ラクに早く上達したい人のためのアーチェリー選び その2

2015.03.02 Monday

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    アーチェリーを本当に上手くなりたいのであれば、上級者になるまでは反応がマイルドな弓具を、弱いものから扱うことが大切です。しかしアーチェリーは驚くほど高いモデルから、大丈夫かと心配になるくらい安いモデルがあり、どれを選んだらいいか判断できない人が多いです。

    それでは今回は、初心者レッスンを受講してきた人がレベルアップを目指すときに、どのような弓具を選んだらいいかを紹介します。

    ■扱いやすい弓具は、こんなにも安い



    これは、初心者が購入する最初の1セットとして理想的です。たまには競技にも出てみたいし、上達してもソコソコ当たる弓具が欲しい、という人にはピッタリです。ここに写っている総額で4万円以内です。



    これらの弓具は性能に問題がないどころか、当たらない理由はどこにも見当たりません。これで十分です。70m36射で300点を出すのがやっと(50m・30mの72射で630点程度)という中級以下の選手には、道具の価格や性能の高さが的中に良い影響を及ぼすことなどありません。当たらないのは弓のせいではなく、機材のスペックを引き出すことができない自分に問題があると考え、本当に正しいことを学びに行きましょう。

    ■急がば回れ

    自分が引ける強さを周囲がスゴイと評価してくれたところで、本当に扱いこなせているのであれば、あなたの矢はすべてゴールドに吸い込まれていき、得点としてあなたを評価しているはずです。

    大きな勘違いをしている人が多いように見受けられますが、アーチェリーはリムの表示ポンドや実質ポンドを競うチカラ比べではありません。それなのに中級者は40ポンド程度の高ポンドを引きたがり、初心者には30ポンドを越えるリムを買わせる傾向が強くて危険です。

    弓具のステップアップを急ぐことは、身体の各部が悲鳴を上げて、故障のドロ沼に転落します。アーチェリーは、疲れや痛みに耐え抜くようなガマン大会ではありません。身体に負担を強いる状態をみんなで作ってしまうと、身体を壊すために練習することになります。

    リムは必ず段階的にポンドアップをしなければなりません。そのためレッスンでは最初の頃は、10ポンドに満たないような引きの弱いリムから始めます(最初は引く練習は、ほんの少ししか行いません)。自分のハンドルを買う段階にきたら弱いリムを借りて、長い年月をかけて段階的にステップアップしていきます。ステップアップに必要なリムを、すべて自分で買い揃える人もいますが、最初からいきなり25万円とか、15万円などの異常なまでの高級品を買わされる事に比べれば大幅に安く済みますし、身体に負担をかけずにレベルアップしていくことができるのです。



    上手くなるまでに4セットのリムを購入するとしても、最初の3セットは、グラスリムを購入します。グラスリムは1セット1万円くらいなので、ステップアップのために買い続けても、3セット買っても3万円もしません。1セット目は20ポンド程度を数ヶ月〜半年程度、2セット目は26ポンド程度を半年程度、3セット目は32ポンドを半年程度というような感じで、ひとりひとりの状態に合わせて、じっくり時間をかけて少しずつ上げていきます。

    身体各部のポジションが決まっておらず、射に必要な正しい身体の使い方をマスターしてない人に、最初からいきなり30ポンドを超えるようなカーボンリムを引かせるのは、愚の骨頂とも言えます。負荷を感じない強度で基礎をマスターし、基礎体力(心肺機能・筋持久力・パワー)を時間をかけて少しずつ高めていきながら、リムの強さを少しずつ上げていかなければ、確実に破綻をきたします。

    初心者が最初にフルセットを揃えてしまうことは、レベルアップの妨げにしかなりません。多くの人がショップが勧めるがままに、不必要に高額なモデルを買い、それがレベルアップを妨げています。たとえお金が余ってて使い道に困っているような人であっても、自分が上達するまでは高性能な製品を買ってはいけないのです。



    これがソコソコ当たると書きましたが、総額4万円の弓具でも70mの的のゴールド(中心の黄色)に正確に当たります。70mで300点アップします。30mであれば340点以上出ます。以前にも紹介しましたが、センターロッド1本の状態で公認試合に臨み、70mの後半に300点アップして入賞しています。試合中にゴールドの中で、他の選手の矢に継ぎ矢をしました。

    高校生や中学生までもが総額25万円もする高額な弓具を買わされてますが、ほとんどの選手がちゃんと当てることができていない状態です。それはステップアップの順番が完全に狂っているからです。全国大会で一桁台に入るようなレベルの選手でもないかぎり、機材に突出した性能は必要ありません。扱いやすい性能ですらキッチリ使いきれないのであれば、高額な製品を使っても当たるようにはなりません。

    最初に30ポンドを超えるようなリムを買わされてるから、ほとんどの人がストリングへの取りかけをマスターできないのです。いきなり30ポンドのようなリムを使わせてしまうから、リリース(発射)の瞬間に体軸がブレる射ち方しかできなくなるのです。そのダメな方法をどれだけ繰り返したところで、当たるようにはなりません。「引ける」と「扱える」という言葉は、アーチェリーにおいて同義語ではありません。

    弓具も練習方法も、すべて正しい順序があるにも関わらず、その最も大切なものを大幅に割愛してしまうから、上手くならないのです。つかんだストリングを腕力で引っぱって顔まで持っていき、上体をのけ反らして必死の形相で射っているようでは、高性能な機材も高ポンドの強いリムも使いこなせるようになりません。

    アーチェリーというスポーツは機材に目をうばわれがちですが、本当に大切なのは道具ではなく自分の身体です。自分の身体をつくることや、スポーツを取り組む事に対して本来必要な事に時間とお金をかけることが大切です。

    繰り返しますが、「急がば回れ」 スポーツが心地よい季節になってきましたが、ステップアップを焦らず、引きの弱いリムで技術を修得していきましょう。

    アローケース(矢入れ)の製作

    2015.02.10 Tuesday

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      3〜4万円あれば、70mの的の中心を射抜く道具を一式そろえることができるのですが、これからアーチェリーを始めたいという初心者が3万円もするアーチェリーケースを買わされている、という困った業界です・・・(苦笑)

      アーチェリーケースを何か特別なものと勘違いしている人が多いですが、しょせんは道具箱です。道具が安全に収納できて、持ち運びができれば、バッグでもリュックでも、何でもいいのです。羽根を貼った矢は、アローケースに入れてバッグに収めておけば大丈夫です。アローケースやアローチューブも売られてますが、矢入れとしてアーチェリー用に販売されているものの多くは、書類ケースやプラスチックのチューブを流用したものにすぎません。・・・ということで、ものすごく安く(笑)、とってもカンタンに作れてしまいます♪

      そこで今回は、アーチェリーケースを買わない人のために、矢を保管または持ち運ぶために必要なアローケースの作り方を紹介します。



      この大型の書類ケースはポスター用などとして、100円ショップなどに置いています。これは1本200円のもので、全長を段階的に変えることができる上に、ショルダーストラップで肩にかけることができるので便利です♪



      これは某社がアローケースとして7〜8倍くらいのネダンで販売している製品と、まったく同じモノです。タブ革のコードバンもそうですが、アーチェリー用品のネダンは、本当におかしいと思います(笑)



      矢仕切りの素材は、ダンボールや厚紙など、素材は何でもいいと思います。今回は手元にあったスポンジを使います。自分用のものを作るのであれば、スポンジは廃材利用で十分です。ケースの内径に合わせて円く切ったスポンジに、7mmの穴あけポンチで叩いて穴をあけます。今回は1ダース分12個の穴をあけましたが、中心にセンターロッド用の大きな穴をあけて、同心円状に9個の穴をあけたこともあります。

      1ダースという数字にとらわれずに、使い勝手を重視して9個でも6個でも、自分の好きなだけの数の穴をあけて、自分好みのものを作ってみましょう。ただし、欲張って12本を越える本数の矢を収納するのはオススメできません(笑) それをチューブの中に押し込んだら完成です♪



      仕上がりの美しさを気にするのであれば、10mm厚の硬質スポンジで矢仕切りを作ります。これは20cm×20cmのもので、1枚200円くらいで売っています。これ1枚で、アローケース4本分を作ることができます。



      スポンジを中に押し込むと、アーチェリー専用品として販売しているものと変わらない出来ばえになります。矢を入れたら中のスポンジは見えなくなりますので、スポンジは廃材利用でも何の問題もありません。太い矢を入れる場合は、スポンジの穴にカッターナイフで十字に切れ込みを入れるだけでOKです。矢の出し入れでスポンジが動いてしまう場合は、両面テープなどで固定することもできます。仕切り用のスポンジに羽根が当たらない位置で固定してください。



      カーボンの矢を入れると、こんな感じです。穴をあけた矢仕切りを入れてるので、羽根同士がぶつかり合うことなく、安全に収納することができます。シャフトに120グレインを超えるようなヘビーウェイトのポイントを装着している場合は、筒の底にスポンジやクッションを押し込んでおけば、中で矢がジャラジャラすることもありません。



      4インチの鳥羽根や、インドア練習用の大型のゴム羽根を装着しているアルミ矢も、こんな感じで入ります。穴の位置や羽根のサイズなど、個々の事情を必ずしも約束できるものではありません。そのため太いアルミ矢で、鳥羽根のような大型の羽根を貼り付けるような場合は、12本ではなく9本用として使ったほうがいいでしょう。



      「書類以外にも長いものはおまかせ」と書かれています。107cmまで長さを段階的に変えることができるので、42インチまでの長さの矢を収納できます。私が使っているカーボンシャフトはノーカットで32インチです。最長に合わせてみると32インチのシャフトが、こんなに短く見えます。アーチェリーケースに入り切らない長さの矢も入れることができるのです。

      アローケース1個あたり200〜250円くらいです。10ダース分10個を作ったら、2500円もしませんよ。数万円もするアーチェリー専用のハードケースが必要なのは、飛行機を使って遠征の回数を多くこなすような上級者や、保管の問題上やむを得ないような、一部の人だけのはずなんですけどねぇ・・・

      アーチェリーは他のスポーツに比べても、それほどお金がかかるスポーツではありません。何でもかんでも、お金をかければイイというものでもありません。ムダにお金を使わせたがる人たちの口車には乗らずに、今の自分に本当に必要なものだけを少しずつ揃えていきたいですね。

       

      スポーツ医療チームの個別レッスン

      2015.01.04 Sunday

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        今日はスポーツ医療チームから、おふたりのスポーツ理学療法士の先生をお迎えして、アーチェリー初心者のレッスンを行いました。



        アーチェリーの基礎を学ぶ上で必要な正しい身体の使い方と、正しいフォームを獲得するための身体各部のポジションを、骨格と筋肉の専門家であるスポーツ理学療法士の先生方と一緒になって、ひとりひとりに合わせて的確なものにしていきます。



        スポーツ理学療法士の先生から、射の動作へのアプローチと骨格のポジションチェック、ドローイングの際の肩甲骨の使い方を学んでいます。肩甲骨周辺の動きの固さを指摘されている選手は、さらに効果的なストレッチとトレーニングのレクチャーを受けていました。



        アーチェリーは弓の力を自分の力で引く点に意識を置きすぎて、遠くの距離を射つために筋力アップを考える人が多いです。しかし本当に必要なのは自分の身体を自分の思い通りに動かすことができるかどうかという点になります。肩甲骨の動作が的確でないと、弓の力を骨格で支える位置まで到達することができないので、身体への負担が最も少ないポジションへと誘導していきます。

        レベルアップしていくにつれ、少しずつ改善が必要な点が出てくるのですが、肩の動きの原因が下腿にあったり、押し手の手首に力が入る原因が肩にあったりと、状態は各自によって実に様々です。まだケガや病気ともいえない状態を、本人がその部分に痛みを感じる前に察知して、故障を未然に防ぐことがスポーツ指導において最も大切な事なのです。



        冬は寒さが厳しい場所で練習をされている人も多いですが、よほどのトップレベルの選手でもないかぎり、単に射つだけで何のケアもしていません。ですから、寒さが故障を抱える原因になる事が多いです。寒さが厳しいときや、寒風に吹きさらされる環境にある場合は無理して屋外で練習するのは避け、リハビリとトレーニングに重点をおいて、身体のパフォーマンスを高めて春に備えましょう♪
         

        基礎を正しくマスターできてないと どうなるか?

        2015.01.02 Friday

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          アーチェリーは正しい身体の使い方のスポーツです。そのため、最初に誰からどんな事を学んだか、が最も大切になります。アーチェリーなんて、極めてアスリートレベルの低いスポーツなんです。いちばん最初に骨格を正しいポジションに導くために必要な筋肉の使い方をキッチリ学べば、誰でもカンタンに上達することができます。

          アーチェリーは最初から最後まで基本しかありません。そのためまずは、正十字の射型をマスターすることから始めます。しかし、その肝心な正十字を正しく理解していない指導者があまりにも多く、見た目だけが正十字のようなもの(笑)に見えるように、外観上にムリヤリ形を整えたにすぎない生徒を量産しています。そのため、見た目の射型は美しく見えるのに、なぜだか当たらないという人が多いのです。どのような射ち方であっても、毎回おなじ射ができれば毎回必ず同じ場所に当たるハズと言われていますが、限りなく再現性の低いものを学ばせてしまっているために、射てば射つほど当たらなくなる、いわゆる試合の後半になって崩れるタイプの選手にしか育たないのです。

          それでは私のデモンストレーションですが、ここで問題です。さて、どこに問題があるでしょうか?



          この射ち方を見た指導者の大半はこれで90点を出し、この形を繰り返し反復練習させて覚えさせます。「ここまでできたら、あとはしっかり練習して上手くなれるように頑張ってください」といった感じで、あとは当たるも外れるも本人次第という態度の指導者が多いです。たしかに、誰もが不満のないフォームに見えると思います。それではどのような身体の使い方をしているのか、上着を脱いで見てみます。



          見た目には美しいフォームのように見えてたのですが、中身は全然ダメな状態です。服を脱いだ実際の中身は、完全に腕力を中心に弓を引いている状態で、腕の筋力でフルドローの形状を維持しています。見た目だけは正十字のようなものに見えますが、背部の筋力が脱力した状態のため、骨格が不安定なポジションのままムリヤリ維持されているので不合格です。ポンドアップしていくと、次第に破綻していきます。これをこのまま身体に叩き込ませてしまうと、大変なコトになるのです。

          これは完全に正十字を見た目だけのカタチをマネたハリボテのフォームになっているのですが、このような状態で練習を続けている人が実に多いです。その理由はカンタンです。最初にイキナリ実射をさせてしまうからです。



          最初に弓をひかせてしまうと、まず間違いなくこのような身体の使い方を覚えてしまいます。初心者にとっては最初に引く練習用の弓が10ポンド程度の弱いものであっても、本能的に腕力でストリングを引いてしまうからです。矢がタタミに刺さる強さの弓で何度か実射をさせてしまうと、このとき脳と筋肉が間違った身体の使い方を覚えてしまいます。しかし多くの指導の現場では、骨格の正しいポジションをマスターさせる事を無視して、その人の外観上の問題点のみを修正させようとします。骨格の正しいポジションが出ない状態にあるにも関わらず、アンカーの位置や、ストリングが顔に触れる位置などを最初に意識させてしまうと、ここで大きな落とし穴にはまってしまい、抜け出せなくなってしまうのです。



          次の段階では多くの場合、最初に押し手の肩を下げろと言われ、引き手のヒジを上げろと言われます。腕力をつかって必死の思いでブルブルしながら引いているにも関わらず、引き手のヒジを高く上げろと指示されます。しかしドローイングのアプローチが完全に間違っているために、腕力で引いてきたものを無理にヒジを上げているだけの状態になり、力の向きを、より複雑なものにしてしまいます。多くの場合は右の肩を首に向かって寄せる格好になり、右側だけ首をすくめたような状態になります。引き手側の肩周辺の筋力が左右に収縮するために、引こうとする力に対抗する力を加えてしまいます。そのため試合になるとクリッカーを思い通りに切ることができません。いつも以上に右腕に力をこめなければ引ききれなくなりますので、試合が終わったあとは右腕がパンパンになる人が多いです。このまま練習を続けると、右手首を痛め、ヒジから指先までのどこかが慢性的な腱鞘炎になる可能性があります。



          次の段階では、矢筋を通せと言われます。腕力で引いているので身体の前に突き出た格好の右ヒジを、腕力で引いた状態のままで背中側に近づけるしかありません。しかしここでもドローイングのアプローチが間違っているために、右の肩甲骨はヒジを後ろに回そうとする外力で背中の中心に向かって押し寄せられるだけの状態になります。ここで大問題なのは、右の肩甲骨が、肩甲骨を直接動かす筋肉の力で保持されていない点にあります。弓のエネルギーを維持する骨格を体幹の筋肉が支えてないので、発射の際に肩甲骨や上腕部の動きをコントロールできません。根本が間違っているために、見よう見まねの技術の上塗りが、まったく役に立たないのです。



          この不安定な状態を何とかねじ伏せようと、ひたすら練習を繰り返すのですが、チカラまかせに引いている引き手の腕がどんどん太くなる一方で、ふくれリリースが直らず、引っ掛けリリースはひどくなり、矢を発射したあとに押し手は身体の前に流れます。身体の中での力の向きがムチャクチャの状態にあるので、細かなテクニックを気にしたところで、いつまでたっても当たるようにはなりません。

          骨格を支える体幹の筋力をまったく使えてないために、練習量が増えるにつれて弓の力に押し手の肩が押し戻されていきます。その状態で狙いを定めようとするために、浮き上がってしまう肩を押さえるために、肩と首の筋力で耐えようとする筋力が発達していきます。そうなると、どれだけ弓を的に向けて押そうとしても、肩を上に引き上げようとする力が働いた状態なので、押すにも押せない、引くにも引ききれないという、どうにもならない状態に陥ります。この状態で押し手の手首をリラックスさせろと言っても、ムリなハナシです。

          このまま練習を続けていると、そのうち確実に押し手の肩を痛めます。痛みを感じた時には症状は深刻で、シップを貼ったくらいでは治らない場合がほとんどです。最初に正しい身体の使い方を学んでないと、上手くならないどころか、身体の故障に悩まされることになります。長く安心してスポーツを楽しむためにも、是非とも信頼のある指導者から指導を受けてください。

          それでは、最後にオマケ。これが正十字の基本射型です。



          最初に正しい指導を受ければ、未就学児だろうが高齢の方だろうが、誰もが正しい身体の使い方をマスターすることができます。最初は弓の強さは必要ありません。弓の力を左右均等に正しく「引き分け」、弓の力を骨格で支え、骨格を体幹の筋肉が支えることを覚えるのが第一段階です。

          まずは的に矢が刺さらない程度の弱いもので、徹底的に身体の使い方を覚えていきましょう。身体の使い方がマズイ状態では、どんな高性能な道具も何の役にも立ちません。我流は自分の身体を壊す最大の原因になります。自分の道具を持つことや、リムのポンドアップは、指導者をうならせる技量を備えてからにしてください。

           

          ラクに早く上達したい人のためのアーチェリー選び その1

          2014.12.14 Sunday

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            まさに猫も杓子もといったところですが、初心者も中級者も上級者も、アーチェリー愛好者のほとんどが高価なハイエンドモデルを使っています。地方の高校生の小さな大会を見に行っても、そこにずらりと並んでいるアーチェリーを見ると壮観です。ここは世界戦の会場か?と思うほどです(笑)

            アーチェリーの技術講習会を開催したら、フラッグシップモデルを持ち込む人が多いのもビックリします。それって自動車学校での実技講習に、自前で持ち込んだF1などのフォーミュラカーを使おうとするのに似ています。それがスポーツ指導の現場において、どれだけ滑稽な状況であるかを知っておいて欲しいものです。

            ショップはショップで、初心者にいきなり総額25万円のセットを平気で勧めます。まさに狂気の沙汰にある日本のアーチェリー界。本当にどうかしてます。この状態を他の世界に例えてみると、それがどれだけおかしな事かがわかると思います。

            料理ができない人が料理教室に行って、3本セットで15万円の高級包丁セットを勧められたとしたら、どうでしょうか。もしもそんな事があったとしたら、それがアタリマエの事だとは、とても言いがたいですよね。しかしながら、多くのアーチェリーショップや、初心者教習の現場では、初めて自分の弓具を買おうという人に、いきなり上級者向けのフルセット25万円の製品を勧めます。しかもそれが完全に常態化しています。

            25万円というグレードは、オリンピックや世界戦を目指すような人が使うレベルの機材です。その突出した性能を体感できるのは、1000人に1人いるかいないかというシロモノです。そのレベルに到達するまでに、よほど積み上げてきたものがなければ、剛性が高すぎてサイトピンの震えが止めることができず、レスポンスが高すぎてどうにもならず、軽量化された機材が不安定な自分の動きを、より大きなものにします。結局は不確実な自分の動きを正確に的面に残すことしかできません。

            わかりやすく言うと、たかだか実質40ポンド(※表示ではなく実質)をチョット超える程度の弓を、筋力を総動員して射を維持しているレベルのうちは、高性能なモデルは上達の足かせにしかなりません。ハイエンドモデルを所有することに悦びを感じるのが目的という人は話がベツですが、本当に上達を目指す気があるのであれば、最初から高性能なモデルを選んではいけません。

            国内での全国大会で予選を勝ちあがる!という人や、レッドバッジを目指すレベルであっても、15万円もあれば十分です。というか、まだ競技会にも参加した事のない初心者や、上達過程にある中級者が、何をどんなふうに注文したら25万円のセットになるのかが、不思議でたまりません。いったい何を買わされているのでしょうか?勧める方も勧める方だと思いますが、買う方も買う方です。景気がどうこう言われている割には、日本は本当に豊かな国なんだと関心します・・・

            アーチェリーは、自分の上達に合わせて道具を買いそろえ、部材の買い替えを繰り返すスポーツです。ですから初心者が最初にフルセットを揃えてしまうことがそもそもの間違いになります。

            それでは今回は、初心者が最初に使うべき道具を紹介します。



            最初の実射は、ローランの樹脂製のハンドルから始めます。ところで製品として売られているリムは最も弱いものでも10ポンド以上あります。そのため最初は竹を切って非常に弱いリムを作り、巻き藁や発泡スチロールに刺さるか刺さらない程度のものを、最初の数ヶ月間使います。ここまではどのクラブでも用意してもらえるでしょうから、まだ自分の道具を買うようなことはないと思います。自分のものを買ったとしても、ハンドル6000円、サイト900円、レスト100円、そのくらいです。初心者が練習で矢をバラまくためだけの矢なんて、どのクラブにも捨てるほどあるでしょうから、たいていはそれを使わせてもらいます。



            射の基本を竹の弱い弓でマスターしたら、ローランの練習用ハンドルに、アーチェリー用品として販売されているリムを装着して実射に使います。クラブに年会費を払えばタダで貸してもらえる事が多いです。レジャーの範囲でたまに楽しむけど、競技に出るつもりはない。でも自分の道具を買ってアーチェリーを楽しみたいという人にもピッタリのモデルです。ここに写っているものすべてと、この画像に写っているすべてのアイテム以外に練習用のアルミ矢を6本購入したとても、総額は24,000円です。エントリーユーザー向けの製品ですが、正しい身体の使い方をマスターすれば、30mで黄色から外れることはありません。

            25万円の道具を買ってしまった他のメンバーの10分の1にも満たない価格ですが、皆さんが想像している以上に正確に当たります。自分に何が足りないかをしっかり教えてくれる懐の広さがあり、扱いは非常にマイルドです。これこそが初心者にとって必要な性能です。上級者でも定期的にこの弓を使ってみることで自分の状態を確認する選手もいます。そのくらい、大事な道具だともいえます。



            ところで多くの人が最初から高額なアーチェリーケースを買ってますが、2万も3万もするケースが本当に必要でしょうか?学校のクラブなどで収納や管理ために必須であったり、飛行機や新幹線を使っての遠征が多い人でなければ、必ずしも買わなければならないものではありません。特に初心者のうちは数メートル先までの短い距離しか射たないので、矢に羽根さえ貼る必要がありません。羽根を貼らない矢は、クイーバーに入れたままこのように大きめのバッグに収納すればいいのです。羽根を貼るようになれば、アローチューブやアローケースに入れれば大丈夫です。

            これで当たらなければ、どれだけ高価な機材を買ったところで当たりません。基礎をマスターするためには、この初心者用の道具を使って正面から取り組むことが大切なのです。

            これから数回に分けて、レベルに合わせた道具とステップアップの手順の例を紹介しますので、ご期待ください。