間である以上は、その扱う人間の性能を高めないかぎりは、弓具に金をかけるのはムダ金にしかなりません。自分の身体に投資をするのが最優先です。普通の理解力であれば費用対効果をマジメに考えたらわかりそうなものだが、エネルギーの経済性を理解できてないから、アーチェリーにおける正しい身体の使い方を知ろうとしないし、理論的に効率的に上達できる方法を学ぼうとしない。今の自分にとって、上達するために必要な適切な弓具のグレードを選べない、自分に不適切な高額な弓具を買わされて喜んでいる。喜ぶのは、ちゃんと当たってからにしてください。高額な弓具を買うことで、それを勧めたショップに最高の喜びを与えるという結果にしかならないのです。

          もう春ですよ。競技会の予定が迫ってきた人も多いでしょう。初心者の皆さんには関係ありませんが、経験者であれば、この大切なオフシーズンに何をやってきたのですか?トリビュートを使った、6月から入会された方と勝負して、これまで何年もアーチェリーをしてきた経験者が負けるなんて、有り得ないことだと信じていたいものです♪

          アーチェリーなんて、実にカンタンなスポーツなんです。数年やって上手くなれないのは、あなたの身体を正しく見ることができない人が教えていたのは間違いありません。

          春に向けて、けいはんなアーチェリーへの入会申し込みのお問い合わせが増えてきました。この春は入会のお申し込みを受け付けております。とても初心者とは呼べないという存在になるのは、どんなスポーツの世界であっても痛快の極みです。私たちの指導組織で、正しい身体の使い方を骨格と筋肉の専門家から学んでマスターできれば、どうやっても当たりますし、何を使っても当たるのです。

          いよいよスポーツの春です。

          この春からは最高のアーチェリーができるように、世界最高レベルのスポーツ医療チームと一緒になって思いっきり楽しみましょう♪

          アーチェリー体験会

          2016.02.14 Sunday

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            2月14日のバレンタインデーは、けいはんなアーチェリー主催のアーチェリー体験会でした。



            年齢性別を問わず、アーチェリーを始めてみたかったという方々がお越し下さいました。



            レッスンではなく体験会ですので、それほどガッツリと本格的なレッスンを行なうワケではありません。体験会ですので実射も楽しんでいただきますが、他の指導施設のようにいきなりバンバン実射をするようなことはありません。最初からそんなことを行なうと、すべてが台無しになります。

            正確な射ができるようになるためのプラクティスが先決です。ですから、まずいきなり射つということはしません。アーチェリーの体験会ですので実射を楽しんでいただきますが、実射をしていただくまでの多くの時間を、プラクティス取り込みのために行ないます。ゴムチューブでの素引きやシャドーシューティングには正しいプラクティスのためには意味がなく、ドローイングのアプローチのために誤った身体の使い方をしてしまう可能性が高いので、絶対に行ないません。ゴムチューブは素引きやシャドーシューティングには使わず、骨格のポジションを正確にするためのトレーニングに使います。

            アーチェリーにおける正しい身体の使い方をマスターしていただくために、遊びに近いような様々なトレーニングを、各種のトレーニング用品を使って行ないます。ご自分の今の身体の状態を正確に知ることができますので、アーチェリーの実射以上に楽しんでいただけたと思います。アーチェリーの実射もさることながら、これらのトレーニングにハマってる様子でしたね♪ 皆さん、ヒマさえあればチャレンジされてましたね。素晴らしいことです。

            アーチェリーの射に必要な骨格各部の動作は、完全に脳トレの領域です。私たちは最先端のスポーツ科学に基づいてレッスンを行ないます。そのため今回のような気軽にアーチェリーに触れることができる体験会であっても、完全にムダに終わる実射だけがメインの体験会などには絶対にいたしません。まず最初に脳の運動野を活発にさせ、神経系を発達させるための各種プラクティスを行ない、身体の各部を完全にコントロールできるようにします。その状況を作り出してはじめて実射を体験していただきます。

            ですので、いきなり最初から正しい身体の使い方ができるようになります。そのため実射の行為よりも先に行わなければならない様々なことを、正確な手順で行なわなければならないのです。これらが正しく行なわれてない場合は、後からどんな筋トレをしても意味のないものになります。プラクティスよりも後につけた筋肉が、ドローイングのアプローチの際に働くことのない、実にムダな筋肉にしかなりませんので、筋トレよりも神経伝達系の開発が最優先なのです。

            こうして正しい手順で学ぶことができて、アーチェリーの弓の力を筋肉ではなく骨格で正しく支えることができるようになれば、生まれて初めてのアーチェリー体験の最初の1射から、今回お越しになられた皆さんのように、正しい骨格のポジションで正確に射つことができます。アーチェリーなんて、実に簡単なスポーツです。その順番さえ正しければイイだけなのです。どのようにして得たプラクティスによってドローイングのアプローチを正確にするかを決定づけますので、実射をさせながら骨格のポジションを修正するようなものでは完全に手遅れなのです。正しい指導を受けていれば、正しい身体の使い方しかできない身体になるのです。最初に誰から何を学んだかが、自分のアーチェリー人生を決定づけます。アーチェリーが上手くならないのは、自分にアーチェリーを教えた人の指導のレベルの低さが最大の原因です。

            アーチェリー体験会でこれまで多用されていた風船割りについてですが、アーチェリー初体験の方にとっては身体への反射としての悪影響をもたらす部分が多いということがわかってますので、けいはんなアーチェリーでは今ではアーチェリー体験会での風船への射をやめています。風船割りのイベントを行なうとすれば、ある程度の上達をみせた、脱初心者状態にあるときに行なうほうがイイですね。最新のスポーツ科学を学んでいると、身体への影響についての様々な情報が常に刷新されていきます。何でもなさそうなものでも決してバカにできませんので、指導者としての学習に終わりはありません。

            春一番だそうですね。これからますます暖かくなって、いよいよ楽しみなスポーツの春に突入ですね! 次の土曜日はスポーツ医療チームのレッスンです。アーチェリーはレベルの高い指導者の指導を受けなければ、ほとんど上手くなれません。我流やテキトーな指導を受けているのでは、レベルアップは一切望めません。私たちの世界最高レベルのスポーツ医療チームと一体となったレッスンで、一人一人の身体の状態に合わせたリハビリとトレーニングのプログラムを受けて、ラクして楽しくアーチェリーのレベルアップを果たしていきましょう♪