本当の事をダレも知らない 激安カーボン矢の的中性能

2015.08.12 Wednesday

0

    今回は、問い合わせフォームで質問の多い、矢についてです。

    シャフトには様々な精度、様々な価格帯の製品があります。ポイント・ノック・羽根もそうです。はっきり言って、どれを選んだらいいか、一部の上級者ですら、「知ってるつもり」状態の人がいます。中級者や初心者であれば、わかってなくて当然です。ショップの人間ですら、表向きの事しか言えない人が多いです。そのため、わからないのをイイことに、良心的でないショップから「超」高級な矢を買わされてしまいます。

    使えば当然のようにわかる事ですが、高い矢を使えば、高得点が出せるようになるのではありません。矢を発射しているのは自分自身の行為であり、自分が行う正確な射の動作が、毎回の的中(得点)という結果をもたらしているのです。あなたが正確な射を行ったとき、視認しているサイトピンの先に矢が的中する。その再現性の高い射を繰り返すことができる。それがアーチェリーです。

    シャフト精度やシャフトの軽さ、そして初速などの、数字としてのスペックがすべてのように語られてますが、アーチェリーで自分にとって大切な数字とは、自分が試合で実際に叩き出すことができる「得点」という数字だけです。実はターゲットアーチェリー用として販売されているすべての矢は、70m先の的の黄色にすべてが刺さる性能を持っています。どこに飛んで行くかわならないような、そんなアブナイものはターゲットアーチェリー用の製品としては、まず販売されてません。

    ネダンが高いから当る、安いのは当らない、というものでは決してないのです。高い矢と安い矢。上級者でない人であれば、どっちを買うのが得することができるでしょうか?というか、すでにあなたが高い矢を使っているのであれば、上級者を追い込むほどに普段から当てることができてるのでしょうか?

    一流選手でもない中級者が、超一流選手と同じ矢を使うと、ほぼ高い確率で上達が止まります。それはまた別の機会に紹介するとして、今回はシャフト1ダースが3800円というオドロキの低価格で売られている、イーストンのカーボン矢の新製品「インスパイア」を製作して、実射テストをしてみます。

    ■初心者練習用のアルミ矢よりも安いカーボン矢「インスパイア」



    ターゲットアーチェリーで使われる矢の種類は、多岐にわたります。上級者には上級者用、中級者にはレスポンスが低くて扱いがマイルドな中級者用、初心者には地面を滑走させたり的外を射って何本も壊してしまうことが前提の初心者用など、実にいろいろです。

    矢を選ぶときに注意しなければならないのは、自分のレベルに見合ったグレードのシャフトを選ぶことが大切です。50mで300点も出せないうちは、シャフト本体が非常に軽量なオールカーボンシャフトや、シャフトが肉薄なものを使うことはオススメできません。

    それに、矢は完全なる消耗品です。高得点を叩き出す上級者でもないかぎり、上達過程にある中級者以下のレベルであれば、こんな練習用の消耗品にムダにお金をかけるべきではありません。シャフト1ダース4万円近い矢を、当たりもしないのに恐る恐る使うよりも、1ダース4千円もしないシャフトを、継ぎ矢で壊しまくる方が格好イイのです♪



    インスパイアに精度の表記はありませんが、実際にこの矢を製作してみてすぐに、素晴らしい事実に気がつきます。上位機種を使っている人が困るので、製品についての詳細を書くのはやめときましょう(笑)

    矢の製作はショップ任せにするのではなく、指導者から教わりながら自分の矢を作りましょう。シャフトカッターとストリングジグを持ってないレベルの指導者は完全に論外ですが、慣れないうちはシャフトのカットは指導者が(頼まれなくても)喜んでやってくれるはずです。

    ショップによってはシャフトカットにビックリするような工賃がかかるところもあります。通販で買うときに依頼しても同様です。矢をショップで何度か作っているうちにアローカッターを買うくらいの費用がかかりますので、アローカッターは、仲のいいグループやクラブ内でお金を出し合って買ってもいいでしょうね。そのような場合は、カッターの刃だけは、各自が自分のものを使うようにすると、「刃が割れた」とか、「割れた刃を弁償して」というようなトラブルになりません。アローカッターを個人で持っている人がいれば使わせてもらって、その人に新しいカッターの刃をプレゼントしてあげると喜ばれますよ。

    ※ACEを買う事を考えたら、インスパイアとの差額で1人が1台、アローカッターを買えてしまうのですけどね・・・(苦笑)



    ポイントは亜鉛製の鋳造です。表面に保護材のようなオイルのようなものが付いた状態で袋に入ってますので、装着前にポイントを脱脂します。特にインサート部分を丁寧に脱脂してください。シャフトの内側も同じように丁寧に脱脂してから、ホットメルトで接着します。



    ノックを装着して、羽根を貼ったら完成です。羽根は100枚で1300円の、初心者用のゴム羽根です。安定して高得点が出せるようになるまでは、軽量なフィルムヴェインよりも、このように少し重たいゴム羽根の方が扱いがラクでオススメです。

    ■インスパイアの実射テストの模様



    私が射つために自分用の弓具を引っぱり出してくるのは、月に1回あるかないかで、実に久しぶりです(笑)



    30mで3射して大まかな調整をしたら、70mで6射してみます。ポイントが軽いので的の上部に的中しています。この日は横風が強くて横長なグルーピングを見せてますが、シャフト自体に重量があるためにそんなに大きな流れはありません。的面での的中に上下幅がほとんど出てませんので、精度表記がされてないにも関わらずシャフトの精度はまったく問題がなく、横風によるエイミングのズレと、飛翔中の矢が実際に横風を受ける以外の影響がない事がわかります。

    的中位置がわかったので、サイトを上に調整して射ってみましょう。プランジャーとサイトの調整機能を一切イジらずに、9射連続で射ってみます。



    このように、ほぼ同じ場所にグルーピングしています。シャフトやポイントの精度低さで、特定の矢が狙いを外してしまう事はありませんでした。というよりも、この回のグルーピングの小ささに、モンクの付けようはありません(笑)

    あとはサイトか、プランジャーの調整でOKです。私はプランジャーのスプリングを少し弱めて調整を完了させました。これが、精度の表記すらしていない、1ダース3800円のシャフトと、ポイント1ダース1000円という、激安カーボン矢の的中能力です。

    この安いインスパイアのネダン10倍の矢を使っている人も多いですが、X10やACEを使ってる人は、ちゃんとグルーピングさせることができてますか?(笑)

    ■得点は?

    こうしてカンタンに調整を終えたら、それぞれの距離で36射ずつ実射してみます。気温は26度で曇り空でしたが、この日は横風が強くて実射テストにはピッタリでした。風が強いときはシューターが風を受けて翻弄されると同時に、飛翔時の矢の横風の影響をチェックできるので、条件が整っている時よりもいい実射データが取れるものです。



    シャフト イーストン インスパイア
    スパイン 750
    ポイント インスパイア純正ワンピースポイント50グレイン
    ノック イーストン GノックSサイズ
    ヴェイン AAE エリート(初心者用ゴム羽根)16サイズ
    アローレングス 25インチ
    実質ポンド 39ポンド



    70m 307点



    50m 312点



    30m 344点

    どの距離も、普通によく当ります。50m・30m(ハーフラウンド)合計してみると、656点が出ています。ACEやVAPのV1グレードとも、出せる得点に違いはありません。シャフトの精度が高くないことが、強い横風を受けて何らかのマイナスを及ぼすようなこともありません。私は今では人に教えることが中心なので、実射するのは指導の際のデモンストレーション程度です。年間の総実射数は400射にもなりません。月に2回でもちゃんと練習すれば、こんなに安いインスパイアでも、50m・30mで670点程度の得点は出せるようになると思います。



    亜鉛製でいぶし銀のような色合いだったポイントは、射ってるうちに表面が磨かれてピカピカに輝くようになってきました。亜鉛の鋳物なので競技用として耐久性が高いわけではないと思いますが、何ら問題はなく普通に使えると思います。

    ■日を改めて再度の実射

    はい、それでは翌週です。得点は採点しませんが、70mと50mを数回ずつ射ってみました。大まかなチューニング後に煮詰めなおして、再度実射チェックです。

    70m



    まぁソコソコ当ります。チューニングしながら射ってた先週よりも、ゴールドに的中するようになってきました。

    50m



    この時だけなのかも知れませんが、この回は驚異的に当たりました。20年もむかしの現役時代を思い出したかのようです。まるで30mを射ってるようなグルーピングですが、これは50mの実射風景です。※私の50mでの試合最高記録は338点です。練習での最高得点も同じく338点です。(もちろんリカーブです。コンパウンドではありません) ※このあと30mを少し射ちましたが、この時の50mの方が当たってた・・・(苦笑)

    まぁ、何にせよ、インスパイアはちゃんと当たる、イイ矢ですね。製品として完璧だとか、ACEやX10それにVAPのV1グレードよりもクオリティーが高いと言ってるわけではありません。シャフト1ダース4千円もしない割には粗悪品でも何でもなく、驚異的な的中能力があるのです。全国大会で上位を狙う上級者でもなければ、本当にインスパイアで十分ですよ♪

    初心者や中級者にムダに高額な矢を買わせる風潮にありますが、そのことがアーチェリー人口の増加を妨げる一因になっているのは間違いありません。アーチェリーなんて、しょせんは弓矢です。誰もがもっと気軽に取り組めるようにして多くの子供たちが楽しめる環境にしていかなければ普及にはほど遠く、アーチェリーにスポーツとしての明るい未来が訪れることなどないのです。

    ■ポイントが消耗したら

    インスパイアの純正ポイントは、1ダース1000円の亜鉛製の安物です。矢に使われるポイントとしては、それほど対磨耗性と対衝撃性に優れているワケではありません。しかしステンレス製やタングステン製の高級品であっても、的外を射ってしまったり、的に刺さっている矢に矢が衝突したときには、ポイントが損傷するのは同じです。最初の頃は練習用の消耗品(すべての矢が消耗品ですが・・・)だと割り切って、ボロボロになるまで使い込めばいいのです。



    ポイントを消耗させてしまったら、次にポイントを買うときにACE・ACG・ACC用の50グレインの安いワンピースポイントでも買えばいいのです。新品を買っても1ダースで1400円くらいです。このポイントには接着用のホットメルトが1本、ポイントの袋の中に入ってます。最初の頃は的の木枠を射ってポイントが抜けたりする事が多い初心者にとって、純正のホットメルトが付属しているのは嬉しいです。イーストンは、初心者への配慮が細かくて本当に助かります。

    というかポイントに関しては、周囲の先輩たちがこれまでチューニングで使ってきた、もう使わないポイントやインサートでシャフト内径に合うものを、捨てるに捨てられないほど余らせてるハズです。これまで、真っ当にステップアップしてきた人や、じっくりとチューニングしてきた人であれば、いろいろ持っているでしょう。



    中古のポイントなんて一度発射された鉄砲玉を拾って、それをもう一回使おうとするようなものですから、ゴミも同然です。スポーツドリンクのペットボトル1本でも渡せば、そこそこ使えそうなのを1ダース分か、それにチョット足りないくらいの本数を喜んで用意してくれますよ。あなたがそれを使わなくなった時には、上達を目指す中級者や初心者に、タダ同然で譲ってあげればイイのです。そうして次の世代の人たちへ、ステップアップのツールとして役立たせることも大切です。



    左がインスパイア純正ポイント。右がACE・ACG・ACC用のワンピースポイントです。



    バルジポイント(先が膨らんでる形状)なので、シャフト外径よりもポイント外径がわずかに大きくなっています。



    70mではサイトが1目盛り分下がりますが、こちらの方が全体的に小さなグルーピングになりますね。この時の70mは320点以上出てるので、一般的には競技用の矢としての性能は十分です。1ダース1000円のポイントから1400円のポイントにするだけで、実射での精度を実感できる人なんてそうそういませんが、上達過程にあっても競技会に出場する機会の多い人であれば、このようにポイントを交換するのも一つの手です。しかしどちらも出せる得点に差がないのであれば、安い方で十分です(笑)

    ■さいごに

    シャフト1ダースが3800円というオドロキの低価格であるインスパイアは、競技用機材としての的中性能は十分です。全国大会で上位を争うような狙うようなトップレベルの選手でもない限り、精度が高すぎる高額な矢を使う意味など、まったくないのです。

    インスパイアはシャフト表面に施されたレジンによるコーティングが、シャフト全体への重量増とともに、細身のカーボンシャフト特有のレスポンスの高さを抑えています。腕力で引いてしまっているために、リリースの際にストリングを「そっと優しく」離すことができず、上位モデルを使っても空に向けて暴れて飛ばすことしかできない中級者であれば、レスポンスの高い軽量シャフトのカーボン矢は、リリース時のストリング弾きの悪影響をモロに受けてしまい、狙い通りに当ることなどありません(実際、大して当らないでしょう?)

    多くの人が良心的でないショップにダマされてムダに高額な矢を買わされて使ってますが、とても使いこなせているとは言いがたい状態にあります。自動車運転免許試験場に、F1などのフォーミュラカーを持ち込んで、必死になってハンドルの切り返しの練習をしているようなものなのです。それを必死になって繰り返して、いつまでにどれだけ上達するというのでしょうか?

    弓具だけは上級者用でも本当に上級者にならない限りは、上級者向けのレスポンスの高すぎる製品が、未熟な技術を圧倒的に上回るスピートで、気づいたときには的の思わぬ場所に矢が刺さっている、という状態になっているのですよ。本当に上達するまでは、「上達するために必要な道具」を使って、的確な射を目指さなければなりません。

    分不相応に高額で高性能な製品を買わされたところで、自分のアーチェリー人生に最高の満足がもたらされると思ったら大間違いです。機材の素晴らしい性能を、生涯体感できることなく終わります。しかし見積もり通りに高額な製品をホイホイと買ってくれる人が多いので、良心的でないアーチェリーショップに最高の満足を与えている事にしかならないのです。

    上級者以外ではレスポンスが高くないインスパイアを使って、正しい取りかけと正しいドローイングのアプローチ、丁寧なリリースの練習をした方が高得点につながるのは間違いありません。ですから、何でもかんでも上級者と同じ機種を使えばイイというものではありません。弓具に高いお金をかければ、それが高得点をもたらすものでは決してありません。

    夢を実現させるには、自分がいま目指しているものを獲得するために、自分に足りない技術を修得するための弓具を使って、目標に向かった計画を立てて、ひとつずつ実行していかなければならないのです。

    アーチェリーなんて、実に簡単なスポーツです。指導の専門家から指導を受けて、正しい身体の使い方さえできるようになれば、どんな弓具を使っても機材の性能をフルに引き出して、正確に当てる事ができるようになります。高い弓具を使っても大して当たらない人と、何を使っても当てる事ができる人。どちらが格好イイでしょうか?

    それにしても、激安カーボンシャフトのインスパイアは、私の想像以上に良好な結果でした。はっきり言って、製品の価格の差にこんなに開きがあるとバカらしいです。レッドバッジを狙えるくらいには当たります。

    指導者が製品に対して正当な評価ができないと、レッスン受講生はショップから、オリンピック選手や世界戦代表選手が使うようなグレードの弓具を買わされてしまいます。しかし自分のレベルに合わない道具ほどムダなものはありません。使う道具も、学ぶ技術も、正当な手順でステップアップしていくことが、本当に楽しいアーチェリーライフにつながるのです。
     

    新聞に掲載されました

    2015.08.07 Friday

    0

      私たちが行っているアーチェリー指導組織「けいはんな アーチェリー」が、新聞に掲載されました!



      8月2日発刊の朝日新聞南京都版、週間あさすぽ南京都の「わが町のキラ星チーム」に紹介していただきました。ありがとうございます♪



      今回は取材がメディカルチェックの日程で行なわれましたので、関節・スポーツ整形外科部長の四本先生からのメディカルチェックの模様が記事になっています。

      アーチェリーは単純な身体の使い方の繰り返しを、毎回同じ方向に向かって行なうのみという、極めてアスリートレベルの低いスポーツの部類に入ります。しかしどんなに身体を鍛え上げたアスリートでも、身体に間違ったことを覚えさせて繰り返していると、たちまち疲労を蓄積させてしまいます。

      特に、弓の力を支えるために重要な骨格のポジションが適正でなく、骨格を正しいポジションに誘導するための筋肉の使い方が間違っている場合は、正しい身体の使い方ができている人に比べると筋肉の酷使のされかたがひどく、力を支えている身体の各部への負担が極端に大きなものになってしまいます。それを繰り返していると、確実にスポーツ障害を抱えてしまいます。

      アーチェリーはチカラ技ではありませんし、決して痛みや苦しみを伴うものではありません。厳しい鍛錬を積み重ねるようなものでも、やたらと実射を繰り返すものではありません。けいはんなアーチェリーでは正しい身体の使い方をスポーツ医療チームと一体となって学び、スポーツ医療チームにはケガなどの故障の予防から携わってもらい、骨格や筋肉の専門家と一体となって安全で楽しいアーチェリーの指導を行っています。



      スポーツ理学療法士の東先生のコメントを、深く受け止めてください。「がむしゃらにトレーニングを積むのではなく、正しいやりかたで、適切な量というのも大切です」

      アーチェリーは簡単なスポーツであるにも関わらず、何年も練習しているのに大して上手くならない最大の原因は2つです。まずは身体の使い方が正しくないこと。そして正しいケアを行なえない環境での実射本数が多いことです。

      9割以上のほとんどのアーチェリー選手がそうですが、骨格のポジションに誤りがあり、正しくない筋肉を使ったドローイングのアプローチが悪い人がダメな射を繰り返してしまうと、ダメな射を確固たるものにしてしまうという、最悪な状況になってしまっているのです。

      よほどの上級者でもないかぎり、実射の本数を増やしてしまうと身体に異常をきたします。初心者や中級者に一日に100射を超えるような実射をさせるのは、完全に指導者による暴力です。指導者がいないという状況は論外です。指導者なしで上手くなれる人がいたとしたらまさに天才だと思いますが、そんな天才は数万人にひとりです。本人は努力していると思って実射を繰り返しているのですが、それが完全に上達のさまたげになっている人ばかりです。

      レベルの低い指導者は、やたらと射たせるだけロクにケアもしませんので、指導者選びには細心の注意が必要です。指導の初期から実射を繰り返してきた人の多くが故障した肩の痛みに悩まされ、かなりの高確率で肩関節不安定症や、TFCC損傷という事態に陥ってる事すら知らない指導者が多いです。そんな人の何が指導者かと、本当に呆れてしまいますが・・・



      スポーツで痛みを感じたり故障を抱えてしまうのは、その部分をスポーツの動作の繰り返しによって酷使してきたからなので、なかなか治りません。しかしスポーツ障害は、正しいやりかたと適切な量、そしてケアを充実させることで未然に防ぐことができるものです。身体のどこかに痛みや不具合を抱えるようなものは、もはやスポーツとは呼べず、単なる拷問にすぎません。

      とある指導集団で子供が模範実射をしているという動画を見る機会があったのですが、その子は肩甲骨のポジションがムチャクチャで、かなり可哀想な射ち方をされられてました。そこでの先生?が射っている動画もありましたが、肩甲骨が挙上した、かなり残念な身体の使い方だったのにはビックリしました。これが先生?先生が模範を示せなくてどうする?といった感じですが、今の日本のアーチェリー指導界は、そんな先生ばかりです。ですから私たちのアーチェリー指導では、アーチェリーを射つこと以上に、スポーツ医療と一体となって正しい身体の使い方をマスターする事と、身体のコンディショニングを大切にしています。

      指導をしている私であっても、スポーツ整形のドクターとスポーツ理学療法士の先生から診察を受けて、正しい骨格のポジションと、骨格を正しいポジションに誘導させるための正しい筋肉の動作のさせかたに、寸分の狂いもなく模範を示すことができるように常にチェックをしてもらって、リハビリとトレーニングのメニューを組んでもらっているのです。スポーツ医療界からは非常識に思われるようなことを続けている、中途半端な独自の理論にしがみついてる人が多くて、ヘタクソを量産し続けている状態は本当に困りますね。

      百聞は一見にしかずと言われますが、まさにその通りです。いくら口先だけで筋肉の使い方や骨格のポジションについてを語っても、皮下脂肪に覆われて筋肉と骨格の動きを見せることができないレベルの低い指導者からは、背中が語ることなどあり得ないのです(笑) 元一流選手であっても、一流指導者になれない2つの理由は、指導者が常に新しいことを学ぶ姿勢がないこと。指導者が身体の使い方を見せながら、わかりやすく解説できないことです。

      レッスンの際は、骨格を正しいポジションに誘導させる事と、それに必要な筋肉の使い方を見せるために、受講生の前で上半身裸になって見せなければならない場面が多々あります。ですから体脂肪率は常に1ケタ台(10%未満)のアスリート体型を維持しています。体脂肪率が2ケタ台(10%)になると、もう本当に見てもらいたい部分が見えなくなります(それがわかってない指導者は指導者と呼べない・・・)。指導者とは、いま世界で最も優れていることを、他人に教える立場にある人であるはずなのです。遠に現役を退いているので選手よりも当てる必要などありませんが、選手よりも究極に理想的な身体の使い方の手本を示すことができず、理想的な体型を維持できない人間は、本当に大切な事を伝える事などできません。

      それはそうと、入会メンバーが増えてきました。けいはんなアーチェリーではこれまでも女性が多い方でしたが、今年は入会メンバーの半分以上が女性です。アーチェリーは見た目に優雅なスポーツというのもあって、相変わらず女性の人気が高いですね。最近は関東や九州などのように、遠方の方が入会されて、わざわざ学びに通われてる方もいらっしゃいます。

      レッスンの受講をご希望されてる方や、これまで他で受けてきたアーチェリー指導で上達に関する問題を抱えてらっしゃる方、これまでアーチェリーを続けてきて故障を抱えてしまった方などがいらっしゃいましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

      最近は、小さなお子様にアーチェリーを習わせたいが、最寄りのアーチェリー集団から、受け入れを断られたという相談があって本当にビックリしてしまいます。子供の受け入れを断るということは、単に自分達が楽しみたいだけで、日本のアーチェリーを底辺から支えて普及させる気なんてまったくないのでしょう。そこには小さな子供へのスポーツ指導ができる指導者がいないと言ってるようなものですが、そんな指導集団でいいのか?と思ってしまいます。アーチェリーは小さな子供でも簡単に楽しめるスポーツなのに、とっても残念ですね・・・

      けいはんなアーチェリーでは小学生や未就学児でも入会を受け付けております。私たちはスポーツ理学療法士の先生と一緒になって、発育段階に合わせて個別のトレーニングメニューを組んでいます。アーチェリーは誰でも簡単にできる、楽しいスポーツです。他で断られたからといってアーチェリーをあきらめずに、ぜひ私たちのところにご相談ください。

      弓具のすべてを 見積もり通りに買ってはいけません

      2015.06.10 Wednesday

      0

        この頃になると、春からアーチェリーを始めた人が自分の弓具をそろえるという話が、よく出てきますね。今回は、これから弓を買う人が注意しなければならない点についてご説明します。

        ■カモがネギ背負って

        良心的でないアーチェリーショップからすると、何も知らない初心者や、上達をあせる中級者をダマくらかすのは、実に簡単です。「どうせだったら最初から、ちゃんとした道具を揃えたほうがいい」とか、「ちゃんとした道具は最低でも15万以上、いい道具は25万」とか、「こっちのほうが、これだけ精度が高い」など言うと、ほぼ全員がショップの言いなりになって、高額な商品をホイホイ買ってくれるからです。初心者や中級者のアーチェリー用品の買い方というのは私たちから見ると、カモが札束抱えて鍋に飛び込む状況と何ら変わる事はありません。

        いい弓具というのは、あなたが正しく扱いきれて、あなたが射てる適正な距離で精確に的中させることができる弓具です。どれだけ機材の性能が高くても、扱いきれないのであれば、それは自分にとっていい弓具ではありません。高ければ最高の弓具か?いえいえ、当てることができないのであれば最低ですよ。

        最初から「ちゃんとした道具」などと言われるものを買ってはいけません。単にショップにカモにされてるだけですし、いきなりそんなものを買ってしまうと、その製品の本当の凄さを自分で発揮させることなど不可能になります。

        初心者が自分の弓具を揃える場合は、絶対に最初からフルセットを揃えてはいけません。自分の上達の進歩に合わせて、そのつど買い足していくのが、上達における鉄則です。

        ■アーチェリー用品の数々

        競技用アーチェリーに必要な弓具類には、どんなものがあるでしょうか?

        )俵馘
        アームガード
        チェストガード
        タブ
        フィンガースリング(ボウスリング)
        ストリング
        ストリンガー

        弓・矢
        ハンドル
        レスト
        プランジャー
        リム


        J箚鑪
        サイト
        センターロッド
        Vバー
        サイドロッド(2本)

        い修梁
        クイーバー(矢入れ)
        クイーバーベルト
        ボウスタンド
        アーチェリーケース

        ■最初に買うもの

        ,蓮△垢戮毒磴辰討發いい任靴腓Α,鬚垢戮涜靴┐討5500円くらいです。これらを最初に購入した初心者が使っているアイテムを見ただけで、どれだけショップに高額な製品を押し付けられているかがわかります。この価格を大幅に上回っている場合は、今のうちに方向性を正しておくべきだと思います。すべて消耗品なので最初から高額な商品を買う必要などまったくありません。特に上級者以外では高額なタブは必要ありません。2000円以内でもタブの革が交換できるタイプのものも多いです。正しい取り掛けをマスターできてない99%の人には、コードバンのタブなど一切必要ありません。

        △悩能蕕帽愼するものは、ハンドルのみです。リムは教習施設の備品の弱いリムを使わせてもらいましょう。弱いリムの備品がない場合は、20ポンドの弱いグラスリムを購入します。引けるからといって、それより強いリムを使ってはいけません。「引ける」と「扱える」は、意味がまったく違います。



        これらのグラスリムは、どれも1セット1万円もしません。正しいステップアップのために、多くのメーカーではとても良心的な価格設定にしてあります。是非ともこういった製品を有効に活用して、少しずつ買い替えていくことで上達への階段を着実に駆け上がってください。初心者がいきなり上級者モデルを購入したり、30ポンドを越えるような高ポンドのリムで練習するなど、あり得ないハナシです。

        良心的ではないショップでは、「将来的にこのくらい引けるようになったほうがいい」というような感じで、いきなり30ポンド以上の高額なカーボンリムを買わせるところも多いです。まず間違いなくフォームを崩し、そう遠くない将来身体に故障を抱える結果を招きます。「このくらい引けるようになったほうがいい」という言葉にダマされずに、このように引きの弱い、安いグラスリムから、じっくりと着実にポンドアップしていく事が大切です。

        最初からカーボンリムを購入するのは、愚の骨頂とも言えます。そんなものを買わされても、長年の期間をかけてじっくりとポンドアップしてきた、まさに熟成を重ねてきた上級者しか使いこなすことなどできません。リムに5倍の金額を払っても、自分が熟成を重ねることもない、促成栽培のヘタクソに化学調味料で味付けしたようなままで練習を続けていたのでは、リムの性能が得点を1%も変えることなどありません。ここに写っている1万円のグラスリムと、この7500円のハンドルでも、70mで優に300点を越える得点を出すことができるのです。

        ハンドルの性能についてはトップレベルの選手以外には特に関係のないハナシになります。70mで330点を出せる選手であっても、その優位性のちがいが、よくわからない人もいます。ですから初心者や中級者にとっては、精度や性能など気にする必要は一切いりません。ですから最初からいいものを買ったとしても、絶対になにもわかりません。上級者になるまでは、2万円以内のハンドルで十分です。高額で高性能な製品を買うのは、せめて30mで330点を下回らないようになってからにしましょう。自分のレベルが及ばないのに、意味もなく欲しがるのもやめましょう。アーチェリーの得点は、機材にお金をつぎ込んでも解決することなどありません。分不相応な弓具を振り回してるのは、自分が思っている以上に無様に見えるものなのです。

        プランジャーやレストなども、最初のころは安いので十分です。ハンドルに標準装備されているモデルもあります。最初から高額なプランジャーを購入しても、扱いが不慣れなうちは、弓を倒して(倒されて)プランジャーのシリンダーを折損させるのが関の山です。1万円を超えるようなプランジャーを買う人は大勢いるのに、自分の身体に一切のお金をかけない人が多いのにもビックリします。

        スタビライザーは、当分は購入してはいけません。もしも買わされてしまったとしても、いきなり装着して練習してはいけません。単にフォームを崩して、自分の成長の限界点を引き下げる事にしかなりません。初心者・中級者と、上級者の間には身体能力に決定的な差があるのです。弓具だけ上級者のマネをしたとしても、自分が上級者になれることなどありません。

        サイトは、それこそトップレベルになるまでは、3000円程度のアルミサイトで十分です。サイトの性能は、的中には関わりはありません。ちなみに近射しかしない初心者のうちは、サイトすら必要ありません。最初からサイトを装着すると必死になってサイトピンを見ようとするので、身体への意識ができなくなる人がほとんどです。

        本当に身体で正しいことができるようになると、スタビライザーとサイトを取り外して30mを実射しても、的から外さないどころか、多くの矢をゴールド付近に的中させることができるようになるのです。何万円もするサイトは、全国大会への出場が視野に入るころになってからでいいのです。全国大会って、何人が出場できるか知ってますか?ちなみに3000円のサイトでも、3万円のサイトでも、出せる得点は同じです(笑)

        矢なんて、それこそ上級者以外は高性能品はムダ金でしょう。50m・30mの合計得点が630点も出せないうちは、アルミの方が当たります。ショップから何を言われようと、初心者のうちは70mや50mを射つことなど、一切考えないで下さい。1年かけて30mが射てるようになればいいので、最初から高額なカーボンの矢など必要ありません。最初は地面を滑走させて落ちてる石に当たって破損したり、的の周囲の木枠に当てて矢を壊してしまう事も多いのです。



        リムの強さを少しずつ上げていく必要があるので、最初に高価なカーボン矢を買うのはバカらしいというものです。ACEに比べたらアルミ矢なんて5分の1程度のネダンです。そもそもアルミ矢なんて、どこのクラブでもスパインの柔らかい矢が、処分に困るほど転がっているでしょう?普通は、そういったのを使わせてもらいながらステップアップをしていくものです。

        あなたが万年中級者でもいいなら好きにすればいいと思いますが、アーチェリーは、取り組みはじめたら誰もがすぐに「もっと上手くなりたい!」と思うようになるスポーツなのです。それがアーチェリーの魅力でもあり、魔力とも言えます。だからみんな、一生懸命になって練習をしています。しかし残念なことにほぼ全員が、その練習は単にムダの積み重ねになってしまっています。弓具の買い方もステップアップのしかたも、ムチャクチャです。自分のこれまでの取り組みを振り返ってみて、本当に上手くなっているのかどうかを考えたらわかるはずです。

        ■初心者が買うものはこれだけ

        最初はハンドルと弱いリム、それにストリング・ストリンガー・ボウスリング(フィンガースリング)・レスト・プランジャー・防具類さえあれば、上達に向けての練習ができます。将来必要になるものは、その時になってから買ってください。間違っても、最初からすべてを揃えてはいけません。

        本当に上手くなりたかったら、良心的でないショップの言いなりになってお金をジャンジャン使わされるのをとにかく回避して、理想的な手順で賢く買い物をしていって下さい。ハイスペックで高級なフラッグシップモデルを買うのは、誰もが認める上級者になってからでいいのです。

        くれぐれも、ローカルなレンジで自分の道具自慢に鼻高々な恥かしい存在にだけは、ならないでください。本当にお願いです。
         

        不必要に高額なアーチェリーケースを買わされないために

        2015.06.07 Sunday

        0


          ■アローケース 売り切れ続出

          レベルアップに応じて少しずつ道具をそろえ始めた方のなかで、ご要望がある方のためにアローケースを作っています。作ると言っても、近所の○イソーで200円で売っている書類ケースに、スポンジを切って入れるだけの総額250円程度の矢入れです。



          作り方は、いたって簡単です。これとまったく同じものがアーチェリー専用品として高く売られてましたので、こんなバカな話はありません。詳細は過去の記事 アローケース(矢入れ)の製作 をご覧ください。

          ■絶対に必要なものではないが、必ず買わされるのがアーチェリーケース

          アーチェリーの弓具は、多くの方が考えているほど神経質で繊細なものではありません。機材を使うスポーツですが、それらの機材はしょせんは弓矢です。普通に持ち運びをする分には、事故にでも遭わないかぎりは壊れるようなものではありません。というよりも、高額で高性能で取り扱いに細心の注意を払わなければならないようなシロモノを、上級者でもない素人同然の人が扱うべきではないと言った方が正しいでしょうか?いずれにしても、良心的でないショップにダマされている事に気づいたほうがいいでしょうね。

          矢のシャフトには羽根を接着してますので、その羽根の部分が保護されていれば問題はありません。ですから矢さえ何らかの方法で保護することができれば大丈夫です。他の弓具は、それほど過剰に神経質に扱う事もありません。本当に守るべき部分が守られていればいいのです。

          ひとつ断っておきますが、アーチェリーケースはアーチェリーをする人が必ず買わなければならないような、必須の道具ではありません。本当に必要な人は、飛行機を使って海外遠征をするような一部の特別な上級者や、保安の都合上やむを得ない理由などで、必ずハードケースで施錠しなければならないような制約がある場合だけです。それなのに、ショップに行けば必ずといっていいほど、高額なハードケースを買わされます。

          本来必要でない人であっても、全員の客単価を上げようと必死なのはわかりますが、買わされているひとりひとりの状況を鑑みると、あまりにもヒドイと思わざるを得ない場合が多いですね。総額6万程度の弓具を収納するために、3万円前後のケースを買わされているのを、異常と思わない世の中が不思議でたまりません。すべての人が、本当にこれほど高価な道具箱が必要でしょうか?本当に必要に迫られて購入しているのでしょうか?ショップから勧められたから、または見積もりに書かれてたから買ったのではありませんか?

          ■入れば何でもOK!

          アーチェリーケースを買わない場合はどうしたらいい?といった質問も多いですね。まずは矢は上記のようなアローケースに収納すれば、他の弓具はスポーツバッグや、大き目のリュックサックで十分です。スポーツ店の山岳用品コーナーで展示しているラインナップの中からでも、テニスやバドミントン用のバッグやトロリーバッグでも、数千円という安さでも使えるものはたくさんあります。ハンドルやリムなどが入りそうなものをすでにお持ちであれば、単なる道具入れにわざわざお金を出して買う必要もありません。



          こんなバッグ、いくらでもお持ちでしょう。旅行用のバッグでもスポーツバッグでも、何でもいいのです。アーチェリー専用品は総じて、異常に高い価格が設定されているので気をつけなければなりません。良心的でないショップの口車に乗せられてしまうと、何万円も損します。高額なハードケースに何十万円もする高額な弓具を、悦に入って振り回すだけの万年中級者になってしまうよりも、その浮いた何万円かを使って自分の身体へ投資したほうが、よほど上達へ近づくというものです。

          弓具やサイト・スタビライザーなどの補器類を袋に入れてバッグに収め、そこに矢を収納したアローケースを放り込むだけです。このバッグであれば、27インチの矢を収納したアローケースが、この古いバッグの中に丸ごと入ります。長い矢を使う人でも、問題はありません。バッグのファスナーを少しあけて、アローケースが少し飛び出すような格好でも収納と持ち運びに何ら影響はありません。



          ポータブルラゲッジキャリーという、キャスター付きのハンドキャリーがホームセンターで安く売られています。2000円も出せば、かなりいいものが手に入ります。これは1000円くらいで買ったものですが、20年以上使えています。アーチェリーケースのローラーとして使われているローラーブレード用のキャスターを地面に転がすと、周囲の人の注目を集めるほどゴロゴロと音を立てますが、これはとても静粛性に優れています。もちろん自立させることもできます。アーチェリーケースのように、立てかけた際の不安定さもありませんので、電車の中で倒れる心配もありません。



          何よりも便利なのは、アーチェリー用品以外に着替えやタオル、飲み物や食料などを、ひとつに詰め込むことができる事です。アーチェリー専用のハードケースを買ってしまうと、ケースの形に合わないものを、何ひとつ入れることができません。もともとがスポーツバッグなので、肩にかけたり手に持ったりすることができます。バッグなのでハードケースと違って本体そのものが軽いので、駅の長い階段での持ち運びも楽チンです。

          ハンドキャリー自体を取り外してバッグに収納することもできますので、電車の網棚や新幹線の棚で、不必要に他の人のスペースを侵害することもないのです。



          ちなみに、この状態のバッグを自宅の2階からアスファルトの地面に放り投げましたが、ハンドルもリムもサイトも、スタビライザーも矢にも異常はありませんでした。あらゆる衝撃に耐えるとは思いませんし、すべての状況を保障するものではありませんが、アーチェリーの弓具は芸術品でも骨董品でもありません。バカラのグラスのように丁寧に扱うものではありません。多くの人が異常なまでに弓具に対して神経質になりすぎていると思います。

          飛行機を使って遠征するのでなければ、これで十分です。アーチェリー専用のハードケースなんて、全国大会に出場するために、飛行機を使わなければ移動ができない事がわかってからでイイのですよ。

          私はかつて現役時代に年間数十回もの遠征を繰り返してましたが、アーチェリーケースほど不便な道具箱はないと痛感しています。アーチェリーケースが入るコインロッカーなんてほとんどありませんし、荷物一時預かり所でも断られた経験がありますよ。4人でタクシーに乗ってつま恋から駅までタクシーに乗ろうとしたら、後部座席の3人はヒザの上にケースと荷物を乗せた、まるで昔の囚人への拷問さながらの格好で耐えなければなりませんでしたよ。アーチェリー用のハードケースの、どこが便利なものですか。

          アーチェリー用の高価なハードケースが便利だと言うならば、それこそ経験不足もいいところだと思います。良心的でないショップが飛行機で遠征する可能性もないあなたにハードケースを勧めるのは、あなたの顔がお金にしか見えてない証拠ですよ。

          ■番外編

          アーチェリーケースは、ハードケースもソフトケースも、あんなに高いアーチェリー専用品を買う必要はありません。一般的なリュックサックでも、ファスナーを閉じたときにファスナーが開いてしまわないように少し工夫をするだけでいいのです。



          私は一昨年にヒザの手術を受けるまで、ロードバイクで年間2万5000キロ以上を走ってました。カゴのないスポーツサイクルで移動をする人のために、ロードバイクでアーチェリーを運ぶための方法を少し紹介します。

          これは普段から使っているリュックサックです。もちろんアーチェリー専用品ではありません。スポーツサイクル専用でもない、何の変哲もない普通のリュックサックです。弓具一式をリュックに入れて、開口部を両側からファスナーを閉めたら、それが開かないようにファスナーのつまみの穴の両側をヒモで結びます。

          矢はゴム羽根を貼ったカーボン矢なので、羽根の耐久性はバツグンです。ガッシリと束ねても羽根が折れたり取れたりすることもありません。それほど扱いに慎重になる必要もない矢であれば、アローケースなどには入れずに輪ゴムで束ねます。束ねる際は羽根に強いストレスが加わらないように、シャフトのポイント付近にしてください。スピンウィングなどのフィルムヴェインを装着している場合は、アローケースに入れた方が無難です。というよりも、高得点を出せる上級者以外は、扱いが繊細なフィルムヴェインなど、まったく必要ありませんけどね(笑)

          ハードケースでもソフトケースでも、アーチェリー専用品は大きすぎてヘルメットの後頭部に干渉するので、とてもロードバイクで走ることはできません。しかしこれは普通サイズのリュックなので、前傾姿勢で背負っても特に問題もなく運ぶことができます。

          このリュックサックには、これらの弓具一式と、スニーカーと着替えにタオル(サイクルジャージ・レーサーパンツからアーチェリーのユニホームへの着替え。ロードバイク用のシューズからスニーカーへのはきかえが必要になります)、補給用の食料が入っています。補給用の水分はロードバイクのドリンクホルダーに装着してますので、リュックにすら入れる必要がありません。別にロードバイクではなくても、ママチャリでも徒歩でも電車でもバスでも、アーチェリー用品一式をリュックサックに入れて普通に通学(通勤)することができます。これの何が不十分だというのでしょうか。

          皆さんの想像以上に多くの荷物が入りますよ。アーチェリー用品一式を入れたリュックの中に、ノートパソコンとお弁当も一緒に入ります。学生であれば、勉強道具も一緒に入れることができるでしょう。アーチェリーケースの中に、ノートパソコンやお弁当を入れて、自転車に乗って背負うことなど不可能に近いです。

          アーチェリー専用のハードケースは多くの場合、単に移動の足かせにしかなってないと思いますよ。あなたの機動力を奪うその異常に高価な道具箱、本当に必要ですか?

          だいたい、アーチェリーケースを買うのが当然という風潮になっているから、しょっちゅう駅まで車を出して送り迎えをしないといけなくなるんですよ(笑) 自分で背負えるようにしたら、家にあるママチャリに乗って駅まで自分で往復するようになりますよ。雨がふったら、傘をさして自分の足で駅まで往復したらいいんです。急ぎたいなら、走ればいいんです。

          そもそもアーチェリーケースなんて買ってしまうから、いつまでたっても足腰が強くならないんじゃないですか?アーチェリーはお遊戯じゃなくて、れっきとしたスポーツですよ。アーチェリーの愛好者でなくて、競技会に出場する選手であればアスリートでしょう?単に射つだけ?本当にそれで上手くなると信じているのですか?あなたは1日で何万歩、歩いてますか?毎日何分のランニングをしてますか?休憩時間にはどんなことをしていますか?心肺機能が低いままでは、どんなトレーニングをしてもムダなんですよ。荷物ぜんぶ背負ってひと駅手前で降りるような努力もせずに「いつか全国大会に出たい」なんて思っていても、どうせ夢のままで終わるのがオチですからね♪

          スポーツ医療チームによる アーチェリー実射の検証

          2015.05.13 Wednesday

          0

            先月のスポーツ医療チームのトレーニングでは初心者から上級者まで、アーチェリーを行う人間が正しく骨格を作用させて正確に発射しているかどうかを検証しました。今回は腕と腰に加速度計を装着して重心位置の移動の推移と、ストリングを保持してリリースするまでの間に何が行なわれているかを洗い出しました。



            スーパースローモーションや、静止画のコマを連続してチェックしても、実はほとんど何も知ることができません。しかし加速度計のデータは数値で的確に、どの方向にどう力が加わっているかがわかります。

            まだごく一部しか見てないのですが、引き手の手首に装着した加速度計のデータが非常にユニークです。他でアーチェリーを始めた経験者の全員がそろって、クリッカー位置での引き込みの際に、ものすごく複雑な身体の動きをしているのがわかります。おまけに、クリッカー位置を迎えた直後の指先からストリングを放とうとする際に、身体全体がゆるみ弛緩の射になっていることもわかります。

            さらに興味深いのは発射されて弛緩したあとに、やや時間をおいてからスライディングリリースの動作に入ろうとする、まったく意味のない発射直後の2系統の動作を行なってしまっていることです。これはストリングを放ったあとに、身体の中で保持されていた力が解放されることによる引き手のスライディングではなく、リリースという動作が終わったあとにわざわざ付け加えた、発射の動作に一切の関連を持たない別の動きを行なっているということもわかります。

            この後付けの動作は単に自分の射を修飾しているにすぎず、ストリングを放つまでの間の、間違った身体の使い方を直せているわけではありません。自分の射の欠点やフォームを見た目だけでチェックしてもらっても、それが自分の正確な発射につながるような事は、ほとんどないと言ってもいいでしょう。大切なことは、正しい骨格のポジションと、正しいドローイングのアプローチを最初に学ぶことに尽きます。

            とても書き切れないのでほどほどにしておきますが、腰に装着した加速度計のデータも様々な動作を暴いてくれます。身体の前後左右の筋力のバランスが悪いことで、どんなことが起きているのか。どの部分の柔軟性がとぼしい事で、そのような動きになってしまうのか。下半身の筋力を正しく使えてない事で、こんな事になってしまっている。などなど・・・

            今回来てくださった4人のスポーツ理学療法士の先生からさらに詳しく解析していただいて、参加者全員の個別の状態に合わせたリハビリとトレーニングのメニューを実行していきます。そしてそのレッスンの成果を何度か検証しながら、上達のステップを駆け上がります。回を重ねていくのが楽しくなりますね♪